研究の安全・倫理を守る!リサーチ倫理委員会(IRB)とは?
研究の安全・倫理を守る!リサーチ倫理委員会(IRB)は、医学や社会学など、人を対象とする研究が、科学的に正しく、また参加者の人権や安全が守られているかを審査する大切な仕事です。この仕事の最大の魅力は、研究が正しく進むことをサポートし、社会全体に貢献できることです。新しい薬や治療法、社会をより良くするアイデアが、安全に世の中に出るための「見張り番」のような役割を果たします。
リサーチ倫理委員会(IRB)の仕事とは?
リサーチ倫理委員会(IRB)のメンバーは、研究者が提出した計画書を読み、話し合います。具体的な例としては、以下のようなケースがあります。
- 新しい薬の治験(ちけん) 開発中の新しい薬が、患者さんに安全に使えるか、効果があるかを確かめる研究を審査します。「副作用はないかな?」「患者さんが安心して参加できるように、しっかり説明が書かれているかな?」といった視点でチェックします。
- アンケート調査 個人情報を扱うアンケート調査を行う際、「個人情報が漏れないように、どのように管理するのかな?」といったことを確認します。
リサーチ倫理委員会(IRB)の魅力!
- 社会貢献度の高さ
研究の正しさや安全を守ることで、社会の進歩に貢献できるやりがいのある仕事です。 - 専門知識が活かせる
医師、弁護士、大学の先生、一般の人など、様々なバックグラウンドを持つ人が集まるため、それぞれの専門知識を活かすことができます。 - 平均的な年収
IRBのメンバーは、多くの場合、本業を持ちながら兼任します。そのため、報酬は案件ごとに支払われることが一般的です。たとえば、治験の審査を行う臨床開発モニター(CRA)という職種では、年収490万円〜1000万円程度の求人もあります。 - 多様な出会い
様々な分野の専門家と意見を交換することで、自分の視野を広げることができます。 - 新しい発見を応援できる
誰もが安心して研究に参加できる環境を整えることで、新しい技術や知識が生まれることをサポートできます。
リサーチ倫理委員会(IRB)になるには?
- 「倫理ってなんだろう?」と考えてみよう!
もし友達の秘密を調べて発表するとしたら、どんなことに気をつけるべきかな? - 身近な研究について調べてみよう!
学校の先生や家族に、どんな研究をしているか聞いてみよう。 - 専門分野の勉強をしよう!
将来、医者や法律家、研究者、科学者など、興味のある分野の専門家を目指してみよう。 - 倫理に関するワークショップやセミナーに参加してみよう!
医療倫理や生命倫理など、自分の興味のあるテーマについて学べる場所を探してみよう。 - 「非専門家」としてIRBに参加してみよう! IRBには、研究の専門知識がない人(非専門家)も委員になることができます。市民の代表として、研究がわかりやすいか、参加者にとって安心か、といった視点で意見を言うことができます。
この分野で有名なプロフェッショナル
リサーチ倫理委員会そのものに特定の「有名人」がいるわけではありませんが、IRBのルーツとなった研究倫理の考え方を広めた人物として、ベルモント・レポートの作成に携わった人々が挙げられます。ベルモント・レポートは、人間を対象とした研究の倫理原則を定めたもので、「人への尊敬」「善行」「公正」の3つの基本原則を示しました。これは世界中の研究倫理委員会の土台となり、私たちの健康や安全が研究によって守られるようになった、とても重要な出来事だったのです。
マーケィングの観点から見ると?
近年、医療技術の進歩や人工知能(AI)の発展により、研究はますます複雑になっています。遺伝子解析やビッグデータを活用した研究では、個人情報の保護やデータの利用方法など、新たな倫理的課題が生まれています。そのため、研究の倫理を守るIRBの役割は、今後ますます重要になっていくでしょう。世界中の研究者が、国境を越えて共同研究を行う時代だからこそ、国際的なルールに基づいた審査ができる専門家が求められています。
自由研究の例
- 「なぜ倫理が必要なの?」を考えてみよう!
昔は、人の安全や人権を無視した研究が行われていたって本当?どんな研究があったか調べてみよう。 - 「IRBの役割」を誰かに説明してみよう!
家族や友達に、IRBの仕事をマンガやイラストを使って説明してみよう。 - 「倫理的に正しい研究」を企画してみよう!
自分たちがクラスでアンケート調査をするとしたら、どんなルールをつくる?「参加は自由」「答えは秘密にする」など、ルールを考えて発表してみよう。 - 「もしもIRBメンバーだったら?」
もし、あなたがIRBのメンバーだったら、どんな研究に「GOサイン」を出す?具体的な研究テーマを考えて、賛成か反対かを理由も合わせて説明してみよう。
まとめ
リサーチ倫理委員会(IRB)は、研究者が安心して新しい発見ができるように、そして何よりも、研究に参加するみんなの安全や人権を守るための大切な仕事です。まるで、夢に向かって走る研究者の「交通ルール」を作るような役割ですね。この仕事は、目立たないかもしれませんが、研究と社会をつなぎ、未来をより良いものにするために欠かせない、やりがいのある仕事なのです。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。