マーケティングCASE8-6業種別WEBサイトのKPI目標値
表示回数、クリック率、流入ユーザー数、コンバージョン率の目安
WEBサイトのパフォーマンスを評価する際、主要なKPIとして「ブラウザ表示回数」「クリック率(CTR)」「流入ユーザー数」「コンバージョン率(CVR)」が重要です。しかし、業種や業態によってこれらの数値は大きく異なります。本記事では、いくつかの業種を例に、これらのKPIの参考値を提示します。これにより、企業が自身の目標値を設定し、適切な改善策を講じる際の基準とすることができます。
業種別KPI参考値
- 小売業(ECサイト)
- ブラウザ表示回数: 月間50,000~500,000回
- クリック率 (CTR): 1.0%~3.5%
- 流入ユーザー数: 10,000~150,000ユーザー
- コンバージョン率 (CVR): 1.5%~3.0%
小売業では、セールや季節性に応じて大幅な変動がありますが、コンバージョン率は1.5%~3.0%が一般的です。トラフィックを増やすためにはSEOやパフォーマンス広告が重要です。
- B2B(サービス業)
- ブラウザ表示回数: 月間5,000~50,000回
- クリック率 (CTR): 0.5%~1.5%
- 流入ユーザー数: 2,000~20,000ユーザー
- コンバージョン率 (CVR): 2.0%~5.0%
B2Bでは、リード獲得が重要であるため、コンバージョン率は高めです。コンテンツマーケティングやホワイトペーパーの提供がCTRやCVRを向上させます。
- 飲食業(レストランやカフェのオンライン予約)
- ブラウザ表示回数: 月間20,000~150,000回
- クリック率 (CTR): 1.0%~4.0%
- 流入ユーザー数: 5,000~50,000ユーザー
- コンバージョン率 (CVR): 2.5%~6.0%
飲食業では、特にモバイル経由のトラフィックが多く、SNS広告を使ったマーケティングがCTRを押し上げます。オンライン予約やクーポンの使用はCVR向上に効果的です。
- 教育機関(オンライン講座やスクール)
- ブラウザ表示回数: 月間10,000~100,000回
- クリック率 (CTR): 1.0%~2.0%
- 流入ユーザー数: 3,000~25,000ユーザー
- コンバージョン率 (CVR): 1.0%~4.0%
教育業界では、ユーザーの関心を惹くために、Webセミナーや無料体験がCTRやCVRを上げるための強力なツールです。適切なターゲティングとコンテンツの充実が重要です。
- 不動産業(住宅販売や賃貸)
- ブラウザ表示回数: 月間30,000~300,000回
- クリック率 (CTR): 0.7%~2.5%
- 流入ユーザー数: 7,000~70,000ユーザー
- コンバージョン率 (CVR): 0.5%~2.0%
不動産業界は商品単価が高く、意思決定に時間がかかるため、CVRは低めですが、質の高いリードを獲得することが重要です。ローカルSEOやGoogle My Businessの最適化が有効です。
- 旅行業(ホテルやツアー予約)
- ブラウザ表示回数: 月間100,000~1,000,000回
- クリック率 (CTR): 0.8%~2.5%
- 流入ユーザー数: 20,000~200,000ユーザー
- コンバージョン率 (CVR): 1.0%~4.0%
旅行業では、ピークシーズンとオフシーズンで大きな変動があります。リターゲティング広告やパーソナライズされたオファーでCVRを向上させることが可能です。
車検業界のKPI参考値
- ブラウザ表示回数
- 目安: 月間10,000~100,000回
- 解説: 車検は2~3年に1度のサービスであるため、表示回数は他業界に比べて少なめです。車検の時期が近づいたユーザーにリーチするため、ターゲットを絞った広告が必要です。
- クリック率 (CTR)
- 目安: 1.5%~3.0%
- 解説: 地域や車の種類に特化した広告やSEO対策がCTRを高めるための鍵です。特に、「価格」「信頼性」「近場」などのキーワードを中心に対策を行います。
- 流入ユーザー数
- 目安: 月間3,000~30,000ユーザー
- 解説: 車検業界はローカルビジネスのため、流入ユーザー数はターゲット地域に依存します。特定地域でのSEO対策やローカル広告の実施が効果的です。
- コンバージョン率 (CVR)
- 目安: 5.0%~10.0%
- 解説: 車検業界では、予約フォームや電話での問い合わせが主なコンバージョンとなります。特に、信頼感や価格が決定要因となるため、わかりやすい料金表や口コミの表示がCVRを高めます。
アクションプランと目的
- 目標設定の重要性
業種ごとのKPI参考値を把握することで、自社のサイトパフォーマンスを正確に測定し、目標を設定できます。特に競合他社と比較して、トラフィックやコンバージョンの状況を把握することが改善の第一歩です。 - ユーザー行動の分析
各KPIを改善するためには、ユーザーのサイト内での行動を分析し、UX(ユーザー体験)を最適化することが必要です。例えば、サイトの離脱率が高ければ、ページの読み込み速度やコンテンツの配置を改善することが効果的です。 - ABテストの実施
コンバージョン率やクリック率を向上させるために、ABテストを実施し、最適なクリエイティブやUI/UXデザインを見つけることも有効です。例えば、異なるCTAボタンのデザインや文言をテストして、どのバージョンが最も効果的かを分析します。
注意すべきポイント
- ターゲティングの精度: 流入ユーザーの数だけでなく、質が重要です。適切なターゲットに向けた広告やコンテンツを作成し、無駄なトラフィックを削減します。
- SEOとコンテンツ戦略: 長期的なトラフィックの獲得にはSEOが不可欠です。適切なキーワードの選定と高品質なコンテンツの作成が、表示回数や流入ユーザー数に直接影響を与えます。
- モバイル最適化: 特に消費者向け業種では、モバイル対応が非常に重要です。モバイルフレンドリーなデザインや高速なページ読み込みは、ユーザーエンゲージメントを大幅に改善します。
まとめ
業種ごとのKPIの参考値を理解することで、自社のパフォーマンスを効率的に評価し、適切な施策を講じることが可能です。表示回数、クリック率、流入ユーザー数、コンバージョン率を定期的にモニタリングし、必要に応じてSEO、広告戦略、サイト改善を行うことが成功のカギとなります。
マーケティング戦略立案のご相談
株式会社SHISEILABOのマーケティングの専門家が新規事業開発や既存事業のマーケティング戦略立案を1on1などで実施するトレーニングの機会を提供しています。
個別に対応しています。下記のフォームよりお問い合わせください。
https://soraniwa.world/branding/