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今回のテーマ
「通学路の歩行者と自転車の比率を曜日・時間帯で観察してみよう」
毎日何気なく歩いている「通学路」。実はそこには、街の呼吸のような「人の流れ」が隠れています。 この研究は、特定の場所に立ち、そこを通り過ぎる「歩行者」と「自転車」の数をカウントする調査です。 「月曜日の朝はなぜか自転車が多い?」「夕方は歩行者が増えるのはなぜ?」といった身近な疑問を、データを使って解き明かしていきます。
自由研究の目的
私たちが安全に暮らすためには、道路がどのように使われているかを知ることが不可欠です。 この調査を通じて、「データに基づいた客観的な視点」を養うことができます。 「なんとなく危ない」と感じていた場所も、数字で見ることで「何曜日の何時に、どんな対策が必要か」を具体的に考える力が身につきます。これは、社会をより良くするための「交通工学」や「都市計画」の第一歩なのです。
自由研究のゴール
- レベル1 曜日や時間帯による「変化」をグラフにまとめる。
- レベル2変化の理由(周辺施設の開店時間、通勤・通学パターンの違いなど)を推測する。
- レベル3 調査結果をもとに、歩行者と自転車が安全にすれ違うための「安全マップ」や「改善案」を提案する。
ある駅に近い交差点で観察した事例
- 平日の午前8時 通学中の小中学生(歩行者)と、駅へ急ぐ大人(自転車)が混在し、接触の危険性が高いことが判明。
- 日曜日の午後2時 歩行者がメインだが、買い物帰りのカゴが重い自転車がゆっくり通り、平日とは違う「混雑感」がある。
このように、同じ場所でも「いつ」見るかによって、道路の表情が全く異なることを発見できます。
- 「定点観測」を守ること 毎回同じ場所、同じ立ち位置で観察しましょう。
- 天候を記録すること 雨の日は自転車が減り、歩行者が増える(あるいは車が増える)など、天気は大きな変数になります。
- 安全第一 観察に夢中になって、自分が交通の邪魔になったり、危険な場所に立ったりしないよう、周りの安全を確保しましょう。
自由研究の進め方
- 準備 カウンター(数取器)、筆記用具、時計、記録用紙を用意します。スマートフォンのカウンターアプリでもOKです。
- 場所決め 通学路の中で、歩道が狭い場所や、交差点など「気になるポイント」を1ヶ所選びます。
- スケジュール作成 「平日(月〜金)の朝・夕」「休日(土日)の朝・昼・夕」など、比較したい時間帯を決めます(1回15分〜30分程度が目安)。
- 実測 通過する歩行者と自転車を、方向別(右から左、左から右)に正の字でカウントします。
- 分析 記録した数字を棒グラフや折れ線グラフにします。
自由研究から発見したアイデア
- 「時間限定の優先道路」 自転車が多い朝の時間帯だけ、路面に光るラインが出る仕組み。
- 「安全告知看板」 「今の時間は自転車が多いので注意!」とリアルタイムで表示するデジタルサイネージの設置。
- 「曜日別お散歩ルート」 比較的空いている時間や曜日を近隣の高齢者や幼稚園に伝え、安全な散歩をサポートするアイデア。
この自由研究に関連する仕事
- 都市計画家 道路の幅や街灯の配置を決め、住みやすい街をデザインする仕事。
- データサイエンティスト 膨大な人流データを分析し、渋滞緩和や事故防止のシミュレーションを行う仕事。
- 警察官(交通課) 交通違反の取り締まりだけでなく、安全な交通環境を整えるための調査を行う仕事。
まとめ
通学路は、毎日通る「当たり前」の場所かもしれません。しかし、一歩立ち止まって数を数えてみるだけで、そこには社会の仕組みや、人々の生活のルールが見えてきます。 数字という「証拠」を使って街を観察する楽しさを、ぜひこの自由研究で体験してみてください。君の発見が、もしかしたら明日からの街の安全を変えるかもしれません。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





