今回のテーマ
「100均商品と同機能品を実験で壊れるまで比較してみよう」
「安くて便利だけど、すぐに壊れちゃう?」。みんなが一度は利用したことがある100円ショップの商品。一方で、文房具屋さんや雑貨屋さんには、同じような機能でもっと値段が高い商品が並んでいます。 この自由研究は、そんな身近な疑問から出発します。「100円ショップの商品と、一般的な価格の同機能品、一体どちらが丈夫で長持ちするんだろう?」というテーマを、実際に商品を「壊れるまで」使ってみるという、ちょっとドキドキする科学的な実験で解き明かしていくものです。
自由研究の目的
この研究は、ただ物を壊して比べるだけではありません。その過程で、たくさんの大切なことを学べます。
- 「物の価値」を見抜く力がつく 値段だけで物の良し悪しを判断するのではなく、「品質」や「耐久性」という別の視点から物の価値を考える力が身につきます。
- 科学的な思考力が身につく 正確な比較をするために「どうすれば条件を同じにできるか?」と考えることで、論理的・科学的に物事を考える訓練になります。
- 賢い消費者になれる 「長く使いたいものは丈夫なものを」「一時的に使うだけなら安いもので十分」など、目的に合わせて最適な物を選ぶ「賢い選択」ができるようになります。
- 物を大切にする心が育つ どんな商品も、作ってくれた人がいること、そしていつかは壊れてしまうことを実感することで、今ある物を大切に使おうという気持ちが芽生えます。
自由研究のゴール
- レベル1 実験をやり遂げ、結果を記録できる!
最後まで諦めずに実験を行い、何が起こったのかを写真や数値で正確に記録することができる。
- レベル2 結果の「なぜ?」を考察できる!
「なぜ100均のホッチキスの方が先に壊れたんだろう?」その理由を、使われている材料(プラスチックや金属の厚さなど)や、部品の作りを観察して、自分なりに説明することができる。 - レベル3 自分なりの「賢い買い物のルール」を提案できる!
実験結果から、「〇〇のような使い方をするなら100均で十分!」「でも、〇〇みたいに長く使うなら、少し高くても丈夫な方が結果的にお得だ!」といった、自分だけの買い物ルールを作り、家族や友達に提案することができる。
具体的実験例
文房具対決!「ホッチキス」
- 対戦相手 100均のホッチキス vs 文房具メーカーのホッチキス(500円程度)
- 実験方法 コピー用紙10枚をひたすら綴じていく!何回目で針が詰まったり、本体が歪んだり、壊れたりするかをカウントする。どちらが多くの回数に耐えられるかを競う!
日用品対決!「洗濯ばさみ」
- 対戦相手 100均の洗濯ばさみ vs ホームセンターの洗濯ばさみ
- 実験方法 同じ期間(例:1ヶ月)、屋外の物干し竿につけっぱなしにする。太陽の光(紫外線)や雨風で、どちらが先に劣化して、色が褪せたり、割れやすくなったりするかを観察・比較する。
キッチン対決!「泡だて器」
- 対戦相手 100均の泡だて器 vs 調理用品メーカーの泡だて器
- 実験方法 同じ量の卵白や生クリームを、どちらが早く泡立てられるかタイムを計る。また、ワイヤー部分に力を加えてみて、どちらが変形しにくいかを調べる。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 安全第一で!
物が壊れる実験は、破片が飛ぶなど思わぬケガにつながる可能性があります。必ず保護メガネを着用し、おうちの人と一緒に、安全な場所で行いましょう。 - 条件をそろえよう!
正確な比較のためには、条件を同じにすることが超重要!「かける力の強さ」「使う回数」「紙の枚数」など、比べるルールを実験前にしっかり決めておきましょう。 - しっかり記録しよう!
「なんとなくこっちが丈夫だった」では科学的な研究になりません。「〇回目で壊れた」「〇kgの重りで曲がった」など、数字で記録することが大切。写真や動画で変化の様子を撮影しておくのも忘れずに! - 予想を立ててから始めよう!
実験の前に、「きっと〇〇の方が丈夫だと思う。なぜなら…」という予想(仮説)を立ててみましょう。予想と結果が合っていたか、違っていたかを比べることで、発見の面白さが倍増します!
自由研究の進め方
- 【計画】テーマを決める
身の回りの物から、比較したい商品を2つ選ぶ。「どちらが丈夫か?」という仮説(予想)も立てよう。 - 【準備】道具をそろえる
比較する商品、実験に必要な道具(重り、紙など)、記録用具(ノート、スマホ、カメラ)、安全のための保護メガネを準備する。 - 【実験】ルール通りに実行!
決めたルールと、安全の注意を守って、いざ実験スタート!変化を見逃さず、じっくり観察しよう。 - 【記録】結果をデータ化する
何回使えたか、何kgまで耐えられたかなどの数値を記録する。壊れた部分の写真や、なぜ壊れたのか気づいたこともメモしておく。 - 【考察】「なぜ?」を考える
実験結果と、最初に立てた予想は同じだった? なぜその結果になったのか、商品の素材や作りをよく見て、理由をとことん考え抜こう。 - 【まとめ】発表する
グラフや写真を使って、誰が見ても分かりやすいようにレポートや模造紙にまとめる。実験で分かったこと、学んだことを自分の言葉で伝えよう。
自由研究から発見したアイデア
アイデア①「最強コストパフォーマンス商品カタログ」を作ろう!
実験結果をもとに、「この作業なら100均で十分!」「これは絶対に丈夫な方がお得!」といった、君だけのオリジナル商品評価カタログを作成する。友達や家族に教えてあげれば、みんなの買い物がもっと賢くなる!
アイデア②「100均商品 魔改造」に挑戦!
実験で分かった100均商品の「弱点」を、別の材料で補強してみよう!壊れやすい部分にテープを巻いたり、接着剤で固めたり…君の工夫で、安くて丈夫な「最強オリジナルグッズ」を生み出せるかもしれない。
アイデア③「商品の値段を当てろ!プライシング・ゲーム」
お店で商品を観察し、「この素材と作りなら、〇〇円くらいが妥当だ!」と値段を予想するゲーム。実際の値段と比べることで、物の価格がどう決まるのか、経済の仕組みに興味が湧いてくるはずだ。
この自由研究に関連する仕事
- 商品開発者 「消費者が満足する品質と価格のバランスはどこか?」を考え、新しい商品を生み出す仕事。まさに今回の実験そのものです。
- 品質管理者 製品が安全基準を満たしているか、決められた耐久性を持っているかを、様々な機械やテストでチェックする、工場の「最後の砦」のような仕事です。
- インダストリアルデザイナー かっこいい見た目や使いやすさだけでなく、素材の知識を活かして「壊れにくさ」もデザインする仕事。
- マーケティング・リサーチャー 人々がどんな商品を、どんな理由で買っているのかを調査・分析し、次のヒット商品開発のヒントを見つける仕事です。
まとめ
「100円ショップ商品の耐久比較」は、身近な疑問から科学的な探究と思考力を育てるとても面白い自由研究です。この実験を通して、君はただの消費者から、物の本当の価値を見抜き、目的に合わせて賢く選択できる「賢者」へと成長することができるでしょう。 「安いからダメ」「高いから良い」と決めつけるのではなく、自分の目で確かめ、考えることの楽しさを、ぜひこの夏、体験してみてください!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。