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今回のテーマ
「家庭で作る発酵食品(例:漬物)の発酵温度比較をしてみよう」
今回は、おいしくて科学的にも奥深いテーマ「発酵」に挑戦してみましょう。同じ材料を使って漬物を作り、温度を変えることで、味や酸っぱさ(pH)、そしてどれくらい日持ちするかがどう変わるのかを実験します。 冷蔵庫の中、常温、そして少し暖かくした場所など、複数の場所で発酵を進めて、その違いを記録しましょう。
自由研究の目的
発酵は、私たちの食卓を豊かにするだけでなく、食べ物を長く保存する知恵でもあります。納豆、ヨーグルト、醤油、味噌など、身近な食品の多くが発酵の力を借りて作られています。 この研究を通じて、微生物がどのように働いて食べ物の味や性質を変えるのかを、実際に目で見て、舌で感じて学ぶことができます。実験を通して、科学の面白さを実感できるはずです。
自由研究のゴール
- レベル1 温度の違いで味や匂いが変わることを発見する
- 発酵が進むにつれて、匂いが強くなったり、酸味が出てきたりする変化を記録します。
- レベル2 pHメーターやリトマス試験紙を使って数値で記録する
- 味の「酸っぱい」を、pHという科学的な数値で測ってみましょう。温度が高ければ発酵が進み、pHが低くなる(酸っぱくなる)のかを確かめます。
- レベル3 顕微鏡で微生物を観察する
- もし顕微鏡があれば、発酵前後の液体を観察してみましょう。微生物(乳酸菌など)が増えていく様子を観察し、記録してみましょう。
きゅうりの浅漬けでの実験例
実験材料
- きゅうり、塩、砂糖
準備
- 同じサイズの瓶を複数(3つ以上)用意し、それぞれにきゅうり、塩、砂糖を同じ分量ずつ入れます。
実験方法
- 瓶A 冷蔵庫に入れる(約4℃)
- 瓶B 室内で保管する(約25℃)
- 瓶C 暖かい場所(30℃くらい)に置く
観察と記録
- 毎日、同じ時間に味見をし、匂いを嗅ぎ、見た目の変化を観察します。
- 「1日目:まだ味の変化はない」「3日目:少し酸味が出てきた」「5日目:シャキシャキ感がなくなり、酸味が強くなった」など、気づいたことをメモしましょう。
- 可能であれば、リトマス試験紙やpHメーターでpHを測り、数値で記録すると、より本格的な研究になります。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 条件をそろえる 温度以外の条件(材料の量、漬け込む時間、使う容器など)はすべて同じにすることが重要です。
- 記録をこまめにとる 毎日決まった時間に、観察日記をつけるように記録しましょう。写真や動画で変化を記録するのもおすすめです。
- 安全に配慮する 異臭がしたり、カビが生えたりした場合は、絶対に食べずに破棄しましょう。
自由研究の進め方
- テーマ決めと準備 どの発酵食品(漬物、ヨーグルトなど)を使うか決め、必要な材料や道具を準備します。
- 実験開始 複数の瓶に同じ材料を入れて、それぞれ違う温度の場所に置きます。
- 観察と記録 毎日、味や匂い、見た目、pHなどの変化を記録します。
- 結果の整理 記録したデータやメモを、グラフや表にまとめます。
- 考察とまとめ 「温度が高いほど発酵が進み、酸っぱくなる」など、実験から分かったことをまとめ、結果を発表する準備をします。
自由研究から発見したアイデア
- 塩分濃度を変えてみる 塩の量を増やすと、発酵の進み方はどうなるか? 塩が少ないと、どうなるか?
- 別の野菜や果物で試してみる きゅうり以外に、キャベツやにんじんで発酵実験をしてみる。
- 「乳酸菌飲料」を加えてみる 漬け込み液に乳酸菌飲料を少し加えると、発酵が速く進むか?
この自由研究に関連する仕事
- 食品メーカーの研究開発者 おいしい食品や、日持ちする食品を開発する仕事です。
- 醸造家 日本酒や醤油、味噌など、発酵の力を使っておいしいお酒や調味料を作る仕事です。
- 微生物学者 目に見えない微生物の働きを研究し、病気の治療法や新しい技術を開発する仕事です。
まとめ
今回の自由研究「発酵温度比較」は、身近な食卓の裏にある科学の不思議を、楽しく、そして安全に学べる絶好の機会です。 実験を通して、微生物の力を知り、自分だけのおいしい発見をしてみましょう。もしも「もっと知りたい!」と思ったら、ぜひ関連する本を読んでみたり、専門家に話を聞いてみたりして、さらに学びを深めてみてください。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。