世界の仕事352|失った機能を取り戻す!日常動作の回復を支援する義肢装具士のものづくり

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日常動作の回復を支援する義肢装具士とは?

義肢装具士は、病気や事故で体の一部を失った方や、生まれつき体に不自由がある方のために、義手や義足、コルセットなどの装具を製作する専門家です。一人ひとりの体の状態や生活スタイルに合わせて、オーダーメイドで「動くこと」を支えるものづくりをします。

義肢装具士の仕事の最大の魅力は、「誰かの人生を、もう一度輝かせるお手伝いができること」です。義手や義足を製作する過程は、まるで魔法のようです。お客様と何度も話し合い、理想の形や機能を追求し、ゼロから形にしていきます。そして、完成した装具を身につけた方が、もう一度自分の足で歩いたり、自分の手で物を掴んだりする瞬間を目の当たりにしたとき、言葉では言い表せないほどの喜びと感動を味わうことができます。それは、単なる「ものづくり」ではなく、その人の「未来」をつくる、とてもやりがいのある仕事なのです。

義肢装具士の仕事とは?

義肢装具士の仕事は、大きく分けて「義肢(ぎし)」と「装具(そうぐ)」の製作に分かれます。

  • 義肢(例:義手、義足) 事故や病気で手足の一部を失った方のために、その代わりとなるものを作ります。例えば、サッカー選手になりたいという子どものために、走ることに特化した軽くて丈夫な義足を作ったり、繊細な作業ができるように、指先を細かく動かせる義手を作ったりします。お客様の生活や夢に合わせて、素材や形を工夫します。
  • 装具(例:コルセット、サポーター) 病気やケガで体の動きが制限されたり、姿勢が悪くなったりするのを防ぐためのサポーターや、骨折した部分を支えるための装具などを作ります。例えば、脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)という背骨が曲がる病気の子どものために、体の成長を支えながら、正しい姿勢を保つためのコルセットを作ります。

これらの製作には、お客様の体の型を採り、石膏で模型を作り、それを元にプラスチックや金属などを加工するなど、職人技が必要とされます。

        義肢装具士の魅力!

        1. ものづくりの喜び 自分の手で一つひとつ丁寧に作り上げたものが、誰かの人生を変える力になる。これほどやりがいのあるものづくりは他にありません。
        2. お客様の笑顔が最高の報酬 困難を乗り越え、義肢や装具を身につけて、再び日常を取り戻すお客様の笑顔は、何よりも大きな喜びです。
        3. 専門性の高い技術 医療や工学、芸術の知識が求められる専門職です。自分の技術や知識を磨くことで、キャリアアップが目指せます。
        4. 平均的な年収と報酬 日本での義肢装具士の平均年収は、おおよそ350万円から600万円程度と言われています。経験や資格、勤務先(病院、製作所など)によって幅がありますが、専門性が高い仕事のため、安定した収入が見込めます。
        5. 社会への貢献 高齢化が進む現代社会において、この仕事はますます重要になります。より多くの人が自立した生活を送るために貢献できる、非常に社会貢献度の高い仕事です。

        義肢装具士になるには?

            • ステップ1「人の役に立ちたい!」という気持ちはあるかな?
              義肢装具士は、技術力だけでなく、人の話を聞く力や、困っている人を助けたいという優しい心がとても大切です。まずは、なぜこの仕事がしたいのか、自分の気持ちを確かめてみよう。
            • ステップ2 「ものづくり」は好きかな?
              プラモデルを作ったり、工作をしたり、手を動かすことが好きなら、この仕事に向いているかもしれません。
            • ステップ3 大学や専門学校を調べてみよう!
              義肢装具士になるには、国が定めた専門の学校(大学、短期大学、専門学校)で3年以上学び、「義肢装具士国家試験」に合格する必要があります。どんな学校があるか、インターネットやパンフレットで調べてみよう。
            • ステップ4 体験入学に参加してみよう!
               学校によっては、義手や義足づくりを体験できるイベントを行っています。実際に自分の手で触れてみて、どんなものづくりをするのか体験してみよう。
            • ステップ5 国家試験に挑戦!
              学校で学んだことを活かし、義肢装具士の国家試験に合格すれば、晴れて義肢装具士になることができます。

            この分野で有名なプロフェッショナル

            ヒュー・ヘリック

            ヒュー・ヘリックは、義肢装具士でありながら、世界を代表するランニング用義足のスペシャリストです。彼自身も事故で片足を失い、アスリートとしてのキャリアを断念しましたが、その経験を活かして、高性能なランニング用義足を次々と開発しました。彼の製作した義足は、パラリンピックの選手たちにも広く使われ、多くのメダル獲得に貢献しています。ヘリックは、義肢を「失われた体の一部」としてではなく、「可能性を広げる新しいツール」として捉え、アスリートの夢を支え続けています。彼の挑戦は、義肢装具士が単なる医療技術者ではなく、人々の夢や希望を形にするクリエイターであることを証明しています。

            マーケィングの観点から見ると?

            義肢装具士の仕事は、グローバルな視点で見ても、これからますます重要になります。紛争や事故、病気によって義肢を必要とする人々は世界中にいます。しかし、義肢装具士の数はまだまだ足りていません。特に発展途上国では、適切な義肢が手に入らず、学校に行けない子どもや、働けない大人がたくさんいます。

            今後、3Dプリンターのような新しい技術が進歩すれば、義肢の製作がもっと簡単になり、より多くの人に義肢を届けられるようになるかもしれません。義肢装具士は、こうした新しい技術を使いこなし、世界中の人々の生活を支える、未来のグローバルな医療スペシャリストとして活躍することが期待されています。

            自由研究の例

            義肢装具士の仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

            「未来の義足」をデザインしてみよう!

            もし、君が義肢装具士になったら、どんな義足を作りたい? 例えば、「速く走るための義足」や「宇宙で使える義足」、あるいは「どんな動物の足のような義足」?

            自由研究のステップ

            1. どんな義足を作りたい?
              まずは、君のアイデアを絵に描いてみよう。どんな形?どんな色?どんな機能があったらいいかな?
            2. どんな素材で作る?
              軽くて丈夫な素材、水に強い素材、柔らかい素材など、どんな素材を使ったらその機能が実現できるか調べてみよう。
            3. その義足を使う人はどんな人?
              どんな人がその義足を使うか想像してみよう。その人は何をしたいと思っているかな?
            4. どうやって作る?
              粘土や工作用紙、ダンボールなど、身の回りにあるものを使って、デザインした義足の模型を作ってみよう。
            5. 発表してみよう!
              なぜこのデザインにしたのか、どんな工夫をしたのか、家族や友達に発表してみよう。

            まとめ

            義肢装具士は、単に「もの」を作るだけでなく、人の生活や未来を支える、とてもやりがいのある仕事です。自分の技術と心を込めて作ったものが、誰かの「もう一度歩きたい」「またスポーツがしたい」という願いを叶えることができるのです。この仕事には、優しい心と探究心、そして「ものづくり」への情熱が大切です。もし、人の役に立つ仕事や、何かを形にする仕事に興味があるなら、ぜひこの「義肢装具士」という素晴らしい仕事について、もっと調べてみてください。

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            身近な仕事について考えてみよう!

            • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
            • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
            • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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