世界の仕事339|物流の未来を考える!縁の下の力持ち物流マネージャーと運輸業者の仕事

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物流の未来を考える!物流マネージャーと運輸業者とは?

インターネットで注文した商品が、次の日にはもうお家に届く。この「当たり前」を支えているのが物流の仕事です。工場で作られた製品が、世界中の倉庫やお店、そして私たちの家まで届く「モノの流れ」全体を計画し、指揮する司令塔が物流マネージャー。そして、その計画通りにトラックや船、飛行機で、実際にモノを運ぶヒーローが運輸業者です。

この仕事の最大の魅力は、社会を動かす「縁の下の力持ち」になれることです。私たちが毎日使うもの、食べるもの、着るものすべてが、物流のプロフェッショナルたちの活躍によって届けられています。それはまるで、地球全体を舞台にした壮大なパズルを解くような仕事。どうすればもっと速く、安く、安全に届けられるか、知恵を絞る面白さがあります。さらに、AIによる需要予測やドローン配送など、最先端のテクノロジーに触れながら、世界中の人々の生活を豊かにできる、未来志向でやりがいに満ちた仕事なのです。

物流マネージャーと運輸業者の仕事とは?

      物流の仕事は、私たちの生活のあらゆる場面に関わっています。具体的にどんなことをしているのか、見てみましょう。

      物流マネージャー 

      人気ゲーム機の発売 新しいゲーム機が発売される日、世界中の子どもたちが楽しみに待っています。物流マネージャーは、その日にお店にゲーム機が並ぶように、数ヶ月前から計画を立てます。

        1. 計画 海外の工場から日本の倉庫まで、船や飛行機を何便手配するか決めます。
        2. 管理 日本に着いたゲーム機をどの地域の倉庫に、どれだけ保管するかを考えます。
        3. 指示 全国のゲームショップや家電量販店へ、どのトラックがどのルートを通って、何時に届けるか、運輸業者に指示を出します。 天候や交通事情の変化も予測しながら、まるでオーケストラの指揮者のようにモノの流れ全体をコントロールします。

      運輸業者の仕事例 

      毎日の食卓を支える 物流マネージャーが立てた計画を実行するのが運輸業者の役割です。

        1. トラックドライバー 毎朝、市場で仕入れた新鮮な野菜や魚を、スーパーマーケットに運びます。私たちがいつでも新鮮な食材を買えるのは、彼らが安全運転で時間通りに届けてくれるおかげです。
        2. 配達員 みんながインターネットで注文した商品を、一軒一軒の家まで大切に届けます。「ありがとう」という言葉が直接もらえる、やりがいのある仕事です。
        3. パイロット・船長 大量の自動車や衣類、食品などを、国から国へと運びます。世界経済を動かすダイナミックな仕事です。

      物流マネージャーと運輸業者の魅力!

      1.  社会になくてはならない「ライフライン」
        電気やガス、水道と同じように、物流は社会を支える「ライフライン」です。もし物流が止まったら、お店から商品がなくなり、病院に薬が届かなくなってしまいます。災害が起きた時に、いち早く食料や毛布などの救援物資を届けるのも物流の仕事。人々を助け、社会に貢献している実感が得られます。
      2. 地球規模の巨大なパズルを解く面白さ
        「どうすればコストを下げて、環境にも優しく、かつ速く届けられるか?」を考えるのは、まるで壮大なパズルや戦略ゲームのようです。例えば、トラックだけでなく、電車や船も組み合わせて運ぶ「モーダルシフト」を計画し、CO2排出量を大幅に削減できた時など、自分の戦略が成功した時の達成感は格別です。
      3.  AIやドローン!未来のテクノロジーが活躍する舞台
        物流の世界は、今まさにテクノロジーで大きく進化しています。倉庫では、AIが商品の場所を管理し、ロボットが自動で商品を運び出します。山間部や離島には、ドローンで薬を届ける実験も始まっています。未来の技術を使いこなし、新しい物流の形を創り出せる、ワクワクする分野です。
      4. 世界とつながるグローバルな仕事
        海外から商品を輸入したり、日本の製品を輸出したり、世界中の人々と協力して仕事を進めます。英語などの語学力を活かせるチャンスがたくさんあります。様々な国の文化や習慣に触れながら、地球を舞台に活躍できるのが大きな魅力です。
      5. 安定した需要とキャリア(平均年収)
        インターネット通販の拡大などにより、物流の仕事の重要性はますます高まっています。仕事の需要が安定しているため、将来性も豊かです。 運輸業・配達員の平均年収は約350万~500万円ほどですが、経験や資格によって変わります。物流マネージャーになると、平均年収は600万~1000万円以上になることも珍しくありません。経験を積んで専門性を高め、チームをまとめるリーダーになることで、高い報酬を目指せるキャリアです。

        物流マネージャーと運輸業者になるには?

          Step 1 「モノの旅」に興味を持とう!

          まずは身の回りにあるモノが、どこから来たのか調べてみよう。君が今着ている服、食べているお菓子、使っている文房具は、どの国で、どの工場で作られ、どんな旅をしてここに来たんだろう?商品のタグやパッケージをヒントに、モノの旅を想像してみるのが第一歩だよ。

          Step 2 地図と数字に強くなろう!

          物流の仕事は、地理の知識と計算能力がとても大切です。地図帳を眺めて、世界の国々の位置や港、空港の場所を覚えてみよう。「ここからここまで、一番速く着くルートは?」と考えてみるのも面白いよ。算数で学ぶ距離・時間・速さの計算も、そのまま仕事に役立ちます。

          Step 3 計画力と問題解決能力を鍛えよう!

          どうすれば効率よく宿題を終わらせられるか、計画を立ててみたことはあるかな?旅行の計画を立てたり、将棋やパズル、プログラミングで先を読む力を鍛えたりすることも、物流の仕事に必要な「計画力」や「問題解決能力」を養うトレーニングになります。

          Step 4 人と話す力、伝える力を磨こう!

          物流の仕事は、運転手さんや倉庫のスタッフ、海外の取引先など、たくさんの人と協力して進めます。自分の考えを分かりやすく伝え、相手の意見をしっかり聞くコミュニケーション能力が不可欠です。学校のグループ活動や委員会活動で、積極的に自分の意見を発表してみよう。

          Step 5 専門的に学べる学校を知ろう!

          高校を卒業したら、大学の商学部や経済学部、工学部の経営工学科、あるいは物流を専門に学べる学部や専門学校で、より深く学ぶことができます。どんな学校があるか、今のうちから調べてみるのもいいね。君の夢に繋がる道は、どんなところにあるだろう?

          この分野で有名なプロフェッショナル

          フレデリック・W・スミス(Frederick W. Smith)

          「一晩で荷物を届ける」という、今では当たり前のサービスを生み出したのが、世界的な物流企業フェデックス(FedEx)の創業者、フレデリック・W・スミス氏です。彼は大学時代に、すべての荷物を一度一箇所(ハブ)に集め、そこから各地(スポーク)へ放射状に配送すれば、効率的に翌日配達ができるという「ハブ・アンド・スポーク」という画期的なシステムを思いつきました。このアイデアは、当時の教授には「面白いが非現実的だ」と評価されましたが、彼は諦めませんでした。ベトナム戦争での軍の物資輸送の経験を経て、そのアイデアを確信に変え、フェデックスを設立。物流業界に革命を起こし、世界中のビジネスのスピードを劇的に変えたのです。

          マーケィングの観点から見ると?

          物流の仕事は、未来の地球にとって、ますます重要な役割を担います。インターネットを通じて、世界中の誰もが、どこにいても好きなものを買える時代。国境を越えたモノの移動は、これからも増え続けます。この巨大な流れを止めずに、かつ地球環境を守る、という大きな課題を解決するのが未来の物流の仕事です。

          例えば、AIを使って最もCO2排出量が少ない輸送ルートを瞬時に計算したり、電気で走る自動運転トラックやドローンで環境負荷ゼロの配送を実現したり。また、食料が足りない国へ、鮮度を保ったままスピーディーに食料を届けることで、世界の食糧問題の解決にも貢献できます。さらには、将来、人々が月や火星で暮らすようになった時、地球から物資を届ける「宇宙物流」という壮大なミッションも待っています。物流は、人々の生活を豊かにし、地球と人類の未来を支える、無限の可能性を秘めた仕事なのです。

          自由研究の例

          物流マネージャーと運輸業者の仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

          Step 1 一つの商品を追いかけてみよう!

          • 君の好きな食べ物やお菓子を一つ選んで、パッケージの裏を見てみよう。どこで作られているかな?原材料はどこの国から来ているかな?
          • その商品が工場から君の家の近くのお店まで、どんな乗り物で、どんなルートを通って運ばれてきたか、地図とインターネットを使って旅の物語を想像してみよう!

          Step 2 街の「物流」を観察しよう!

          •  近所のスーパーやコンビニの前で、安全な場所から30分間、どんなトラックが来るか観察してみよう。トラックの色や会社の名前、荷台の形(冷蔵・冷凍など)を記録しよう。
          • なぜ朝や夜にトラックが多く来るんだろう?違うお店では、来るトラックの種類も違うかな?どんな発見があった?

          Step 3 身近な物流のプロに話を聞いてみよう!

          • (必ずおうちの人と一緒に)いつも荷物を届けてくれる配達員さんや、スーパーで商品を棚に並べている店員さんに、元気よく挨拶して、いくつか質問してみよう。
          • 「このお仕事で一番大変なことは何ですか?」「どんな時にやりがいを感じますか?」と聞いてみよう。働く人の生の声から何がわかるかな?

          Step 4 「未来の配達」をデザインしてみよう!

          •  物流が抱える問題(交通渋滞、CO2排出、人手不足など)を調べた上で、それを解決する未来の配達方法のアイデアを考えよう。
          • 君が考えた「夢の配達ロボット」や「未来の乗り物」はどんな形?どんな能力がある?絵や図で分かりやすく表現して、みんなに発表してみよう!

          まとめ

          今回は、私たちの生活に欠かせない「物流」の世界と、それを支える物流マネージャーや運輸業者の仕事について探求しました。この仕事は、単にモノを運ぶだけではありません。世界経済を動かし、人々の暮らしを豊かにし、さらにはAIやドローンなどの最新技術を駆使して、地球環境の問題解決にも挑む、非常にダイナミックで創造的な仕事です。

          計画力、実行力、そして未来をより良くしたいという強い想いが、この仕事では何よりの力になります。この記事を読んで、普段何気なく目にしているトラックや、玄関に届く段ボールの裏側に、壮大なプロフェッショナルの世界が広がっていることを感じてもらえたら嬉しいです。君のその探究心が、未来の物流をさらに進化させる第一歩になるかもしれません。

          関連書籍

           

          身近な仕事について考えてみよう!

          • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
          • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
          • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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