CASE8-2 定性目標設計

INDEX

定性目標とは

定性目標とは、具体的な数値やデータに基づいた定量目標に対して、質的な面や状態や感覚的な面を重視した目標のことです。これらの目標は、組織や個人の行動、態度、文化、価値観の変化など、数値化しにくい要素に焦点を当てます。定性目標は、達成したいビジョンや目的を明確にするために使用され、組織の方向性や優先順位を示す役割を果たします。組織の文化やブランドイメージ、従業員の満足度、顧客との関係性など、ビジネスにおける理想の状態を適切に設定し定量目標と併せて管理する目標です。

定性目標の特徴

抽象的である: 数値や具体的な指標ではなく、広範で抽象的な概念に基づいている。
行動や文化に焦点を当てる: 組織や個人の行動、態度、文化、価値観の変化に関連している。
ビジョンや使命を反映する: 組織のビジョンや使命を実現するための方向性を示す。
モチベーションを高める: チームや個人が共通の目標に向かって努力するための動機付けとなる。

定性目標は、定量目標と組み合わせることで、組織の成長と成功をより総合的に捉えることができます。定量目標が具体的な達成基準を示す一方で、定性目標はその達成に向けた質的な方向性を提供します。

KPIとは

KPI（Key Performance Indicator）は、主要業績成果指標と呼ばれているもので、最終目標（KGI）達成の過程において、達成したい定量目標になります。OKRの理想の達成率が60%〜70%に対して、KPIの理想の達成率は100%です。そのため、KPIは大きく2つのメリットがあります。1つは、進捗の測定、管理に役立つというメリット、2つ目は業績のモニタリングに役立つということです。KPIの弱点は、数字だけを追ってしまい、本質を見落とすケースがあることです。

定性目標の設計例

定性目標は成功状態の定義

定量目標はあくまでも数値目標です。一方で定性目標は、「理想的な成功状態を定義」するものです。定性目標を定義して、定量目標を設定する流れが良いでしょう。例えば、「売上100億円達成する！」という定量目標だけでは、100億円達成後の目標値はおそらく「売上200億円達成する！」といったものになるでしょう。そのような定量目標設定だけでは疲弊してしまいます。定性目標を上手に運用できれば、「世界10カ国に支部をもつグローバル企業を創造する！」という定性目標に対して「売上100億円の達成」や「M&Aを10社実行する」といった目標設計で理想の状態をチームで共有しながら目標数値を達成する喜びを実感することができます。