世界の仕事514|見えないDNAで自然を調べる!環境DNA研究者の最前線にせまる

INDEX

見えないDNAで自然を調べる!環境DNA研究者の最前線にせまる

環境DNA研究者とは、川の水や土の中に含まれる「生き物の落としもの(フンや皮膚の一部など)」からDNAを取り出し、そこにどんな生き物が住んでいるかを突き止める、いわば「自然界の探偵」です。網で捕まえたり直接姿を見たりしなくても、バケツ一杯の水から森や海の生態系を丸ごと解明してしまう最先端の科学者です。

最大の魅力は、目には見えないミクロの情報を手がかりに、地球規模の大きな謎を解き明かす「ギャップ」にあります。これまで何日も山を歩き回らなければ見つけられなかった絶滅危惧種を、たった一度の採水で見つけ出した時の感動は、宝探しを当てる以上の衝撃です。また、この技術はまだ新しいため、君たちの発見が世界初のニュースになる可能性も秘めています。生き物が好きという気持ちと、最新のテクノロジーを駆使して「地球の今」を救うヒーローのような実感が持てる点も、この仕事ならではの大きなやりがいです。

環境DNA研究者の仕事とは?

    環境DNA研究者の仕事は、フィールドワークとラボ(実験室)での分析の両方が組み合わさっています。

    例えば、ある川に「天然記念物のオオサンショウウオがまだ生きているか」を調べるとします。これまでは夜の川に潜って探すしかありませんでしたが、研究者は川の水を汲むだけで済みます。その水からDNAを抽出し、コンピュータで解析することで、「この付近に3匹分のDNAがある」といったことまで分かります。

    また、空港の検疫で「海外の悪い菌や外来種が入り込んでいないか」を空気中のDNAからチェックするシステムの開発や、海の中にどれくらい魚がいるかを調べて、漁師さんに「今日はここが豊漁だよ」と教えるようなプロジェクトも進んでいます。

    環境DNA研究者の魅力!

    1. 「見えないものが見える」ワクワク感
      コップ一杯の水に、何百種類もの魚の記録が眠っている。それを読み解くのは、魔法の鍵を手に入れたような感覚です。
    2. 地球の「健康診断」ができる誇り
      気候変動でサンゴが減っていないか、外来種が暴れていないか。自分の研究が地球を守るための重要なデータになります。
    3. 最新テクノロジーを使いこなすカッコよさ
      DNAシーケンサー(解読装置)やAI(人工知能)など、アニメに出てくるようなハイテク機器が君の相棒です。
    4. 世界中が「調査フィールド」になる
      アマゾンの奥地から南極の氷の下まで、DNAがあれば世界中どこへでも調査に行くチャンスがあります。
    5. 気になる年収と報酬
      大学の研究者や国の機関で働く場合、初任給は一般的な会社員と同じくらいですが、経験を積むと年収600万円〜1,000万円ほどになることもあります。世界を救う「知の冒険家」への報酬として、安定した生活を送りながら研究に没頭できる環境があります。

    環境DNA研究者になるには?

    • ステップ1 身近な生き物の「変化」に気づけるかな?
      まずは外に出て、近所の公園や川を観察してみよう。「去年よりカエルが少ないかも?」という小さな疑問が、研究の始まりです。
    • ステップ2 理科と算数を楽しめているかな?
      生き物の知識(生物学)はもちろん、データを計算する力(数学)も大切です。パズルを解くような感覚で勉強を楽しんでみよう。
    • ステップ3 大学で「生物学」や「環境学」を学ぼう!
      高校を卒業したら、DNAの扱い方を教えてくれる大学へ進みます。「どうすれば透明な水からDNAが採れるの?」という不思議を実験で解決していきます。
    • ステップ4 大学院で「自分だけの研究テーマ」を持とう!
      さらに深く学び、世界で自分しか知らない発見を目指します。論文を書いて世界中の科学者に発表します。
    • ステップ5 研究機関や企業に就職しよう!
      大学の先生になったり、環境を守る会社に入ったりして、プロの研究者としてデビューです!

    この分野で有名なプロフェッショナル

    近藤 倫生(こんどう みちお)教授

    日本の環境DNA研究をリードする第一人者といえば、東北大学の近藤倫生教授です。近藤教授は、バケツ一杯の水から魚の種類を特定する技術を、日本中の海で同時に行う「ANEMONE(アネモネ)」という観測ネットワークを作り上げました。

    彼は「自然を守るためには、まず自然がどうなっているかを知る必要がある」と考え、ボランティアの人たちと一緒に全国の水を採取する仕組みを作りました。このプロジェクトは、科学者だけでなく一般の人も参加できる「シチズンサイエンス(市民科学)」のモデルとして、世界中から注目されています。近藤教授の情熱は、見えないDNAを「社会を変える力」に変えたのです。

    マーケィングの観点から見ると?

    これからの世界では、「ネイチャーポジティブ(自然を回復させること)」が国や企業の大きな目標になります。環境DNA技術があれば、世界中のどこにどんな生き物がいるかをリアルタイムで地図に映し出すことができるようになります。

    例えば、アフリカのジャングルを壊さずに新しい道を作る計画を立てる時、環境DNAで「ここは守るべき場所だ」とすぐに判断できれば、開発と自然保護を完璧に両立できます。この仕事は、国境を越えて地球の生物多様性を守るための「共通言語」となり、人類が100年後も豊かな自然の中で暮らすための鍵となるでしょう。

    自由研究の例

    環境DNA研究者の仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

          テーマ 僕の・私の「環境DNA探偵」大作戦

          もし君が「透明人間」になれるカメラを持っていたら、どこを撮ってみたい?(そこが君の調査ポイントだよ!)

          • ステップ1 近所の川や池を1箇所決めて、1週間毎日観察しよう。どんな生き物が見えたか、逆に「声はするけど見えない生き物」は何だったかメモしてね。
            その生き物たちは、どんな「落としもの」を水の中に残していると思う?(鱗、粘液、フン…想像してみよう!)
          • ステップ2 「環境DNA」という言葉をインターネットや図鑑で調べて、どうやって水からDNAを捕まえるのか、自分なりに「未来の採取マシン」を絵に描いてみよう。
          • ステップ3 もし水一杯から全ての生き物が分かったら、君はその結果を使ってどんな良いことをしたいか、作文にまとめてみよう。

          まとめ

          環境DNA研究者は、科学の力で「自然の秘密」を翻訳する仕事です。今はまだ不思議な呪文のように聞こえるDNAのデータも、君たちの世代が大人になる頃には、天気予報を見るのと同じくらい当たり前の情報になっているかもしれません。

          生き物が好き、海が好き、そして不思議なことが大好き。そんな好奇心こそが、見えないDNAを読み解く一番のエネルギーになります。未来の地球を守る「科学の探偵」への挑戦を、空庭は応援しています!

          関連書籍

           

          身近な仕事について考えてみよう!

          • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
          • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
          • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

          foodots.

          foodots.

          食文化動画メディア

          空庭のテーマ

          この記事が気に入ったら
          フォローしてね!

          空庭をみんなで活用してね!
          • URLをコピーしました!
          INDEX