教育制度の特徴
- 幼児教育(Early Childhood Education, ECE)
出生から就学年齢までを対象とし、政府は週20時間までの費用を全額補助しています - 初等教育(Primary Education)
Year 1からYear 8まで(5~12歳頃)を対象とします - 中等教育(Secondary Education)
Year 9からYear 13まで(13~18歳頃)を対象とし、一般的にカレッジ(College)またはハイスクール(High School)と呼ばれます
義務教育は6歳から16歳までですが、多くの子どもは5歳の誕生日から学校に通い始めます
教育方法
ニュージーランドの教育は、生徒中心のアプローチを採用しており、以下の点が特徴的です
- 探究型学習 生徒が自ら問いを立て、調査し、結論を導くプロセスを重視します
- キー・コンピテンシーの重視 思考力、言語や記号の活用能力、自己管理能力、他者との関わり方、参加と貢献など、21世紀に必要なスキルの育成に力を入れています
- 多文化教育 多様な文化背景を持つ生徒を尊重し、カリキュラムや教育活動に反映させています
引用元 jica.go.jp
教育への取り組みや支援
ニュージーランド政府は、教育の質を高めるために以下の取り組みを行っています
- 教育評価局(Education Review Office, ERO) すべての保育施設・学校を定期的に評価し、教育の質を保証しています
引用元jri.co.jp - 特別支援教育 特別な教育的ニーズを持つ子どもに対して、地域の通常学校・学級での教育を推進し、インクルーシブ教育を実現しています
引用元 www8.cao.go.jp - 親の参加と支援 親が教育に積極的に参加できるよう、情報提供や相談体制を整備しています
引用元 jri.co.jp
子供達の1日の過ごし方
ニュージーランドの学校の一般的な一日は以下のような過ごし方をしています
- 登校 午前8時半頃に始まり、午後3時頃に終了します
- 授業 主要教科に加えて、芸術、体育、テクノロジーなど多様な科目が組み込まれています
- 休憩時間 午前と午後に短い休憩(モーニングティーとアフタヌーンティー)、および昼食の時間があります
- 課外活動 放課後にはスポーツや文化活動、クラブ活動などが盛んに行われています
教育と社会の関係
ニュージーランドの教育は、社会との密接な連携を特徴としています
- 地域社会の参加 学校理事会(Board of Trustees)には保護者や地域住民が参加し、学校運営に関与しています
引用元 pref.mie.lg.jp - 多文化共生 教育を通じて多文化共生の価値観を育み、社会全体の調和を促進しています
引用元 jica.go.jp
国が抱える教育の課題と未来
ニュージーランドの教育は高い評価を受けていますが、以下の課題も存在します
- 学力格差 社会的・経済的背景による学力の差異が指摘されており、特にマオリやパシフィカ系の生徒の学力向上が課題となっています
- 教師の質と研修 教師の専門性向上と継続的な研修の充実が求められています
これらの課題に対して、政府や教育機関は多様な取り組みを進めており、教育の質と公平性の向上を目指しています。
教育と文化や価値観の関係
「キウイ精神(Kiwi Spirit)」と自主性の育成
ニュージーランド人は「Kiwi Spirit」と呼ばれる、挑戦を恐れず、自ら考えて行動する精神を持っています。これは、教育において 探究型学習(Inquiry-based Learning) や 個別の興味を尊重する授業 が重視されていることに由来します
学校では、単に教科書の知識を詰め込むのではなく、プロジェクトベースの学習を取り入れ、生徒が自分の興味に基づいて研究テーマを選び、問題を解決する力を養います。
多文化共生と「タンガタ・フェヌア(Tangata Whenua)」
ニュージーランドでは、先住民族マオリの文化が教育に深く組み込まれています。マオリ語の授業や、マオリの伝統的な価値観 「タンガタ・フェヌア(=土地の人々)」 を学ぶことで、多文化共生の意識が育まれます。
公式行事ではマオリの挨拶「ハカ」や「ポフィリ(歓迎の儀式)」が行われ、学校でも生徒たちはこれを学びます。また、教育方針には「ワナウ(家族)」「マナアキタンガ(思いやり)」といったマオリの価値観が組み込まれています。
ワークライフバランスと「Work to Live」の考え方
ニュージーランド人は「働くために生きるのではなく、生きるために働く(Work to Live)」という価値観を大切にします。これは、学校生活の中で勉強だけでなくスポーツや自然活動が重視されることからも影響を受けています。
学校では授業の合間に「モーニングティー」や「ランチブレイク」があり、子どもたちは広い校庭で自由に遊ぶ時間を持ちます。また、課外活動も重視され、スポーツやアウトドア活動が学校教育の一環として推奨されています。
環境意識と「クリーン・グリーン・ニュージーランド」
ニュージーランドは自然保護の意識が高く、「クリーン・グリーン・ニュージーランド」というスローガンが広く浸透しています。教育現場でも サステナビリティ(持続可能性) を学ぶ機会が多く、環境意識の高い国民性が育まれています。
学校では「エデュケーション・フォー・サステナビリティ(Education for Sustainability)」というプログラムがあり、リサイクル活動やエコプロジェクト に生徒たちが積極的に参加しています。
フレンドリーな国民性と「タラナキ・アティチュード」
ニュージーランド人はフレンドリーで協力的な国民性を持っており、これは教育の場で 協調性を重視する文化からきています。「タラナキ・アティチュード」とは、「困難な状況でも前向きに取り組む姿勢」を指し、学校教育でもこの考え方が根付いています。
クラスでは競争よりも協力を重視し、テストの点数を順位付けするのではなく、お互いの成長を支え合うような評価方法が採用されています。
まとめ
ニュージーランドの教育は、個々の成長や多文化共生、自然との調和を大切にする価値観と密接に結びついています。自主性、協調性、環境意識、多文化への理解 など、教育を通じて育まれた価値観は、ニュージーランド社会全体に深く根付いています。
これらの教育の特徴が、ニュージーランド人の オープンでフレンドリーな国民性や、自然を大切にする文化、ワークライフバランスを重視する考え方 に繋がっているのです。
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