今回のテーマ
「 夜ごとに星の見え方を記録して光害を数値化してみよう」
夜空を見上げて、星の美しさに感動したことはありますか?でも、昔に比べて星が見えにくくなったと感じることはないでしょうか。その原因の一つが「光害(ひかりがい)」です。街の明かりが強すぎて、夜空が明るくなり、星の光がかき消されてしまう環境問題です。
この自由研究では、毎日同じ場所で夜空を観察し、「どのくらい星が見えるか」を記録していきます。この記録を続けることで、自分たちが住む街の「光害」のレベルを調べ、数値化することに挑戦します。特別な望遠鏡がなくても、自分の目やスマートフォンアプリを使って、宇宙の壮大さと身近な環境問題の両方に触れることができる、エキサイティングな研究です。
自由研究の目的
- 科学的な探究心の育成 毎日観察を続けることで、「なぜ日によって星の数が違うんだろう?」「なぜ場所によって明るさが違うんだろう?」といった疑問が生まれます。この「なぜ?」を追求する心が、科学の第一歩です。
- 環境問題への意識 光害は、美しい星空を奪うだけでなく、夜行性の生き物の生態系にも影響を与える深刻な問題です。この研究を通して、身近な環境問題について深く考えるきっかけになります。
- データ分析能力の向上 観察して得た記録(データ)を表やグラフにまとめることで、変化の傾向を読み取る力が身につきます。これは、将来どんな分野に進んでも役立つ大切なスキルです。
- 宇宙への興味関心 夜空の主役である星や星座について調べるうちに、広大な宇宙への興味がどんどん湧いてくるでしょう。
自由研究のゴール
レベル1 星空観察日記をつけてみよう!
まずは、毎日決まった時間に同じ方角の空を見て、見えた星の数を数えてみましょう。「晴れ」「くもり」といった天気と一緒に、簡単なイラストで記録するだけでも立派な研究になります。
レベル2 アプリを使って星の見え方を数値化しよう!
スマートフォンアプリ(例:「Globe at Night」など)を使って、どのくらい暗い星まで見えるか(等級)を記録します。自宅、公園、駅前など、いくつかの場所で比較してみると、場所による光害の違いがはっきりと分かります。
レベル3 自分だけの光害マップを作成し、世界と繋がろう!
測定したデータを地図にマッピングし、オリジナルの「光害マップ」を作成します。さらに、「Globe at Night」のような国際的な科学プロジェクトにデータを投稿すれば、君のデータが世界中の科学者の研究に役立てられます。
光害の測定事例
- Aくん(小学4年生)の「ぼくの町の星空カレンダー」
夏休みの間、毎日夜9時にベランダから見える「夏の大三角」の周りの星を数えました。月が明るい夜は見える星が少ないことや、商店街のお祭りで街が明るい日は特に星が見えにくいことを発見しました。 - Bさん(中学1年生)の「アプリで迫る!地域別光害調査」
光害測定アプリを使い、自宅、学校、駅前、郊外の祖父母の家の4か所で夜空の明るさを測定。駅前が最も明るく、郊外に行くほど暗い星が見えることをグラフで示し、都市の照明が星空に与える影響について考察しました。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 続けることが力になる できるだけ毎日、同じ時間・同じ場所で観察しましょう。データの比較がしやすくなります。
- 記録は詳しく正確に 「日付」「時間」「場所」「天気」「月の形」など、気づいたことは何でもメモしましょう。写真も撮っておくと、後でまとめやすくなります。
- 安全は最優先で 夜間の観察は、必ずおうちの人と一緒に行いましょう。足元を照らす懐中電灯(目に優しい赤い光がおすすめ)も忘れずに。
- 整理して見やすく 集めたデータは、表や折れ線グラフにまとめましょう。一目で変化が分かり、新しい発見につながります。
自由研究の進め方
Step 1 計画を立てる
- 目的 何を明らかにしたいか?(例:自宅周辺の光害レベルを知りたい)
- 期間 いつからいつまで?(例:8月1日から14日までの2週間)
- 場所 どこで観察するか?(例:自宅のベランダ、近所の公園)
- 方法 どうやって調べるか?(例:肉眼で星の数を数える、アプリで等級を測定する)
Step 2 準備するもの
- 記録用のノート、筆記用具
- 方位磁石(方角の確認)
- 時計
- 懐中電灯(赤いセロハンを貼ると良い)
- 星座早見盤
- (あれば)スマートフォン、カメラ
Step 3 観察と記録
- 計画に沿って観察を開始します。
- 観察シートに、日付、時刻、天気、場所、見えた星の数や等級、気づいたことなどを詳しく記録します。
Step 4 データをまとめる
- 観察記録を表に整理します。
- 日付と見えた星の数を折れ線グラフにしたり、場所ごとの明るさを棒グラフにしたりして、結果を「見える化」します。
Step 5 考察しまとめる
- グラフから何が言えるか考えます。「なぜ星の見える数が日によって違うのか?」「天気や月の明るさは関係しているか?」などを考え、光害との関係を探ります。
- 最後に、研究全体を通して分かったことや感想を結論としてまとめます。
自由研究から発見したアイデア
- お店の光調査 コンビニや自動販売機など、夜遅くまでついている照明のすぐそばと、少し離れた場所とで星の見え方を比べてみよう。
- 光害改善キャンペーン 調査結果をもとに、光害を減らすためのポスターやチラシを作成し、学校や地域で発表してみよう。
- 生き物への影響調査 夜に活動する昆虫や鳥などが、街の明かりに集まっている様子を観察し、光害との関係を考えてみよう。
- 歴史との比較 地元の郷土資料館などで、昔の夜の様子を調べてみよう。昔の人はどんな星空を見ていたのか想像してみるのも面白いかもしれません。
この自由研究に関連する仕事
- 天文学者・宇宙物理学者 宇宙の謎を探求する専門家です。星空の観察は、そのすべての始まりです。
- 環境コンサルタント 光害などの環境問題について調査し、解決策を提案する仕事です。
- 照明デザイナー、都市計画プランナー 人々の安全を守りつつ、環境にも配慮した街の明かりをデザインする仕事です。
- データサイエンティスト 集めたデータを分析し、社会に役立つ新しい価値を見つけ出す専門家です。
まとめ
「星空マッピングと光害の測定」は、夜空を見上げるだけで始められる、とても身近で奥深い自由研究です。この研究を通して、美しい星空を守ることの大切さや、科学的に物事を考える面白さを実感できるはずです。
今年の夏は、夜空の星に少しだけ注目してみませんか?君の小さな発見が、未来の地球環境を守る大きな一歩になるかもしれません。さあ、今夜から星空の調査を始めてみましょう!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





