世界の教育|なぜモルディブの子供は海のことを学ぶの?国の未来を背負う、小さな島の大きな挑戦

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教育制度の特徴

モルディブの教育制度の最大の特徴は、「地理的な環境」と密接に結びついていることです。国はたくさんの小さな島(環礁)に分かれているため、首都マレのような大きな島だけでなく、それぞれの有人の島に学校を作ることが目標とされています。多くの子どもたちが、自分の住む島にある学校に通います。
教育は、モルディブの公用語であるディベヒ語と、イスラム教の教えを大切にしながら、ほとんどの科目を英語で学びます。これは、国の主要な産業である観光業で、世界中から来る人々とコミュニケーションをとるためにとても重要だからです。

教育方法

モルディブの教育方法は、教室の中だけで完結しません。目の前に広がる「海が最高の教科書」になります。

多くの学校では、海洋学(マリーンサイエンス)が重要な科目として教えられています。子どもたちは、サンゴ礁の生態系や、そこに住む魚の種類、海の環境問題について、本で学ぶだけでなく、実際に海に入って肌で感じながら学びます。

また、国の存続に関わる気候変動の問題は、とても深刻です。海面上昇の危険性や、ゴミ問題が海の生き物に与える影響について、幼い頃から実践的に学ぶ授業が行われています。これは、自分たちの国を自分たちで守るための「生きるための学び」なのです。

教育への取り組みや支援

たくさんの島に平等な教育を届けることは、モルディブにとって大きな挑戦です。そのために、国は様々な取り組みを行っています。

例えば、学校がない小さな島の子どもたちのために、スクールボートを運行して、近くの島の学校まで安全に通えるようにしています。また、先生が足りなくなりがちな離島の学校へ、熱意のある先生を派遣する制度にも力を入れています。

さらに、ユニセフ(国際連合児童基金)などの国際機関と協力して、タブレット端末を使ったデジタル教育を進めたり、すべての島にインターネットを普及させたりするプロジェクトも進行中です。遠く離れた島にいても、質の高い教育を受けられるように、国全体で支えているのです。

子供達の1日の過ごし方

モルディブの子どもたちは、どんな一日を過ごしているのでしょうか?ある島の小学生の一日を想像してみましょう。

朝、お祈りの声で目を覚まし、朝食を済ませて学校へ。学校は島の中心にあり、みんな歩いて通います。 午前中の授業は、ディベヒ語、イスラム教、算数など。午後は英語で理科や社会、そして海洋学を学びます。

学校が終わるのは午後2時ごろ。家に帰ったあとは、友達とビーチでサッカーをしたり、海で泳いだり、お父さんと一緒に釣りに出かけたり。遊び場はいつも、美しい自然の中です。夕方、涼しくなってから宿題を済ませ、家族みんなで夕食を囲みます。夜には、満点の星空が広がることも、この国ならではの日常です。

教育と社会の関係

モルディブでは、教育が社会や国の未来と直接的につながっています。

一番大きなつながりは、観光業です。ホテルやダイビングショップなどで働くためには、高い英語力やコミュニケーション能力が不可欠。そのため、教育は国の経済を支える人材を育てるという、非常に重要な役割を担っています。

そしてもう一つは、環境問題との関係です。教育を通して、サンゴ礁を守る大切さや、持続可能な社会のあり方を学んだ子どもたちが、将来、環境保護活動家や、海洋学者、エコな観光を推進するリーダーになります。教育こそが、この美しい国を未来に残すための最大の希望なのです。

国が抱える教育の課題と未来

    楽園のように見えるモルディブにも、教育における大きな課題があります。

    一つは、島ごとの教育格差です。首都マレには設備が整った学校や優秀な先生が集まりやすい一方、小さな離島では、先生が不足したり、十分な教材がなかったりすることがあります。もう一つは、気候変動による未来の不確実性です。海面上昇によって、今住んでいる島が将来なくなってしまうかもしれない、という厳しい現実と向き合いながら、子どもたちは学んでいます。

    しかし、モルディブはこれらの課題に決して屈していません。デジタル教育をさらに推し進めて格差をなくそうとしたり、環境教育を強化して、世界に向けて気候変動の危機を訴える若い世代を育てたりしています。その姿は、同じように海に囲まれた日本に住む私たちにも、多くのことを教えてくれます。

    教育と文化や価値観の関係

    自然への畏敬の念と、環境を守る当事者意識

    教室の窓から海が見え、海洋学が必修科目である環境で育つため、モルディブの人々は海や自然を「生活の一部」として、深く尊敬しています。サンゴ礁を守ることやゴミを減らすことは、誰かに言われるからやるのではなく、「自分たちの家と未来を守るため」の当たり前の行動として文化に根付いています。気候変動問題に対する危機感と当事者意識は、世界で最も高いレベルにあると言えるでしょう。

    強いコミュニティ意識と「助け合い」の文化

    多くの子どもが、数百人規模の小さな島の学校に通います。そこでは、全校生徒が兄弟のようであり、先生は親のような存在です。このような環境が、他人を思いやり、困ったときには必ず助け合うという強いコミュニティ意識を育みます。この「助け合いの精神」は、彼らの温かいおもてなしの心(ホスピタリティ)にも繋がり、観光立国を支える大切な基盤となっています。

    イスラム文化を軸とした、穏やかで強いアイデンティティ

    教育の根幹にはイスラム教の教えがあり、ディベヒ語という自国の言語を大切にしています。これにより、世界中から観光客が訪れるグローバルな環境にありながらも、自分たちの文化や伝統に対する誇りを失いません。穏やかで礼儀正しく、家族を何よりも大切にするという価値観は、この宗教教育によって育まれている側面が大きいです。

    変化を受け入れる、しなやかで現実的な価値観

    英語教育に力を入れ、観光業で生きていくためのスキルを学ぶことは、変化に適応し、現実的に国を発展させていこうとする「しなやかさ」の表れです。伝統や文化を大切にしながらも、外の世界と積極的に関わり、国の発展に必要なことを柔軟に取り入れていく。このバランス感覚もまた、モルディブの教育が育んだユニークな価値観と言えます。

    まとめ

    モルディブの教育は、美しい海や自然という最高の教科書を使い、国の未来を支える観光業や、国の存続をかけた環境問題といった、社会の課題とまっすぐに向き合う「生きるための学び」でした。

    島々が離れているという困難を、ITや国の支援で乗り越えようとする姿。そして、地球全体の課題である気候変動に、国を挙げて立ち向かう若い世代を育てている姿。モルディブの教育を知ることは、私たち自身の生活と、地球の未来について考える、素晴らしいきっかけになるはずです。

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