個人情報を守る!データプライバシーオフィサーとは?
データプライバシーオフィサー(DPO)は、企業や組織の中で、みんなの大切な「個人情報」がルールに沿って正しく、安全に使われるように見守る専門家です。いわば、デジタル社会の「個人情報のおまわりさん」のような存在です。
インターネットやスマートフォンが当たり前になった今、私たちの名前や住所、好きなことなどの個人情報は、様々なサービスで利用されています。DPOは、それらの情報が悪用されたり、間違って使われたりしないように、法律やITの知識を駆使して守る、とても責任感のある仕事です。人々のプライバシーという権利を守り、社会の安心を支える「縁の下の力持ち」として、大きなやりがいを感じることができます。
データプライバシーオフィサーの仕事とは?
データプライバシーオフィサーは、具体的に次のような仕事をしています。
- ルールの確認とアドバイス 会社が新しいサービス(例えば、新しいゲームアプリやオンラインストア)を始めるとき、個人情報の集め方や使い方が法律に違反していないかチェックし、「こうすればもっと安全だよ」とアドバイスします。
- 社内教育 会社の他の社員に、「個人情報はこうやって大切に扱おうね」という研修を開き、会社全体でプライバシーを守る意識を高めます。
- 見守りと監査 会社がきちんと個人情報を管理できているか、定期的に見回りやチェック(監査)をします。もし問題が見つかれば、すぐに直すように指示を出します。
- 窓口としての役割 もし万が一、個人情報が外部に漏れてしまうなどの事故が起きたときには、国などの監督機関に報告したり、利用者からの問い合わせに対応したりする窓口になります。
例えば、みんなが使っているSNSアプリ。そのアプリ会社にいるDPOは、「友達以外の知らない人に、自分の投稿が見えないように設定できるか」「登録した誕生日やメールアドレスが、安全に保管されているか」といったことを常にチェックしているのです。
データプライバシーオフィサーの魅力!
- 社会の役に立っていると実感できる!
自分の仕事が、人々の「プライバシー」という大切な権利を守り、社会の安全につながっていると強く感じられます。 - 「ありがとう」と言われる仕事
利用者からはもちろん、会社の仲間からも「君がいてくれるから安心してサービスを提供できる」と感謝される存在です。 - グローバルに活躍できる!
インターネットに国境がないように、データプライバシーのルールも世界共通のものが増えています。世界中の人々の情報を守る、国際的な仕事です。 - 高い専門性が身につく
法律とITという、これからの社会でますます重要になる二つの分野の専門家になることができます。 - 高い報酬が期待できる
専門性が高く、社会からの需要も大きいため、平均年収は700万円〜1500万円ほどと、プロスポーツ選手や医者のように高い報酬を得られる可能性がある、夢のある仕事です。(※経験や能力によって異なります)
データプライバシーオフィサーになるには?
- 「なぜ?」を考える探求心を持とう!
社会のニュースや身の回りのルールに興味を持ち、「なぜこのルールは必要なんだろう?」と考えてみよう。社会科や公民の授業が全ての始まりです。 - ITの世界に触れてみよう!
パソコンやプログラミングに触れて、情報がどのようにインターネットを駆け巡るのか、その仕組みを体験してみよう。まずは簡単なゲーム作りからでもOK! - 大学で専門知識を学ぼう!
大学では、法律を学ぶ「法学部」や、情報の技術を学ぶ「情報学部」などで専門知識を深めるのが一般的です。両方の知識が必要なので、どちらの分野にもアンテナを張っておくことが大切です。 - 社会で経験を積もう!
会社に入り、法律関係の部署(法務部)や、情報システムを管理する部署で実務経験を積みます。ここで、実際のビジネスで個人情報がどう扱われるかを学びます。 - 資格に挑戦してプロフェッショナルへ!
データプライバシーに関する専門資格(CIPPなど)を取得することで、専門家としての信頼性が高まります。君も、未来の個人情報保護のプロを目指してみないか?
この分野で有名なプロフェッショナル
ダニエル・ドリュワー(Daniel Drewer)
彼は、ヨーロッパ全体の警察組織である「欧州刑事警察機構(ユーロポール)」でデータ保護責任者を務める、この分野のトッププロフェッショナルの一人です。ユーロポールは、国際的な犯罪捜査のために、国を超えて様々な情報(もちろん個人情報も含まれます)を扱います。ドリュワー氏は、犯罪捜査という重要な目的を果たしつつ、関係者のプライバシーが不当に侵害されることがないよう、巨大な組織の中でデータの利用を監督するという、非常に難しい任務を担っています。まさに、正義とプライバシーのバランスをとる、世界レベルの専門家です。
マーケィングの観点から見ると?
これから先、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった技術が進化すると、私たちの身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながり、さらに多くの個人情報が生まれていきます。例えば、家の冷蔵庫が足りない食材を自動で注文したり、着ている服が健康状態をチェックしてくれたり。そんな便利な未来がすぐそこまで来ています。
しかし、それは同時に、私たちの生活が「データ」として記録され続けるということでもあります。データプライバシーオフィサーは、そんな未来の社会で、新しい技術が人々のプライバシーを脅かすことなく、安心して使えるようにするための「案内人」のような役割を果たします。国境を越えてデータが飛び交う中で、世界中の人々が信頼し合えるデジタル社会を築く、非常に重要で素晴らしい仕事なのです。
自由研究の例
テーマ 私たちの個人情報はどこにある?探して、守る方法を考えよう!
- ステップ1 身の回りの「個人情報」を探そう!
君自身の名前や年齢のほかに、どんなものが個人情報だと思うかな?お家の人と話しながら、普段使っているもの(ゲーム機、スマホ、お店のポイントカードなど)に、どんな個人情報が登録されているか書き出してみよう。 - ステップ2 なぜ個人情報を守る必要があるんだろう?
もし、君の名前や家の住所、好きなゲームなどが、知らない人に全部知られてしまったら、どんな気持ちがするかな?どんな困ったことが起きるか想像してみよう。 - ステップ3 プライバシーポリシーを読んでみよう!
お家の人と一緒に、いつも使っているアプリやウェブサイトの「プライバシーポリシー」というページを見てみよう。君の個人情報を「何のために使うのか」「どうやって守るのか」が書いてあるよ。難しい言葉が多いけど、どんなことが約束されているかな? - ステップ4 未来のデータプライバシーオフィサーになってみよう!
君がDPOだったら、みんなの個人情報を守るために、どんな新しいルールを作る?友達が安全にインターネットを使えるように、どんなアドバイスをしてあげるか考えて、発表してみよう。
まとめ
データプライバシーオフィサーは、デジタル化が進む現代社会において、一人ひとりの大切な情報を守り、企業の活動と個人の安心の両方を支える、なくてはならない存在です。法律の知識とITの技術を武器に、人々の権利を守るこの仕事は、大きな責任と同時に、未来の社会をより良くしていくという、計り知れないやりがいに満ちています。この記事を読んで少しでも興味を持った君が、未来のプライバシーを守るヒーローになってくれることを楽しみにしています。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。