自由研究552|子どもの通学ルートの安全性(信号・歩道・車の速度など)をデータ化して評価

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今回のテーマ

    「子どもの通学ルートの安全性(信号・歩道・車の速度など)をデータ化して評価してみよう」

    この自由研究は、毎日通る通学路に潜む危険な場所を科学的に見つけ出し、その安全性をデータに基づいて評価するものです。ただ「危ない」と感じるだけでなく、信号機の有無、歩道の幅、車のスピードといった具体的な要素を数値化(データ化)し、通学路の「安全マップ」を作成します。学校や地域に提案できる、説得力のある安全対策を見つけ出すのが目標です。

    自由研究の目的

    どうして子どもの通学ルートの安全性(信号・歩道・車の速度など)をデータ化して評価してみるの?

    私たちは毎日、特に意識せず通学路を歩いています。しかし、通学路の安全は、私たち自身の命を守る上で最も重要なことの一つです。この研究を通じて、

    • 「危険予測能力」を身につける 事故に遭う前に、危険な状況を察知し、避ける力を養います。
    • 「データ分析力」を磨く ただの感想ではなく、集めたデータ(数字や事実)をもとに、論理的に物事を評価し、問題を解決する力を身につけます。
    • 社会貢献」を体験する 自分たちの発見を地域や学校に提言することで、みんなの安全を守る活動に参加し、社会との繋がりを感じることができます。

    自由研究のゴール

    この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

    入門ゴール

    通学路の危険箇所を5つ以上特定し、それぞれについて「危険度チェックリスト」(例:信号がない、歩道が狭い、車の交通量が多いなど)を作成する。

    レベルアップゴール

    特定した危険箇所について、実際に交通量や車の平均速度を計測・記録し、危険度を独自の計算式で数値化(例:交通量×車の速度×歩道の狭さ÷信号の数)する。その結果に基づいた「通学路安全マップ」を作成し、学校や自治体に具体的な改善案(例:横断旗を置く、ミラーを設置する、信号機を設置要望する)を提案する。

    小学生が行った研究事例

            事例 Aさんの通学路調査

            Aさんは、通学路にある「大きな交差点」の危険性を評価しました。

            1. データ収集 朝と夕方、それぞれ15分間の車の交通量をカウントしました。また、スマートフォンのアプリなどを使って車の走行速度を何台か計測しました。
            2. 発見 交通量は多いにもかかわらず、信号の切り替わり時間が短く、歩行者が渡りきれないケースが多いことを発見しました。
            3. 提案 「横断歩道にあと3秒青信号を延長してほしい」というデータを添えた提案書を作成し、学校を通じて地元の交通安全協会に提出しました。
              結果: 実際に信号機の設定変更には至らなかったものの、交差点に立ってくれる見守りボランティアの人数が増えるきっかけとなりました。

            研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

            • データ収集の客観性 「いつも車が速い気がする」ではなく、「午前7時50分に通過した車の平均速度は時速45kmだった」というように、いつ、どこで、何を、いくつ計測したかを正確に記録します。
            • 危険度の数値化 「どれくらい危ないか」を独自の計算式で表します。この式を考える過程が、問題の本質を理解するトレーニングになります。
            • 大人への協力依頼 交通量や速度の計測など、危険が伴う作業は必ず保護者と一緒に行いましょう。また、計測が難しい場合は、警察や自治体が公表している既存のデータがないか調べてみるのも良いでしょう。

            自由研究の進め方

            【計画】ルートの選定と危険要素の洗い出し

            • まずは通学路全体を歩き、信号、歩道、カーブ、交通量の多さなど、危険だと感じる場所をリストアップします。
            • それぞれの場所で、何をデータとして集めるか(例:車の台数、歩道の幅、信号の青の時間、車の速度)を決めます。

            【実行】データ収集と記録

            • 場所、時間帯(朝、夕など)を決めて、実際にデータをカウント・計測します。
            • ノートやスプレッドシートに、場所ごとの写真も添えて、記録をまとめます。

            【分析】危険度マップの作成

            • 集めたデータを独自の計算式に当てはめて、危険箇所に点数をつけます。
            • 点数が高い場所を「超危険ゾーン」などとして色分けし、安全マップを完成させます。

            【考察】改善アイデアの提案

            • なぜその場所が危険なのか、データをもとに原因を分析します。
            • 分析結果に基づき、「ガードレールを設置する」「停止線をもっと手前に引く」など、具体的な改善アイデアを提案書にまとめます。

            自由研究から発見したアイデア

            AI(人工知能)を活用した安全マップの提案

            • アイデア 登下校中の子どもたちがスマートフォンや小型カメラで撮影した「ヒヤリハット(もう少しで事故になりそうだった瞬間)の映像をAIに学習させます。
            • 将来のビジョン AIが映像データから「ドライバーが一時停止を怠る頻度」「急ブレーキの回数」などを自動で分析し、人が気づかない潜在的な危険箇所を抽出・評価する、次世代の安全マップの作成が可能です。

            この自由研究に関連する仕事

            • 交通計画家・都市計画家 道路や街の安全・便利さをデザインする仕事。データ分析に基づき、最適な信号機の配置や道路の設計を考えます。
            • コンサルタント 企業や自治体の抱える問題を分析し、解決策を提案する仕事。この研究で行う「現状分析 →課題設定→解決策の提案」は、まさにコンサルタントの仕事そのものです。
            • 警察官(交通課) 交通事故を防ぐために、交通規制や取り締まりを行う仕事。危険な場所のデータ化は、どこに重点的に人員を配置すべきかの判断材料となります。

            まとめ

            この自由研究は、単に夏休みの宿題を終わらせるだけではありません。「自分の安全は自分で守る」という意識を高め、「データに基づき社会に提言する力」を養う貴重な体験です。通学路の安全評価を通じて、日常の中に潜む問題を見つけ、それを解決するために行動する、未来の「安全デザイナー」の一歩を踏み出してみませんか。

            この研究は、地域の大人や友達にも大きな影響を与える、非常に社会貢献度の高い自由研究です。ぜひ、保護者の方と協力して、安全な通学路づくりに挑戦してみてください!

             

                   

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