世界の仕事399|未来のエネルギーを動かす!グリーン水素プラント技術者の仕事

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未来のエネルギーを動かす!グリーン水素プラント技術者とは?

グリーン水素プラント技術者とは、太陽光や風力などの自然エネルギーを使って水を電気分解し、二酸化炭素を出さない「究極のクリーンエネルギー(グリーン水素)」を作り出す工場(プラント)を建設・運営する専門家です。地球温暖化を止めるための「切り札」を作る、まさに地球のドクターのような仕事です。

この仕事の最大の魅力は、自分たちの技術で地球環境を直接守れることです。これまで捨てられていた「水」と「太陽」が、あなたの手によって飛行機やロケット、街を動かすエネルギーに変わります。 世界中が注目する最先端の技術に触れられるため、毎日が新しい発見の連続です。また、日本だけでなく、太陽が降り注ぐオーストラリアや中東、風の強いヨーロッパなど、世界中を舞台に活躍できるグローバルなチャンスに溢れています。「未来を作る」というワクワク感が、この仕事には詰まっています。

グリーン水素プラント技術者とは?

グリーン水素プラント技術者の仕事は、ただ機械を動かすだけではありません。巨大な実験と冒険が組み合わさったような仕事です。

例えば、「巨大な装置の設計と建設」があります。 砂漠の真ん中や海沿いの広い土地に、太陽光パネルや風車を並べ、そこで生まれた電気を使って水を水素に変える「水電解装置(すいでんかいそうち)」という巨大なマシンを設置します。まるで秘密基地を作るようなスケールの大きさです。

また、「オペレーション(運転)とメンテナンス」も重要な仕事です。 コントロールルームにあるたくさんのモニターを見ながら、水素が安全に作られているか、パイプに漏れがないか、AI(人工知能)を使って24時間体制でチェックします。もしトラブルが起きれば、ドローンやロボットを使って点検したり、自分たちで修理に向かったりします。

この仕事は、化学、電気、機械、そして自然環境についての知識を総動員して、安定したエネルギーを世界に届ける役割を担っています。

        グリーン水素プラント技術者の魅力!

        1. 地球を救うヒーローになれる
          あなたが作った水素は、二酸化炭素を出さない燃料として使われます。排気ガスを出さないバスやトラックが街を走るのを見るたびに、「あれは僕が(私が)作ったエネルギーで動いているんだ!」と誇らしい気持ちになれます。
        2. 世界トップクラスの年収も夢じゃない
          新しい技術を持つ人は世界中で足りていません。そのため、給料も高い傾向にあります。経験を積めば、年収1000万円〜1500万円(約8万〜12万ドル)以上を目指すことも可能です。高い技術力は、しっかりと報酬として返ってきます。
        3. 世界中があなたの職場になる
          グリーン水素を作るのに適しているのは、太陽や風が豊かな場所です。オーストラリアの赤い大地、チリの高原、サウジアラビアの砂漠など、普通の旅行では行けないような場所で働くチャンスがあります。
        4. 最先端のテクノロジーに囲まれる
          水素を作るプラントは、最新科学の塊です。AIによる自動制御や、点検ロボットなど、SF映画に出てくるようなハイテク機器を使いこなす面白さがあります。
        5. 産業の歴史を変える瞬間に立ち会える
          石炭や石油から、水素へ。人類のエネルギーの歴史が変わる瞬間の中心にいることができます。教科書に載るような変化を、自分の手で起こすことができるのです。

        グリーン水素プラント技術者になるには?

        • ステップ1 理科の実験を好きになろう!
          「なぜ水から泡が出るの?」「電気はどうやって流れるの?」という好奇心が全ての始まりです。まずは学校の理科の授業を楽しみましょう。
          あなたは実験をする時、ワクワクしますか?
        • ステップ2 英語を身につけよう!
          この仕事は世界中の人とチームを組みます。英語が話せれば、活躍の場所は日本だけでなく世界全体に広がります。
          世界中の友達と話ができたら、どんな話をしたいですか?
        • ステップ3 大学や高専で「工学」を学ぼう!
          「化学工学」「電気工学」「機械工学」などの分野に進み、エネルギーや機械の仕組みについて専門的な知識を身につけます。
          大きな機械の中身がどうなっているか、気になったことはありますか?
        • ステップ4 インターンシップで現場を見よう!
          学生のうちにエネルギー会社やプラント建設会社を見学したり、体験入社(インターンシップ)をしてみましょう。実際の現場の空気を感じることが大切です。
          働く大人の姿を見て、どんな感想を持ちましたか?
        • ステップ5 エネルギー企業やエンジニアリング会社へ就職!
          水素プロジェクトに力を入れている会社に入り、プロとしてのキャリアをスタートさせます。そこから世界の現場へ飛び立ちましょう!

        この分野で有名なプロフェッショナル

        ヴァイテア・コワン(Vaitea Cowan)氏

        彼女は、グリーン水素をより安く、どこでも作れるようにする技術を開発した企業「Enapter(エナプター)」の共同創設者です。 太平洋の島で育った彼女は、気候変動によって故郷の島が海に沈む危機を感じ、「化石燃料に頼らない世界を作りたい」と強く決意しました。彼女たちが開発した「AEM水電解装置」という技術は、小型で効率が良く、世界中の環境問題を解決する発明として、イギリスのウィリアム皇太子が創設した環境賞「アースショット賞」も受賞しています。 技術の力で故郷と地球を守ろうとする彼女の情熱は、多くの技術者の目標となっています。

        マーケィングの観点から見ると?

        これからの30年で、世界は劇的に変わります。2050年までに、世界中の多くの国が「カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること)」を目指しています。

        電気自動車(EV)はバッテリーで走りますが、巨大な飛行機や大型タンカー船、製鉄所などはバッテリーだけではパワー不足です。そこで必要になるのが、パワーがあり、燃やしても水しか出ない「グリーン水素」です。 今後、世界中で水素を作るプラントの建設ラッシュが始まります。ヨーロッパ、アメリカ、中国、そして日本も、国を挙げてこの技術に取り組んでいます。グリーン水素プラント技術者は、これからの地球経済を支える中心的な存在となり、その需要は今後数十年、右肩上がりで増え続けるでしょう。

        自由研究の例

        グリーン水素プラント技術者の仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

        テーマ 水から未来のエネルギーを取り出そう!

        • ステップ1 水の電気分解実験をしてみよう
          乾電池、鉛筆の芯、水、重曹を使って、水を「水素」と「酸素」に分ける実験をしてみましょう。
          プラス極とマイナス極、どちらからどんな泡が出てきましたか?その泡の正体は何でしょう?
        • ステップ2 世界の「水素地図」を作ろう
          世界地図を用意して、今どこで大きな「グリーン水素プラント」が作られているか調べてシールを貼ってみましょう(例:オーストラリア、福島県の浪江町など)。
          プラントが作られている場所には、どんな共通点(天気や地形など)がありますか?
        • ステップ3 未来の乗り物を調べよう
          水素で走る自動車(FCV)やバス、開発中の水素飛行機について調べてみましょう。 ガソリン車と比べて、水素で走る乗り物はどんなところが「いいところ」ですか?

        まとめ

        グリーン水素プラント技術者の仕事は、ただの「工場の人」ではありません。水と太陽と風を使って、地球の未来を変える魔法使いのようなエンジニアです。 気候変動という大きな問題に立ち向かい、次の世代に美しい地球を残すための、やりがいと夢に溢れた職業です。 もしあなたが、「科学の力で世界を良くしたい」「世界中を旅して大きな仕事がしたい」と思っているなら、この仕事はあなたにとって最高の冒険になるはずです。 さあ、あなたも未来のエネルギーを作る旅に出かけてみませんか?

         

        関連書籍

         

        身近な仕事について考えてみよう!

        • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
        • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
        • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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