世界の教育｜自然と文化が教室にある国、サモア〜子どもたちが育む“つながり”の教育

INDEX

教育制度の特徴

サモアの教育制度は、6・4・2制が基本となっており、6年間の小学校、4年間の中等教育（中学校）、その後に2年間の高等教育（高校）という流れになっています。小学校から中学校までは義務教育となっており、政府が教育の充実を目指しています。英語とサモア語のバイリンガル教育が行われていて、サモア語は文化の継承に、英語は国際社会への準備に使われています。

教育方法

サモアでは、対話と共同作業を大切にする教育が行われています。伝統的な「ファアサモア（Fa’asamoa）」という価値観に基づき、家族や地域、年長者を尊重する学びのスタイルが特徴です。また、歌や踊り、ストーリーテリングなどを取り入れた授業も多く、楽しみながら学ぶことができます。近年ではIT教育の導入も少しずつ進んでおり、タブレットなどを使った学びも始まっています。

教育への取り組みや支援

サモア政府は、すべての子どもが教育を受けられるようにさまざまな支援を行っています。たとえば無料の初等教育制度や、文房具の支給、遠い地域の子どもたちにはスクールバスのサポートもあります。また、ユニセフやニュージーランドなどの国際機関も協力し、学校の建設や教師のトレーニング支援を行っています。島しょ国ならではのアクセスの課題を乗り越えるため、地域ごとの工夫が進んでいます。

子供達の1日の過ごし方

サモアの子どもたちは、朝早くから活動を始めます。多くの学校は朝7時半〜8時ごろに始まり、お昼ごろに終わるところが一般的です。学校では授業の合間に歌を歌ったり、外でのびのび遊んだりと、自然とふれ合う時間がたくさんあります。放課後は家の手伝いや、教会の行事に参加することも多く、家族や地域とのつながりが日常生活に根づいているのが特徴です。

教育と社会の関係

サモアでは「教育＝社会を支える大切な力」という考え方が強くあります。特に教師はとても尊敬される存在であり、地域社会の中心的な役割も担っています。また、教育は伝統文化の継承にも深く関わっていて、授業の中でサモアの歴史や踊り、言語を学ぶことが重視されています。こうした教育を通して、サモア人としての誇りを育んでいるのです。

国が抱える教育の課題と未来

サモアの教育には、いくつかの課題もあります。たとえば、遠隔地の子どもたちの通学の難しさ、学用品や教材の不足、そして教師の数の不足などがあげられます。また、インターネット環境が不安定な地域も多く、オンライン教育の導入が遅れがちです。しかし、これらの課題に対して、国内外からの支援が少しずつ進んでおり、未来のサモアを担う若者たちによりよい学びを届けようとする動きが強まっています。

教育と文化や価値観の関係

「ファアサモア（Fa‘asamoa）」の精神が育まれる

サモアの教育では、目上の人への敬意・家族との助け合い・地域の連帯感を大切にする「ファアサモア（サモア流の生き方）」が、学校教育でも自然に教えられています。授業の中でも「家族の役割」や「村の伝統」について学ぶことで、子どもたちは自分たちの文化に誇りをもちながら育ちます。

みんなで踊り、みんなで学ぶ

学校行事では伝統舞踊のササやファアタウパティ（太鼓と踊り）をクラス全員で練習し、発表することがあります。これにより協力する姿勢、他人と調和する力、そして文化を共有する喜びが育まれています。
踊りや歌はただのレクリエーションではなく、祖先から受け継いだ知恵や歴史を伝える手段でもあるのです。

英語とサモア語のバイリンガル教育によるアイデンティティの形成

グローバル社会に対応できるよう英語教育にも力を入れていますが、サモア語もしっかり学ばせることで、子どもたちは自分のルーツを忘れずに成長します。自国の言葉を使って物語や伝説を学ぶ授業では、「私はサモア人なんだ」というアイデンティティが自然と育っていきます。

「村の一員」としての意識

教育は個人の成功だけでなく、「自分の学びをどう村に活かすか」という視点でも語られます。たとえば成績が良い子が地域のお年寄りに勉強を教えたり、進学後に村に戻って先生になる若者が多いことも、教育と地域社会のつながりの深さを物語っています。

まとめ

サモアの教育は、自然と文化、人と人とのつながりを大切にしたあたたかい学びの場です。地域の中で助け合いながら学ぶ姿は、日本の子どもたちにとっても大切なヒントをくれるかもしれません。まだまだ課題もありますが、世界中の人々と協力しながら、より良い未来を目指しているサモアの教育に、これからも注目していきましょう！

感想を温めよう！

世界の教育の内容を通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

If you would like to publish your experience in our media, please contact us at the email address below, we publish for $300 per article.
mailto: hello@s-labo.earth