今回のテーマ
「アップサイクルで環境を守り、デザインとビジネスを学ぶ」
この自由研究は、ただ古着をリメイクするだけではありません。古くなった服を新しいデザインの服に生まれ変わらせる「アップサイクル」を通じて、デザインの力と、その服を「誰に」「どうやって」売るかを考える「マーケティング」の楽しさを発見する探究です。環境に優しい取り組みをしながら、自分だけのオリジナルブランドを立ち上げるような、創造的で実践的な研究です。
自由研究の目的
地球にはたくさんの服が作られていますが、その多くがまだ着られるのに捨てられてしまっています。これは「ファッションロス」と呼ばれる大きな環境問題です。この研究では、この問題に立ち向かい、捨てられる服に新しい命を吹き込む方法を学びます。デザイン力、発想力だけでなく、社会の課題を解決する力、そして「売れる商品」にするためのマーケティング思考が身につきます。これからの時代に求められる「社会に役立つ力」を育むことができます。
自由研究のゴール
- レベル1 着なくなった服をアップサイクルし、自分だけの特別な一着を作る。デザインのアイデアをスケッチブックにまとめる。
- レベル2 友達や家族に「どんな服がほしい?」とヒアリングし、そのリクエストに応えるデザインを考える。実際に作って、着てもらう。
- レベル3 作った服を「売る」ことを想定して、オンラインストアのページを作成したり、価格を決めたりする。市場調査を行い、レポートにまとめる。
実際にアップサイクルしている例
古着をアップサイクルしているブランドやクリエイターは、世界中にたくさんいます。例えば、日本の「COUDRE(クードル)」は、ヴィンテージの着物や帯を使って、現代でも着られる美しい洋服やバッグに生まれ変わらせています。また、「NEWSED(ニューズド)」は、捨てられるはずだった傘の生地や工事現場の資材などを使い、新しい商品を生み出す活動をしています。このように、身の回りにある「いらないもの」に新しい価値を見出すクリエイターがたくさんいるのです。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- デザインの発想力を磨く 古着の素材(柄、色、質感)を活かして、どんな新しい服にできるかを考えます。
- 市場調査の視点を持つ 「誰に(ターゲットは?)」、「どこで(販売場所は?)」、「いくらで(価格設定は?)」を考えます。
- 販売戦略を立てる 作った服の魅力を伝える写真の撮り方や、商品の名前、ブランドコンセプトを考えます。
自由研究の進め方
- 材料集め
家のクローゼットや古着屋さんで、アップサイクルしたい服を探してみよう! - デザイン会議
集めた服を広げて、どんなデザインにできるか、アイデアをたくさんスケッチしてみよう。 - マーケットリサーチ
友達や家族に「こんな服があったら買う?」と聞いてみたり、インターネットで似たような商品を調べてみたりしよう。 - 制作
実際に裁縫やミシンを使って、服をアップサイクルしてみよう。 - 販売リサーチ
完成した服を写真に撮り、価格や商品の説明を考えて、発表資料や簡単なオンラインストアのページを作ってみよう。 - まとめ
研究のプロセス(デザインの理由、売るための工夫、反省点など)をレポートにまとめる。
自由研究から発見したアイデア
- みんなの失敗服から作る「再生服プロジェクト」 裁縫に失敗して着られなくなった服を集めて、それらを組み合わせることで、ユニークな一点ものの服を作る。
- 「思い出の服」をアップサイクルするサービス 子どもが小さかった頃に着ていた服を、大人でも着られるデザインにリメイクするサービスを提案。
- 「街を彩る」古着アート 古着の切れ端やパーツを組み合わせて、大きなアート作品やタペストリーを作り、街の公共スペースに展示する。
この自由研究に関連する仕事
- ファッションデザイナー 服のデザインを考え、新しい服を生み出す仕事。
- サステナビリティ・コンサルタント 企業が環境に優しい活動をするためのアドバイスをする仕事。
- マーケティングプランナー 商品をどのように宣伝し、誰に届けるかを考える仕事。
- アパレル・バイヤー お店で売る服を選び、仕入れる仕事。古着のアップサイクルブランドを探すバイヤーも増えています。
まとめ
この研究は、古着を単なる「ゴミ」ではなく、無限の可能性を秘めた「宝物」に変えることを教えてくれます。デザインの力で新しい価値を生み出し、マーケティングの視点でその価値を伝えることは、これからの社会でとても大切な力です。地球に優しく、そして自分らしく表現する、この研究から、きっとあなたの未来の仕事につながる発見があるはずです。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。