教育制度の特徴
モンテネグロの教育は、0~6歳の乳幼児教育(Crèche・Kindergarten)、6~15歳の義務かつ無償の初等教育(Osnovna škola:9年間)、15~18歳の非義務の中等教育(一般高校・職業高校など)、さらに大学までを一貫してカバーします。高等教育では、学士(3年)、修士(2年)、博士(3年)の「3+2+3」モデルを採用し、国公立・私立を合わせ4大学・多数の私立学部が存在します。言語は公用語モンテネグロ語のほか、セルビア語・ボスニア語・アルバニア語・クロアチア語でも授業が行われます。
引用元 en.wikipedia.orgeurydice.eacea.ec.europa.eu
教育方法
- 伝統的講義+グループワーク
授業の多くは45分×複数コマの講義形式ですが、プロジェクト学習やグループ発表を取り入れる学校も増えています。
- ICT・遠隔学習の導入
2015–2020年の改革で、オンラインプラットフォームやデジタル教材を整備中。特にCOVID-19時にはZoomやGoogle Classroomを用いた遠隔授業が全土で実施されました。引用元 unesco.orgunicef.org
教育への取り組みや支援
- 政府の無償化・一元化
初等教育は無償で、中央政府が予算を一括配分。高等教育も学士・修士段階の授業料が一部免除される制度があります。
- 国際機関との連携
UNESCOやUNICEF、世界銀行、EUのIPAプログラムの支援を受け、教員研修・カリキュラム改訂・ICTインフラ整備を推進中。
- 質保障と改革計画
2015–2020年の教育セクター分析をもとに、事前・事後研修の強化、シングルシフト化(一日一交替制)への移行、実験・理科室充実などが進められています。引用元 unicef.orgunesdoc.unesco.org
子供達の1日の過ごし方
- 登校~午前授業
朝8時頃から45分×3~4コマの授業。休み時間に校庭で遊んだり、図書室で本を読んだりします。
- 昼休み
学校給食か自宅持参の昼食(パンやスープ)が中心。
- 午後授業・クラブ活動
13時~15時頃に残りの授業。放課後はサッカーやバレエ、チェスなどの課外クラブ、あるいは塾で補習を受ける生徒も多いです。
- 家庭学習・家族時間
夕方以降は宿題に取り組み、家族と夕食。地域によっては親戚や近所の人と一緒に過ごす時間を大切にします。
引用元 eurydice.eacea.ec.europa.eumontenegroguides.co
教育と社会の関係
- 多民族共生の基盤
言語や宗教の多様性を尊重する教育目標が掲げられ、識字率99%超の高い基礎能力が社会統合を支えます。
- EU統合へのステップ
カリキュラム改革や質保証のEU基準準拠は、若者の欧州域内での学術・就労機会を広げています。
- 地域コミュニティとの連携
学校行事やボランティア活動を通して、高齢者福祉や環境保全など社会課題解決の一翼を担う経験を積みます。
引用元 unesdoc.unesco.orgunicef.org
国が抱える教育の課題と未来
- 地方格差・施設老朽化
北部山間部では学校数不足や設備老朽化が顕著。
- 教員養成と定着
年間研修受講率は25%程度にとどまり、若手教員の離職も課題です。
- デジタル格差
児童一人当たりのコンピュータ比率が16人:1と高く、遠隔学習の質向上には更なる投資が必要です。
- 未来展望
2025年以降はICT完備校の拡大、包括的インクルーシブ教育、終身学習制度の整備が進む見込みで、EU資金や国際協力プロジェクトが鍵となります。引用元 eurydice.eacea.ec.europa.euunesco.org
教育と文化や価値観の関係
多言語・多文化共生の尊重
義務教育段階からクラス内にモンテネグロ語のほかセルビア語やアルバニア語を話す児童がいることで、子どもたちは「異なるバックグラウンドをもつ人と協力する」ことを当たり前に学びます。この経験が、成年後も他民族・他宗教を受け入れる寛容な社会意識へとつながっています。
コミュニティ参加の精神
授業や学校行事で地域の高齢者を招いて伝統行事を学んだり、地元の農家での収穫祭を体験したりすることで、「自分たちの村・町を大切にする心」が育まれます。こうした活動は、モンテネグロ独特の“Zadruga”(共同体)文化の継承を助けています。
自然と調和する暮らしへの意識
学校のカリキュラムに組み込まれた山登りや川遊びの遠足、校庭での園芸実習を通じて、「自然と共に生きる」価値観が身につきます。山と海に囲まれたモンテネグロならではの風土との一体感が、環境保全への高い関心を育てています。
年長者への敬意と口承文化
歴史や民話の授業で、村の長老(ババ)から直接昔話を聞く機会があり、「年長者から学ぶ大切さ」を自然に学びます。この「口承による知恵の継承」は、家庭や地域での敬老精神と強く結びついています。
自主的問題解決とリーダーシップ
グループプロジェクトで「地域の観光資源を調査して提案する」ような課題に取り組むことで、子どもたちは「自分たちで考え、地域を盛り上げる」意欲とスキルを身につけます。これがのちの若手起業家や地域活性化リーダーを生む土壌となっています。
まとめ
モンテネグロの教育は、小規模ながら多言語・多文化環境の中で、EU基準への適合とデジタル化を急ぐ改革期にあります。義務教育の無償化・一元化や国際機関との連携によって着実に質を高めつつも、地方格差やデジタル格差、教員研修不足などの課題は残ります。自由研究では、ハザードマップを読むように「ハザードは何か・支援はどう機能しているか」を探り、改善策を検討することで、未来の教育政策やインクルーシブな学びの設計力を養うことができます。世界の多様性に触れながら、モンテネグロの教育から得られる学びは、将来どこで活躍するにも役立つ貴重な視点となるでしょう。
感想を温めよう!
- 世界の教育の内容を通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。
If you would like to publish your experience in our media, please contact us at the email address below, we publish for $300 per article.
mailto: hello@s-labo.earth
foodots.
空庭のテーマ
感想窓口
マーケティングを学ぼう!
あわせて読みたい
あわせて読みたい