世界の教育|伝統を紡ぎ、未来を拓くレソトの教育、セソト語から暮らしまで育む学びの力と文化のつながり

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教育制度の特徴

    レソトの教育制度は、主に「初等教育(Primary)7年」「中等教育(Secondary)5年」「高等教育(Tertiary)」の3段階で構成されています。初等教育は就学義務期間で、学校料は政府が一部助成しながらも教科書代や制服代は家庭負担です。中等教育はさらに「前期(Form A–D)」「後期(Form E–F)」に分かれ、高等教育は国立大学や専門学校で学位取得を目指します。

    教育方法

    授業は主に講義形式で進み、先生が黒板に書いた内容をノートに写し、暗記や反復練習を重視します。英語は中等教育から授業言語となり、初等の前半はセソト語(Sesotho)で基礎を築くため、子供たちは二言語を使い分けながら学びます。グループワークやディスカッションは徐々に導入され、教員研修やNGOの支援でアクティブラーニングも広がりつつあります。

    教育への取り組みや支援

    • 政府の無償化政策 初等教育を実質無償化し、生徒数を大幅に増加
    • 国際機関・NGOの支援 ユニセフやUNESCO、世界銀行が教室建設や教員研修、教材配布を実施
    • 奨学金プログラム 成績優秀者には政府奨学金や民間財団の支援があり、都市部以外の子も進学機会を得られる
    • 学校給食 栄養改善と出席率向上を目的に、低所得層向けにおかゆや豆スープを提供
    • コミュニティの参加 保護者会や村落教育委員会が学校運営に関わり、地域ぐるみで子供の学びを支えます

    子供達の1日の過ごし方

    早朝5時半頃に起床し、家の手伝い(家畜の世話や家事)を終えてから徒歩で学校へ向かいます。8時の朝礼後、国語(セソト語)や算数、理科、社会科など5~6時間の授業。正午には学校給食を食べ、午後も2~3コマ。16時下校後は宿題を済ませ、弟妹の世話や畑仕事を手伝い、日没までに家族と夕食を囲みます。その後、ランプの下で読み書きを復習し、20時頃就寝します。

    教育と社会の関係

    レソトでは、教育を受けることで農村部の貧困連鎖を断ち切り、男女平等やHIV/AIDS対策への理解を深める役割が大きいです。識字率の向上は地域開発や保健衛生向上にも貢献。卒業生は看護師や教員、公務員などに就き、地域社会のリーダーとして活躍しながら、家庭や村全体の生活レベルを引き上げています。

      国が抱える教育の課題と未来

          • 教員不足・質の向上 地方では1人の先生が多クラスを担当し、研修機会が限られる。
          • 進学率の低下 初等卒業後に中等へ進む割合は約60%と、経済的理由で脱落する生徒が多い。
          • インフラ整備 雨季には校舎が浸水し、通学路も滑りやすくなる地域がある。
          • ICT活用の遅れ 電力・通信環境が不安定で、オンライン学習やデジタル教材の導入が進みにくい。
            将来は、地方への教員派遣強化や学校給食拡充、太陽光発電によるICT導入とe-ラーニングの普及で、教育機会の均等化と質の向上が期待されます。

              教育と文化や価値観の関係

              セソト語教育で伝統を継承

              初等教育で母語のセソト語を学ぶことで、子どもたちは詩歌やことわざ、口承文学を通じて祖先から受け継がれた価値観や共同体意識を自然に身につけます。

              学校行事でのモホロシェ(伝統舞踊)の実践

              文化祭やスポーツデーの開会・閉会式では、伝統舞踊や歌を全校生徒で披露。踊りを通じて「ウブントゥ(共に生きる精神)」を体感し、地域の絆を深めます。

              家庭科授業でのバソトブランケット制作

              女子生徒を中心に、地元で愛用されるバソトブランケットの織り方や柄の意味を学ぶことで、民族衣装への誇りと暮らしの知恵を継承します。

              道徳教育における長老や先祖への敬意

              授業のなかで長老の言葉や村の歴史を学ぶ時間を設け、上下関係や目上への礼儀を大切にする価値観が育まれます。

              学校給食で地元産のトウモロコシやモロホイ(野菜)を調理

              地域農家と連携して収穫物を給食に活用。食を通じて「自給自足」「共同作業」の大切さを学び、農村文化への愛着を深めます。

              まとめ

              レソトの教育は、無償化や国際支援で大きく前進しつつも、教員・インフラ・資金面での課題を抱えています。しかし、地域社会と政府、国際機関が一体となった取り組みが進み、子供たちの未来を切り拓く力となっています。限られた資源の中で学ぶ姿から、私たちも教育の大切さや支え合いの重要性を学ぶことができるでしょう。

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