世界の教育| もし君の教室が木陰の下だったら?マラウイの教育から知る、当たり前ではない「学ぶ喜び」とは

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教育制度の特徴

マラウイの教育制度は、小学校が8年間、中学校が4年間、大学が4年間となっています。その中でも大きな特徴は、1994年から小学校の授業料が無料になったことです。これにより、それまで学校に通えなかった多くの子どもたちが、教育を受けられるようになりました。国の言葉であるチェワ語と、公用語である英語の両方が学校で使われています。

教育方法

マラウイの教室をのぞいてみると、日本の学校との違いに驚くかもしれません。教室不足のため、1つのクラスに100人以上の子どもたちがいることも珍しくありません。先生1人に対して生徒の数がとても多く、教科書やノート、鉛筆などの教材も全員に行き渡らないことがあります。そのため、授業は先生が黒板に書いたことを生徒みんなで一緒に声に出して覚える、といった暗記中心の方法が多くなります。また、教室が足りない時は、木陰の下が青空教室になることもあります。

教育への取り組みや支援

マラウイ政府は、すべての子どもが教育を受けられるよう、小学校の無料化以外にも様々な取り組みを進めています。しかし、国の力だけでは追いつかない部分も多く、日本を含む世界中の国々や国際機関(JICAやユニセフなど)が支援を行っています。具体的には、新しい校舎を建てたり、教科書を印刷して届けたり、先生を育てるためのトレーニングを行ったりしています。また、地域のお母さんたちがグループを作って給食の準備をするなど、コミュニティ全体で子どもたちの学びを支える動きも広がっています。

子供達の1日の過ごし方

マラウイの子どもたちの朝はとても早く始まります。学校へ行く前に、井戸へ水を汲みに行ったり、家畜の世話をしたり、掃除をしたりと、たくさんの家事をこなします。家事が終わると、何キロも離れた学校まで、友達とおしゃべりしながら歩いて向かいます。 学校から帰った後も、日が暮れるまで畑仕事など家族の手伝いをします。多くの家庭には電気が通っていないため、夜に宿題をするのは一苦労。ろうそくやランプのわずかな明かりを頼りに、勉強に励んでいます。

教育と社会の関係

マラウ イでは、教育は貧困から抜け出し、より良い未来を手に入れるための最も大切な「希望の鍵」だと考えられています。親は子どもに良い教育を受けさせたいと強く願っています。しかし、その一方で、貧しさから子どもを学校に通わせ続けることができず、労働力として家の手伝いをさせざるを得ない家庭も少なくありません。特に女の子は、早くに結婚したり、家事を任されたりして、中学校へ進む前に学校を辞めてしまうことが多いという現実があります。

国が抱える教育の課題と未来

生徒の数に対して先生や教室、教材が圧倒的に足りないことが、マラウイの教育が抱える大きな課題です。また、女の子が学校に通い続けられるような環境をどう作るか、という点も重要です。 しかし、そんな困難な状況の中でも、未来への希望の光は見えています。政府や国際機関の支援によって、少しずつ新しい学校が建てられ、教員の質も向上しています。また、女子生徒が学校を休みがちになる原因の一つである生理の問題に対し、布ナプキンの作り方を教えたり、女子専用のトイレを設置したりする活動も始まっています。マラウイの子どもたちの「学びたい」という強い気持ちが、国全体を動かし始めているのです。

      教育と文化や価値観の関係

      「ウムンフ(Umunthu)」助け合いの心と強い共同体意識

      教科書や鉛筆が足りない教室では、自然と「みんなで一つのものを使う」「持っている子が見せてあげる」という共有の精神が育ちます。また、地域のお母さんたちが学校の給食を作ったり、校舎の修繕を手伝ったりと、コミュニティ全体で学校を支えるのが当たり前です。これは、マラウイで大切にされている「ウムンフ(思いやり、人間らしさ、あなたは私の存在理由)」という価値観の表れであり、教育を通じて次世代へと受け継がれています。

      知識と年長者への深い敬意

      教育を受けることが、貧しさから抜け出すための貴重なチャンスであるため、マラウイの人々は「学ぶこと」や「知識を持つこと」に対して非常に強い敬意を払います。先生はもちろん、年長者の話に真剣に耳を傾け、その知恵を尊重する文化が深く根付いています。これは、口伝えで歴史や物語を大切にしてきた文化とも繋がっています。

      困難に負けない「生きる力」と工夫する才能

      限られた資源の中で学ばなければならない子どもたちは、どうすれば効率よく覚えられるか、どうすればもっと楽しく学べるかを常に考えています。歌にして歴史を覚えたり、地面に絵を描いて計算したりと、創造力豊かに工夫する力が自然と身につきます。朝早くから家事をし、長い道のりを歩いて学校へ通う毎日は、困難に立ち向かう忍耐力と、たくましい「生きる力」を育んでいます。

      「家族のため、村のため」という貢献の意識

      「自分が勉強して良い仕事につけば、家族を助けられる、村を豊かにできる」という意識を、多くの子どもたちが持っています。学びは、単に自分のためだけのものではありません。自分を支えてくれる家族やコミュニティへの感謝と、将来貢献したいという強い想いが、厳しい環境の中でも学び続ける大きなモチベーションになっているのです。

      まとめ

      マラウイの子どもたちは、私たちが想像する以上に厳しい環境の中で、毎日を一生懸命に生きています。足りない教材、遠い通学路、たくさんの家事。それでも彼らの瞳が「学びたい」という強い光で輝いているのは、教育こそが自分と家族、そして国の未来を明るく照らすと信じているからです。この記事を読んで、遠い国マラウイのことに少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。私たちが当たり前のように受けている教育の価値を改めて考え、世界中の仲間たちのために何ができるか、考えるきっかけにしてみてください。

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