教育制度の特徴
セーシェルの教育の一番大きな特徴は、国が子どもたちの学びを力強く支えていることです。なんと、保育園から中等教育(高校の一部)までの13年間、公立学校の授業料が無料なんです!さらに、教科書も国から支給されます。
これは、「すべての子どもたちが、家庭の経済状況にかかわらず、平等に教育を受けられるように」という国の強い想いの表れです。アフリカの国々の中でも、これほど手厚い教育制度を持つ国は珍しく、セーシェルが教育をいかに大切にしているかがわかります。
また、セーシェルは多言語国家であることも大きな特徴。学校ではまず、現地の言葉であるセーシェル・クレオール語で学び始め、学年が上がるにつれて英語とフランス語も学びます。子どもたちは、学校を卒業する頃には3つの言葉を話せるようになるのです。
教育方法
セーシェルの教育は、イギリスの教育制度をモデルに作られています。基礎的な学力をしっかりと身につけることはもちろんですが、それと同じくらい大切にされているのが「環境教育」です。
サンゴ礁の海や珍しい動植物など、豊かな自然を守ることが国の未来に不可欠だと考えているため、多くの子どもたちが学校の「エコクラブ」に参加します。ビーチの清掃活動や植林、リサイクル活動などを通して、自分たちの国の自然を愛し、守る心を育んでいます。机の上で学ぶだけでなく、実践的な活動をとても重視しているのがセーショル流です。
教育への取り組みや支援
セーシェル政府は、国の予算の多くを教育のために使っています。授業料や教科書の無償化だけでなく、特別な支援が必要な子どもたちのための教育にも力を入れています。
すべての子どもたちが同じ教室で一緒に学べる「インクルーシブ教育」を進めており、一人ひとりの個性や能力に合わせたサポートを行っています。
さらに、中等教育を終えた後も、専門学校や大学に進学したい生徒のために、国が学費を援助する奨学金制度も充実しています。まさに、国全体が子どもたちの「学びたい!」という気持ちを応援しているのです。
子供達の1日の過ごし方
セーシェルの子どもたちの朝は、カラフルな制服に着替えることから始まります。バスや親の車で学校に着くと、朝の集会で国歌を歌い、一日のスタートを切ります。
授業は、国語(クレオール語)や算数、英語、フランス語などの基本的な科目に加え、音楽や図工、体育など、日本と同じような科目も学びます。お昼休みは、友達とおしゃべりしたり、校庭でサッカーをしたりして過ごします。
放課後は、家に帰って宿題をする子もいれば、エコクラブやスポーツチームの活動に参加する子もいます。美しい海がすぐそばにあるので、友達とビーチで遊ぶことも、彼らにとっては日常の一部です。
教育と社会の関係
セーシェルの高い教育水準は、社会全体に良い影響を与えています。国民の識字率(文字の読み書きができる人の割合)は96%以上と、アフリカ大陸でトップクラスです。
教育は、国の最も重要な産業である観光業を支える人材を育てる上でも欠かせません。ホテルや旅行会社で働く人々は、外国語能力や高いコミュニケーション能力が求められるため、学校で学んだことが直接仕事に活かされています。
また、幼い頃から環境教育を受けているため、国民一人ひとりの環境保護への意識が非常に高いことも、美しい自然を守り続ける力になっています。
国が抱える教育の課題と未来
- 島ごとの教育格差 多くの島からなる国なので、首都があるマヘ島と、他の小さな離島との間で、教育の質に差が生まれてしまうことがあります。
- 専門的な先生の不足 特定の科目、特に理科や数学などの専門的な知識を持つ先生が不足することがあります。
- グローバル化への対応 観光業だけでなく、もっと多様な分野で活躍できる人材を育てるために、ICT(情報通信技術)教育や、より高度な専門教育の充実が求められています。
セーシェル政府はこれらの課題に対し、インターネットを使った遠隔授業を導入したり、教員の研修制度を充実させたりすることで、未来に向けた教育改革を進めています。
教育と文化や価値観の関係
自然を「守るべき宝」と捉える共生の価値観
幼い頃から環境教育を徹底して受けることで、セーシェル人にとって自然は、利用するだけの資源ではなく「共に生き、未来の世代のために守るべき宝」という価値観が深く根付いています。 これが文化として表れているのが、地域コミュニティや学校が主体となって行うビーチクリーン活動です。これは特別なイベントではなく、生活の一部として定着しています。また、政府が打ち出す厳しい自然保護政策(特定の区域での漁業禁止や、プラスチック製品の規制など)に対しても、国民の理解と協力が得られやすいのは、この価値観が社会全体で共有されているからです。
多様性を受け入れ、融合させる「クレオール文化」
3つの公用語(クレオール語、英語、フランス語)を学ぶ多言語教育は、異なる文化への理解と寛容性を育みます。これがセーシェルの最も大きな魅力である「クレオール文化」を支えています。 アフリカ、ヨーロッパ、アジアなど様々なルーツを持つ人々が、お互いの文化を尊重し、融合させてきました。それは、陽気なリズムの「セガ」や「ムティア」といった音楽、スパイスと魚介が絶妙に組み合わさったクレオール料理にはっきりと表れています。様々な国から訪れる観光客を、誰もが温かくフレンドリーに迎え入れることができるのも、多様性を受け入れる素地が教育によって育まれているからです。
「みんなで助け合う」という強い共同体意識
「すべての子どもに平等な教育を」という理念のもと、国全体で教育を無償で支える制度は、「子どもは社会全体の宝であり、みんなで育てる」という意識につながっています。 これは、人口が少なく、多くの島々からなるセーシェルならではの強い共同体意識(コミュニティ意識)を強化しています。近所付き合いが密で、困ったときにはお互いに助け合うのが当たり前という文化は、教育の機会均等という土台の上で、より強固なものになっていると言えるでしょう。
まとめ
インド洋に浮かぶ楽園セーシェルは、ただ美しいだけの国ではありませんでした。国の宝である子どもたちのために、国全体で教育を支える「学びの楽園」でもあったのです。
「誰もが平等に学べること」「自分たちの国の自然を愛し、守る心を育むこと」「たくさんの言葉を学んで世界とつながること」。セーシェルの教育から、私たちが学べることはたくさんありそうです。
この自由研究をきっかけに、ぜひ日本の教育や、自分たちが住む地域の環境についても考えてみてください。きっと新しい発見があるはずです!
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