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今回のテーマ
「自宅でメモリー形成に影響する音楽ジャンル(クラシック/ポップ/無音)×学習効率を実験してみよう」
「音楽を聴きながら勉強すると集中できる」という人もいれば、「静かな方が覚えられる」という人もいます。この自由研究では、クラシック音楽、ポップス(歌あり)、そして無音(しずかな状態)の3つの環境で、単語の暗記や計算のスピードがどう変わるかを実験します。
私たちの脳が情報を「メモリー(記憶)」として定着させる際、耳から入る情報がどのようなプラス、あるいはマイナスの影響を与えるのかを客観的な数値で明らかにすることがこの研究の目的です。
自由研究の目的
なぜこの実験が大切なのでしょうか?それは、自分にとっての「最強の集中環境」を知ることができるからです。
脳科学の世界では、特定の音が認知機能に影響を与える「モーツァルト効果」や、逆に言葉の情報が思考を邪魔する「無関連音声効果」などが研究されています。これらを学ぶことで、ただ漫然と勉強するのではなく、科学的根拠に基づいて自分の学習スタイルをカスタマイズする力が身につきます。これは一生役立つ「学びのスキル」になります。
自由研究のゴール
- 初級 どのジャンルが一番正解率が高かったかをグラフにする。
- 中級 なぜその結果になったのか、脳の仕組み(言語処理など)から考察する。
- 上級 自分の実験結果をもとに、「暗記の時は無音、単純作業の時はクラシック」といった、目的別の最適学習ガイドラインを提案する。
テスト準備の事例
- 実験A(英単語暗記) 3分間で20個の未知の英単語を覚える。
- 1回目 モーツァルトのピアノ曲を聴きながら。
- 2回目 最新のヒットチャート(日本語の歌詞あり)を聴きながら。
- 3回目 耳栓をして無音で。
- 評価方法 テスト後の正答率を計算します。学習効率をE、正解数を C、かかった時間をTとすると、簡単な効率指標は以下の式で表せます。
E= C÷T
※この数値が高いほど、効率が良いと言えます。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 音量の固定 音楽を聴くときは、常に同じ音量(デシベル)に設定します。
- 難易度の統一 テストに使う単語や問題の難易度が、環境ごとにバラバラにならないように注意します。
- 時間帯 脳の疲れ具合が影響しないよう、すべて同じ日の午前中、あるいは3日間に分けて同じ時間に実施します。
自由研究の進め方
- 仮説を立てる
「歌詞があると脳が言葉を処理しようとするから、ポップスは効率が下がるはずだ」など、予想を立てます。 - 道具を揃える
ストップウォッチ、ヘッドホン、テスト用の問題用紙、記録用のノート。 - 実験実施
各環境でテストを行い、結果を記録します。 - 分析
3つの環境の平均スコアを比較し、自分の仮説と合っていたか確認します。 - レポート作成
「結果」「考察(なぜそうなったか)」「自分のこれからの勉強法」の順にまとめます。
自由研究から発見したアイデア
- テンポ(BPM)の影響 同じクラシックでも、ゆっくりした曲と速い曲では結果が変わるでしょうか?
- 環境音の活用 音楽ではなく「雨の音」や「カフェの雑音(ホワイトノイズ)」はどう影響するでしょうか?
- 香りの組み合わせ 音楽に加えて、ミントやラベンダーの香りを嗅ぐと、記憶力に相乗効果が出るかを試すのも面白いですね。
この自由研究に関連する仕事
- 認知心理学者 人間の心がどのように情報を処理するかを研究するプロ。
- 音楽療法士 音楽の力を使って、人々の健康や学習をサポートする専門家。
- UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナー 集中力を高めるアプリや、快適なオフィス環境の音をデザインする仕事。
- 教育工学者 テクノロジーを使って、最も効率の良い教育方法を開発する研究者。
まとめ
「勉強中に音楽を聴くかどうか」という身近な悩みも、自分を被験者にした立派な科学実験になります。
自分の脳がどんな刺激に反応し、何に邪魔されるのかを知ることは、自分自身を深く理解することに繋がります。空庭で学んだこのステップを活かして、あなただけの「最強の集中メソッド」を見つけ出してください!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





