若者がもっと政治に関わるための方法を考えよう!
近年、日本や世界の多くの国で「若者の政治参加が少ない」ことが課題として挙げられています。選挙への投票率が低い、デモや意見表明の場に行かない、SNSで政治的発言を控えるなど、若い世代が政治の意思決定に十分に関わっていない状況が続いています。自由研究としては、この現状を調べ、「なぜ若者は政治に関わりにくいのか」「どうすればもっと主体的に意見を持ち、行動できるのか」を探求します。
政治は私たちの暮らしに直結しています。学校のカリキュラムや部活動のルール、アルバイトの労働環境、SNSでの発言の自由など、日常生活の多くが法律や条例、自治体の決定によって左右されます。若者自身が政治に参加しないと、自分たちの未来を他の世代に任せてしまうことになります。自由研究を通して「なぜ自分たちの声を政治に届けることが大切なのか」「自分たちが望む社会を作るために何ができるのか」を考えるきっかけにしましょう。
自由研究のゴール
- 現状を把握する力をつける
選挙の投票率データやニュース記事、インタビューなどを調べ、若者の政治参加状況を数字やグラフで理解する。
- 問題意識を持ち、疑問を立てる力をつける
「なぜ若者の投票率は低いのか」「政治家やメディアは若者の声をどう扱っているのか」といった疑問を整理する。
- データ収集・分析能力を向上させる
アンケート調査やインタビューを実施し、集めたデータを使ってグラフや表を作成。統計的に分析して、自分なりの結論を導く。
- 問題解決のアイデアを生み出す力を育む
「若者がもっと政治に関わるためにできる活動」や「学校や地域での取り組み」を考え、具体的な提案にまとめる。
- 発信力・プレゼン力を高める
研究結果をポスターやプレゼン動画、報告書にまとめ、クラスや地域で発表してフィードバックを受ける。
若者がもっと政治に関わるための方法を考えた例
事例1 高校生模擬選挙プロジェクト(京都府)
京都府内のある高校では、実際の選挙区を模した模擬選挙を授業内で実施しました。生徒たちは架空の候補者を設定し、政策を考えてポスターを作成。クラス全員で選挙管理委員会役、候補者役、投票者役に分かれ、本番さながらに選挙活動を体験しました。このプロジェクトによって、政治が教科書だけでなく「自分ごと」だと感じる生徒が増え、模擬選挙後のアンケートでは「政治に興味が持てた」「実際の選挙に行きたいと思った」という声が多数寄せられました。
事例2 大学生がSNSで発信する市議会レポート(東京都)
東京都内の大学生グループが、市議会の定例会を傍聴し、TwitterやInstagramでわかりやすく要点をまとめて投稿する活動を続けています。専門用語や難しい議論を、図解や簡単な言葉で説明し、若者や学生でも理解しやすい形に編集。フォロワー数は半年で2000人を超え、若者の関心を引きつけるきっかけとなっています。この活動を通して、「政治は自分と関係がある」「ちゃんとチェックしないと自分の意見が反映されない」と感じる若者が増えていると報告されています。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 統計データを活用しよう
総務省や各自治体のウェブサイトで公開されている選挙投票率データを入手し、年代別・地域別の傾向を整理します。グラフ化することで、どの年齢層が特に低いのか、地域差はあるのかを可視化しましょう。
- アンケートやインタビューを行おう
クラスメイトや近所の若者に「投票に行ったことがあるか」「政治に興味があるか」「なぜ興味がある/ないのか」を聞いてみます。スマホのフォームを使えば、手軽にデータを集められます。匿名で答えてもらうと、本音を引き出しやすくなります。
- 課題を具体化しよう
データやインタビュー結果をもとに、「若者が政治に参加しない理由」を具体的にリストアップします。例えば「投票所が遠い」「候補者の公約がわかりにくい」「SNSで情報が流れてこない」など、複数の要因を洗い出しましょう。
- 改善策を考えよう
具体的な原因がわかったら、「どうすれば解決できるか」「どんな方法が若者に刺さるか」を検討します。ポスター作りのアイデア、SNSを使った情報発信方法、学校でのワークショップ企画など、独自の提案につなげます。
- 発表形式を工夫しよう
単なるレポートだけでなく、ポスターセッションや動画プレゼンテーション、ウェブサイト作成など、見せ方を工夫すると、聞き手の関心を引きつけやすくなります。
自由研究の進め方
- テーマ設定とリサーチ計画
テーマを「若者の政治参加不足」と明確にし、調べたい項目(投票率、関心度、情報源など)をリストアップする。図書館やインターネットで、基本的なデータや過去の研究事例を探す。
- データ収集とアンケート実施
総務省・選挙管理委員会などの公式サイトから、年代別投票率や地域別投票率をダウンロード。
Googleフォームなどを使い、「投票経験」「興味の有無」「理由」を尋ねるアンケートを作成し、クラスメイトや友人に回答を依頼。インタビューできる機会があれば、学校の先生や自治体職員にも聞いてみると、意外な意見が得られる。
- データ分析と課題整理
集めた数字やアンケート結果をエクセルやノートにまとめ、グラフや表を作成。「若者が政治に参加しない理由」を項目別に分け、優先順位をつけて整理する。
- 改善策の立案とアイデア出し
「若者が興味を持ちそうな情報発信方法は?」「投票所までの交通手段はどう改善できる?」など、グループディスカッションやブレインストーミングを行う。
ワークシートに「問題点」「原因」「解決策」「実行のイメージ」をまとめ、具体的な行動計画を作成。
- まとめと発表準備
レポートの構成を決め、図表や写真、アンケート結果を組み込んで読みやすく編集。
ポスターやスライドを作成し、クラスや地域の発表会で披露できる形に整える。
自由研究から発見したアイデア
- 「SNS投票情報拡散プロジェクト」
インスタグラムやTikTokで、投票方法や候補者の公約を分かりやすくまとめたショート動画を作成・共有。20~30秒程度の動画で、「選挙に行く理由」や「期日前投票の方法」を紹介することで、若者の関心を高める。
- 「学校内ミニ選挙ワークショップ」
フォルケスコーレや高校で、実際の選挙区候補者をモデルにした模擬選挙を開催。生徒が自分で政策を立案し、ポスター制作から投票までを体験することで、政治参加へのハードルを下げる。
- 「投票所シャトルバス企画」
投票日や期日前投票期間中に、若者が集まりやすい駅や商業施設から投票所までの無料シャトルバスを自治体と協力して運行。通学・通勤帰りに立ち寄れるルート設定や、バス内で投票方法を説明するポスターを掲示する。
- 「地域ポリティカルトークカフェ」
地元のカフェや公民館で、若者向けにライトな雰囲気で政治について話し合うイベントを定期開催。司会役やゲストとして若手議員や学生団体メンバーを招き、質疑応答や意見交換を行う。
この自由研究に関連する仕事
- 政策アナリスト・リサーチャー
国や自治体、民間シンクタンクでデータを分析し、若者の投票行動や政治意識に関する調査を行う仕事です。高校や大学で政治学、経済学、統計学などを学び、調査設計やデータ解析を行います。
- NPO/NGOスタッフ(市民教育担当)
若者や市民に向けた政治教育プログラムを企画・運営する仕事です。ワークショップやセミナーを企画し、選挙や政策についてわかりやすく伝える資料作りや広報活動を行います。
- 選挙管理委員会職員(地域振興・選挙啓発)
地方自治体の選挙管理委員会で、選挙啓発や投票率向上のためのイベント企画、広報活動、投票所運営のサポートなどを担当します。若年層の投票参加を促すためのキャンペーン立案も業務の一つです。
- 政治コンサルタント・スタッフ(若者政策担当)
党派や政治家のもとで、若者を対象にした政策立案や広報戦略を練る仕事です。若者の声を吸い上げるための調査やソーシャルメディア戦略を担当し、政策立案から選挙活動まで幅広く関わります。
自由研究のまとめ
若者の政治参加不足は、私たち自身の未来に大きく影響します。自由研究を通じて「政治は遠いものではなく、日常生活と深く結びついている」と実感し、データ収集・分析を通して問題の構造を理解できました。そして、自分たちができる解決策を考えたことで、「政治参加はアイデア次第で楽しく、身近なものになる」と気づくことができました。今後は、今回の研究結果を基に、学校や地域で発信活動を続け、新たな仲間とともに「若者が政治にもっと関わる社会」を目指しましょう。
参考リンク
- 厚生労働省「児童虐待の現状について」
- 全国児童相談所長会「児童相談所の仕組み」
- 児童虐待防止全国ネットワーク「子どもの虐待防止に向けて」
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。