教育制度の特徴
バルカン半島に位置する北マケドニアは、様々な民族が共に暮らす多文化国家です。そんな国の教育の一番の特徴は「たくさんの言語で授業が行われている」こと。公用語であるマケドニア語はもちろん、アルバニア語やトルコ語など、自分のルーツとなる言葉で学ぶことができるのです。
義務教育は9年間で、ほとんどの子どもたちが地域の基礎学校に通います。そして驚くことに、小学1年生から英語の授業が必修!さらに6年生になると、ドイツ語やフランス語などの第二外国語も学び始めます。多様な言葉に早くから触れることで、世界への扉を開く準備をしているのですね。
教育方法
北マケドニアの学校の多くは、生徒数に対して教室が足りないため、午前と午後の「二部制」をとっています。朝早くから登校するグループと、お昼過ぎから登校するグループに分かれて、同じ校舎を譲り合って使っているのです。
授業では、先生の話を聞く伝統的なスタイルに加え、最近では生徒たちが主体的に学ぶアクティブラーニングや、タブレットなどを使ったICT教育も少しずつ増えています。また、違う言葉を話す子どもたちが一緒にスポーツをしたり、アート活動をしたりする「多文化共生」のためのプログラムにも力を入れています。お互いの文化を尊重し、一緒に国を盛り上げていくための大切な学びです。
教育への取り組みや支援
より良い教育を実現するため、北マケドニアは国を挙げて様々な改革に取り組んでいます。例えば、教科書をデジタル化して、どの子どもたちも平等に学べる機会を作ろうとしています。
また、その挑戦を日本をはじめとする世界中の国々や機関(JICAやユニセフなど)が応援しています。先生たちのための研修会を開いたり、障害のある子もない子も一緒に学べる「インクルーシブ教育」の環境を整えたりと、たくさんの支援が集まっているのです。
子供達の1日の過ごし方
北マケドニアの子どもたちの朝は早く、午前クラスの子は朝7時半には授業が始まります。お昼過ぎの1時半頃に学校が終わると、家に帰って家族と一緒に昼食をとることが多いようです。
放課後は宿題を済ませたあと、友達と外で遊んだり、スポーツをしたりして過ごします。週末は家族や親戚で集まって、ゆっくりと時間を過ごすのをとても大切にしています。日本の小学生が北マケドニアの子どもたちと英語で手紙の交換をする、といった素敵な国際交流も行われています。
教育と社会の関係
様々な民族が暮らす北マケドニアにとって、教育は社会を一つにまとめるための重要な役割を担っています。学校は、子どもたちが自分とは違う文化や習慣を持つ友達と出会い、互いの違いを認め合うことを学ぶ最初の場所です。
一方で、若者の失業率が高いという社会課題もあります。そのため、学校教育で社会に出てすぐに役立つ知識や技術を身につけられるよう、職業訓練校の役割も見直されています。教育を通して、子どもたちが将来に希望を持てる社会を目指しているのです。
国が抱える教育の課題と未来
北マケドニアの教育は、いくつかの課題も抱えています。古い学校の校舎を新しくする必要があったり、民族が違うと言葉の壁から教育の機会に差が生まれてしまったりすることもあります。最近では、学校にいたずらの爆破予告が相次ぎ、授業が中断されてしまうという悲しい問題も起きています。
しかし、北マケドニアの人々は未来を諦めていません。EU(欧州連合)への加盟を目指し、教育水準をさらに向上させようと努力を続けています。困難を乗り越えようとする強い意志こそが、この国の希望です。多様な人々が手を取り合って課題に立ち向かうことで、より強く、より豊かな国を創り上げていくことでしょう。
教育と文化や価値観の関係
柔軟なコミュニケーション能力と「おもてなし」の心
幼い頃から複数の言語に触れるのが当たり前の環境のため、多くの人が物怖じせずに外国語でコミュニケーションをとろうとします。特に若者は流暢な英語を話すことが多く、街中で困っている観光客に気軽に声をかけて助ける姿も珍しくありません。これは、言葉や文化が違う相手と関わることへの抵抗が少ない、教育のたまものと言えるでしょう。
「違い」を前提とした人間関係と、それぞれの伝統の尊重
「みんな違って当たり前」という感覚が、社会の根底にあります。例えば、結婚式などの祝い事は、マケドニア系、アルバニア系など、それぞれの民族の伝統的なスタイルで盛大に行われます。互いの文化や宗教、習慣を尊重し、干渉しすぎない距離感を保つこと。それは、多様な人々が共存する歴史の中で、教育を通して学んできた知恵なのです。
家族や地域との強い絆と「カフェ文化」
学校が二部制で、家族と昼食をとるなど家庭で過ごす時間が長いため、家族や親戚、近所の人々との結びつきが非常に強いです。その価値観は、街のいたるところにあるカフェの賑わいに象徴されています。人々はカフェに集い、何時間もおしゃべりをして過ごします。これは単なる休憩ではなく、顔を合わせて語り合う時間を何よりも大切にする、地域コミュニティの文化なのです。
まとめ
北マケドニアの教育を知ると、日本とは違うたくさんの発見があったのではないでしょうか。いろいろな言葉が飛び交う教室、午前と午後の二部制、そして多様な文化を持つ人々が共に生きるための知恵。
世界には、私たちが「当たり前」だと思っていることとは違う、様々な暮らしや考え方があります。北マケドニアの子どもたちのように、違いを面白がり、相手を尊重する気持ちを持つことが、これからの未来にはとても大切になります。この自由研究が、君の視野を世界に広げるきっかけになれば嬉しいです。
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