教育制度の特徴
セルビアの教育は「義務教育」と「自由教育」に分かれます。義務教育は、6歳から15歳までの9年間(小学校8年+義務化前の1年)で、すべての子どもが無償で受けられます。その後は、高校(中等教育)や職業訓練校へ進み、大学進学を目指す「ギムナジウム(文系・理系)」が4年間、職業校も同じく2~4年間学びます。
教育方法
- 講義と実習の組み合わせ
理科や化学では実験器具を使い、実際に手を動かして学ぶ授業が多いです。
- プロジェクト学習
歴史や社会の単元では、グループでテーマを決めてポスター発表を行い、発表力や調べる力を養います。
- ICT(情報通信技術)の活用
近年はデジタル教科書やオンライン授業も導入され、プログラミング教育も必修化されてきています。
教育への取り組みや支援
- 政府の奨学金制度
成績優秀な生徒や家庭の経済的支援が必要な生徒に対し、大学進学の奨学金を支給。
- EUからの教育改革プロジェクト
カリキュラム改善や教員研修を行うための補助金を受け取り、教育の質向上に活用しています。
- NPOによる学習支援
地方の小さな村や山間部に、ボランティアの先生が出向いて補習や読書活動を実施。
- インクルーシブ教育の推進
障がいを持つ子どもも通常学級で学べるよう、サポートスタッフやバリアフリー設備を整備。
- ICT機器の整備
全国の学校にタブレットや高速インターネットを普及させ、デジタル教材を使った授業を支援。
子供達の1日の過ごし方
- 08:00 登校・ホームルーム
- 08:15~12:00 午前の授業
国語(セルビア語)、数学、理科など基礎科目を学びます。
- 12:00~12:45 昼休み/給食
学校によっては自校調理の温かい給食を提供。
- 12:45~15:30 午後の授業
音楽、美術、体育、外国語(英語・ロシア語など)を選択。
- 15:30~放課後活動
サッカー部やチェスクラブ、地元の文化を学ぶ伝統舞踊クラブなど、多彩なクラブ活動に参加します。
教育と社会の関係
セルビアでは、教育が「社会の結びつきを強める力」として重視されます。地域ごとの伝統文化を学校で学ぶ授業や、村単位で行う発表会を通して、世代間のつながりを育んでいるのが特徴です。また、農村部では収穫祭に合わせて子どもたちが農業体験をするなど、教育と地域社会が連携しています。
国が抱える教育の課題と未来
- 少子化と過疎化
若い世代が都市部へ移住するため、地方の学校は児童数減少に悩んでいます。
- 教員の流出
賃金や労働環境の厳しさから、優秀な教員が海外へ移るケースも。
- 未来への取り組み
• オンライン授業で過疎地の子どもにも同じ質の教育を届ける
• 教員待遇の改善と研修プログラム強化
• 地域連携プロジェクトで移住促進や起業支援を組み合わせ、「教育⇄地域活性化」の好循環を目指しています。
教育と文化や価値観の関係
共同体意識と助け合いの精神
小・中学校でのプロジェクト学習やクラブ活動では、仲間と協力して成果を出すことが重視されます。これがセルビア特有の「ザドラガ(大家族)的」な助け合い文化につながり、社会に出ても互いに支え合う心を育みます。
自然との共生と農業体験
農村部の学校で行う収穫祭や農業体験学習は、自然への感謝と共生の価値観を根付かせます。セルビア人の「大地を敬う」伝統的なライフスタイルと直結し、都市部でもエコやオーガニックへの関心を高める素地となっています。
伝統芸能・民謡の継承
学内クラブ活動でのフォークダンスや民謡合唱は、世代を超えた文化継承の場。若い世代も自分のルーツを学ぶことで、セルビアならではの民族アイデンティティやお祭り文化への誇りを持つようになります。
礼節と敬意を重んじる国語教育
セルビア語の授業では古典詩や歴史的な説話を朗読・暗唱し、言葉の持つ深い意味や礼儀作法を学びます。これにより、相手への敬意や丁寧さといった「セルビア流ホスピタリティ」の基礎が培われます。
多言語・国際感覚の育成
小学校から英語だけでなくロシア語やドイツ語も選択科目にあり、早い段階から多文化理解を促進。欧州の十字路に位置するセルビアならではの「異文化共存」への寛容性と、グローバルに活躍する素地を育んでいます。
まとめ
セルビアの教育は、欧州の一員としての伝統と最新技術を組み合わせつつ、文化や地域社会とのつながりも大切にしています。子どもたちは実験や発表、農業体験を通して「学ぶ楽しさ」を味わい、将来は国や地域を支える人材となることが期待されています。少子化や教員不足など課題はありますが、オンライン教育の普及や地域活性化と組み合わせることで、これからも豊かな学びの場を生み出していくでしょう。
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