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KPI設計とは

KPI(Key Performance Indicator)は、主要業績成果指標というもので、最終目標(KGI)を達成するために、途中で達成すべき定量的な目標を指します。OKRでは理想的な達成率が60%〜70%に対して、KPIは100%の達成を目指すため、全ての目標が達成されることが理想です。KPIには主に2つのメリットがあります。1つは、目標の達成具合を定量的に測ることができ、進捗を管理しやすくなります。2つ目は、業績を常にモニタリングでき、問題があれば早めに対応できます。しかし、KPIには弱点もあります。それは、数字だけに注目しすぎて、目標達成の本質や背景にある意味を見落としてしまうことがある点です。数字が全てではないため、注意が必要です。

定性目標は、定量目標と組み合わせることで、組織の成長と成功をより総合的に捉えることができます。定量目標が具体的な達成基準を示す一方で、定性目標はその達成に向けた質的な方向性を提供します。

KPI設計の特徴

KPI設計の特徴は、明確で具体的、測定可能、達成可能で現実的であることです。これらの特徴を備えたKPIを設定することで、組織やチームは目標に向かって効率的かつ効果的に進むことができます。

1. 明確で具体的

KPIは明確で具体的である必要があります。これにより、目標達成のための具体的なアクションや進捗状況を把握しやすくなります。曖昧な指標ではなく、数値や具体的な成果に基づいた指標が必要です。

: 「売上高を増やす」という曖昧な目標ではなく、「月間売上高を前年比10%増加させる」という具体的な目標を設定する。

2. 測定可能

KPIは測定可能でなければなりません。定量的に評価できる指標を設定することで、進捗を客観的に評価し、目標達成の度合いを確認できます。測定可能な指標により、データに基づいた意思決定が可能になります。

: 「顧客満足度を向上させる」という目標ではなく、「顧客満足度調査のスコアを85%以上にする」という測定可能な指標を設定する。

3. 達成可能で現実的

KPIは達成可能で現実的である必要があります。過度に高すぎる目標や現実的ではない目標を設定すると、モチベーションの低下や達成感の欠如を招く可能性があります。現実的な範囲内で挑戦的な目標を設定することが重要です。

: 「新規顧客を年間100万人獲得する」という非現実的な目標ではなく、「新規顧客を年間1万人獲得する」という達成可能な目標を設定する。

KPIの設計例

レッドブルのKPI(重要業績評価指標)

レッドブルは、エナジードリンクの市場で高いシェアを持つグローバル企業であり、そのKPIは販売業績、ブランド認知度、顧客満足度、マーケティング効果など多岐にわたります。以下に、レッドブルの主要KPIを各領域ごとに設計します。

1. 販売業績のKPIツリー項目

KPI 1: 売上高目標: 年間売上高を前年比15%増加させる

KPI 2: 市場シェア目標: 主要市場(例:北米、ヨーロッパ、アジア)の市場シェアを1%増加させる

KPI 3: 新規販売チャネルの開拓目標: 新規販売チャネル(オンライン、リテール店舗など)を年間50箇所開拓する

2. ブランド認知度のKPIツリー項目

KPI 1: ブランド認知度スコア目標: 市場調査におけるブランド認知度スコアを10%向上させる

KPI 2: SNSフォロワー数目標: 主要SNSプラットフォーム(Instagram, Twitter, Facebookなど)のフォロワー数を年間20%増加させる

KPI 3: 広告リーチ目標: 広告キャンペーンのリーチ数を前年比30%増加させる

3. 顧客満足度のKPIツリー項目

KPI 1: 顧客満足度スコア(CSAT)目標: 顧客満足度スコアを85%以上に保つ

KPI 2: ネットプロモータースコア(NPS)目標: NPSを60以上に向上させる

KPI 3: クレーム対応時間目標: クレームの初回対応時間を24時間以内にする

4. マーケティング効果のKPIツリー目標

KPI 1: イベント参加者数目標: スポンサーシップイベント(例:スポーツ、音楽イベント)への参加者数を前年比25%増加させる

KPI 2: コンテンツエンゲージメント目標: SNS投稿やウェブサイトのコンテンツに対するエンゲージメント率(いいね、シェア、コメント)を15%向上させる

KPI 3: 広告費用対効果(ROAS)目標: 広告費用対効果を20%向上させる

5. 社会貢献およびサステナビリティのKPIツリー目標

KPI 1: 環境負荷削減目標: 製品のパッケージに使用するリサイクル材料の割合を50%以上にする

KPI 2: 社会貢献活動目標: 地域社会への貢献活動(例:スポーツ育成プログラム、環境保護活動)を年間10プロジェクト実施する

KPI 3: サステナビリティ報告目標: 年次サステナビリティ報告書を発行し、全てのステークホルダーに共有する

これらのKPIは、レッドブルが企業目標を達成するための指標として機能し、企業の成長、ブランド力の強化、顧客満足度の向上、持続可能な社会貢献活動を支えるために重要な役割を果たします。

目標設計の基本

魅力的なゴールを描くことで日々の業務(課題解決など)に意義を持たせることができます。現在と未来のギャップを見える化し、顧客の課題を解決するための自社の課題を特定します。目標設計の基本的な順番は、(1) 現在地の特定 (2) 目標のリストアップ (3) 未来目標設定 (4) 現在地とのギャップを特定 (5) 課題のリストアップ (6) 仮説定義 (7) 仮説の検証方法の定義(8) 中間目標の設定(または目標の再設定)(9) アクションプランやコンセプト定義です。

  • 定性目標:ビジョンに近い目標で「将来の理想的な状態」を表現する
    • (例)2年後にブランドのロイヤリティ化を目指す
    • (例)2年後に非助成認知における想起集合で3番に食い込む状態を目指す
  • 定量目標:達成したい数値目標で「実現したい数値目標」を表現する
    • (例)2年後に売上高を200億達成

UnsplashImmo Wegmannが撮影した写真

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コメント一覧 (1件)

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