今回のテーマ
「みんなで守る安全な街!防犯システムをデザインしよう」
わたしたちが毎日を過ごす街。この街の安全は、誰が守ってくれているのでしょうか?警察官や警備員さんだけではありません。実は、わたしたち一人ひとりの小さな気づきやアイデアが、街全体の安全を守る大きな力になります。この自由研究では、ただ防犯について調べるだけでなく、どうすればもっと安全な街になるかを考え、君だけの「防犯システム」をデザインすることを目指します。観察力とアイデアで、未来の安全な街を創造するヒーローになろう!
自由研究の目的
「危ないから気をつけて」と言われることはあっても、「なぜそこが危ないのか」「どうすれば安全になるのか」を自分の頭で考える機会は少ないかもしれません。防犯を学ぶことは、自分や大切な家族、友達を危険から守る方法を知ることにつながります。さらに、街の問題点を見つけ、その解決策を考えるプロセスは、学校の勉強だけでは学べない「問題解決能力」を育ててくれます。他人任せにせず、自分たちの手で暮らしを良くしていく。その第一歩が、この防犯の研究なのです。
自由研究のゴール
- レベル1【知る】地域の安全を知る!
- 自分の家の周りや通学路を歩き、どんな防犯対策(防犯カメラ、街灯、こども110番の家など)があるかを見つける。
- 「安全な場所」と「ちょっと怖い場所」を地図にまとめる「地域防犯マップ」を完成させる。
- レベル2【見つける】地域の課題を発見する!
- レベル1に加えて、家族や近所の人に「この辺りで危ないと感じる場所はありますか?」とインタビューしてみる。
- なぜその場所が危ないのか、理由を分析し、地域の防犯における「課題」を見つけ出す。
- レベル3【創りだす】新しい防犯システムを提案する!
- レベル2で見つけた課題を解決するための、オリジナルの防犯システムやアイデアを考え、絵や模型で表現する。
- 考えたアイデアを地域の人や警察官に提案し、意見をもらうところまで挑戦してみよう!
ユニークな防犯対策の例
- 割れ窓理論(アメリカ)
「窓ガラスが1枚割れているのを放置すると、他の窓も次々に割られていく」という理論です。これは、小さな落書きやゴミのポイ捨てを放っておくと、「この場所は誰も気にしていない」というサインになり、大きな犯罪が起こりやすくなるという考え方です。逆にお花を植えたり、街をきれいにすることで、犯罪が起きにくい雰囲気を作ることができます。 - セキュアード・バイ・デザイン(イギリス)
「犯罪を起こさせないデザイン」を街や建物に取り入れる考え方です。例えば、公園の茂みを低くして見通しを良くしたり、わざと道を曲がりくねらせて車のスピードを出しにくくしたり。デザインの力で犯罪を予防する取り組みです。 - 動く目、話す口(日本)
特別な機械がなくても、地域の人々がお互いに挨拶を交わし、外で活動すること(立ち話、庭いじり、子供たちの遊びなど)が、街を自然に見守る「目」となり、犯罪者を近づけにくくするという考え方です。コミュニティの力が最大の防犯システムになります。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 安全第一!
街の調査(フィールドワーク)は、必ずおうちの人と一緒に行いましょう。知らない人に声をかけたり、危険な場所に入ったりしてはいけません。 - 多様な視点を持とう!
「もし自分が泥棒だったら、どこから入るだろう?」「お年寄りや小さな子にとっては、どこが危ないかな?」など、色々な人の立場になって街を見てみると、新しい発見があります。 - 記録の達人になろう!
気づいたこと、見つけたものは、写真やメモ、スケッチでどんどん記録しましょう。「なぜそう思ったのか」という理由も一緒にメモしておくと、後でまとめる時にとても役立ちます。 - 感謝の気持ちを忘れずに!
インタビューに答えてくれた人には、必ず「ありがとうございました」とお礼を伝えましょう。
自由研究の進め方
Step1 計画「リサーチ計画を立てよう!」
何を、どこで、どのように調べるか計画を立てます。「通学路の危険箇所を調べる」「公園の安全性をチェックする」など、具体的なテーマを決めましょう。
Step2 調査「街の探偵になろう!(フィールドワーク)」
計画に沿って、おうちの人と街を歩きます。街灯の数、見通しの悪い場所、落書きの有無、昼と夜の違いなどをチェックし、「防犯マップ」に書き込んでいきましょう。
Step3 取材「プロに話を聞こう!(インタビュー)」
おうちの人や近所の人、もし機会があれば、交番のおまわりさんや市役所の防災担当の人に話を聞いてみましょう。「どんな事件が多いですか?」「どんな防犯活動をしていますか?」など、聞きたいことを事前にリストアップしておくとスムーズです。
Step4 分析「情報を整理して、課題を見つけよう!」
集めた写真、メモ、インタビュー内容を見返し、自分の街の防犯における「良い点」と「課題(改善点)」を整理します。
Step5 創造「防犯システムをデザインしよう!」
見つけた課題を解決するための、君だけの新しい防犯アイデアを考えます。絵や図、文章で具体的に表現してみましょう。すごい発明じゃなくても大丈夫。「挨拶をしたらポイントが貯まるアプリ」のような楽しいアイデアでもOKです。
Step6 発表「研究成果を伝えよう!」
研究の結果と提案を、模造紙やノート、プレゼンテーションソフトなどにまとめ、家族や友達、先生の前で発表しましょう。君の発表が、街を良くするきっかけになるかもしれません。
自由研究から発見したアイデア
- アイデア1 『かくれんぼ禁止!』ARアプリ
スマートフォンのカメラをかざすと、見通しの悪い茂みや駐車場の影など、子供が隠れやすく危険な場所が赤く表示されるアプリ。危険を「見える化」します。 - アイデア2 『ありがとう』が聞こえる防犯ブザー
普通のブザーは鳴らすのが怖いと感じる子もいます。そこで、ブザーを鳴らすと大音量のアラームと共に、事前に録音したお父さんやお母さんの「〇〇(名前)、大丈夫だよ!」という声が流れるようにします。 - アイデア3 『夜道を照らす』アート・プロジェクション
夜、暗くて怖い道の壁や地面に、地域の子供たちが描いた絵をプロジェクターで映し出します。道が明るく楽しくなるだけでなく、人の目が集まることで犯罪の抑止力にもなります。
この自由研究に関連する仕事
- 警察官・警備員 人々の安全と財産を直接守る、正義のヒーロー。
- 都市計画プランナー・建築家 そもそも犯罪が起こりにくい、安全で快適な街や建物をデザインする専門家。
- プロダクトデザイナー もっと使いやすい防犯ブザーや、街に馴染む防犯カメラなど、人々の暮らしを守る製品を開発する仕事。
- ITエンジニア・AI開発者 見守りアプリやAIを活用した監視システムなど、最新技術で社会の安全に貢献する仕事。
- 公務員(市役所職員など) 地域のデータ分析や住民の声をもとに、街全体の安全対策を企画し、実行する仕事。
まとめ
「安全な街」は、誰かが与えてくれるものではなく、そこに住むみんなで考え、創り上げていくものです。この自由研究を通して、君は自分の住む街をこれまでとは全く違う視点で見ることができるようになったはずです。その「気づきの目」と「創造する力」こそが、未来の安全な社会を築くための最も大切な防犯システムです。さあ、君のアイデアで、世界一安全で楽しい街をデザインしてみませんか?
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。