動物を守る仕事!獣医と動物保護活動家とは?
獣医は、動物の病気や怪我を治療する「動物のお医者さん」です。動物保護活動家は、虐待や遺棄、環境破壊など、さまざまな危険から動物を救い、彼らの権利を守るために活動します。どちらも、言葉を話せない動物たちに代わって、その命と尊厳を守る、非常に専門的で責任のある仕事です。
この仕事の一番の魅力は、自らの知識や行動で、か弱い動物の命を直接救えることです。元気になった動物やその飼い主さんから感謝された時の喜びは、何物にも代えがたいでしょう。また、活動は個々の動物を救うだけでなく、動物と人間が共に幸せに暮らせる社会の実現や、地球全体の生態系を守ることにもつながっています。動物たちの「声なき声」に耳を傾け、社会をより良い方向へ動かしていく大きなやりがいを感じられる仕事です。
獣医と動物保護活動家の仕事とは?
獣医の具体的な仕事
- 町の獣医さん(小動物臨床獣医) 犬や猫などのペットの健康診断、予防接種、病気や怪我の治療、手術などを行います。飼い主さんの不安な気持ちに寄り添うことも大切な仕事です。
- 動物園や水族館の獣医 ゾウやキリン、イルカなど、さまざまな動物の健康を管理します。珍しい動物の赤ちゃんが生まれるのを助けたり、絶滅しそうな動物を守る研究をしたりもします。
- 家畜の獣医(産業動物獣医) 牛や豚、鶏など、私たちの食生活を支える動物たちが健康に過ごせるように、牧場などを訪れて診察や病気の予防を行います。安全な食料を守る重要な役割です。
- 公務員の獣医 空港や港の検疫所で、海外からの感染症が国内に入ってこないようにチェックしたり、保健所で動物に関する衛生管理を担当したりします。
動物保護活動家の具体的な仕事
- 保護シェルターの運営 飼い主がいなくなった犬や猫を保護し、お世話をしながら、新しい家族を見つけるための譲渡会などを開きます。動物たちの心のケアも行います。
- 野生動物の保護 アフリカのサバンナで象の密猟を防ぐためのパトロールをしたり、海のプラスチックごみからウミガメを守る活動をしたりします。
- 社会への働きかけ 動物実験を減らすためのキャンペーンを行ったり、動物を守るための新しい法律を作るよう、国や政府に働きかけたりします。
獣医と動物保護活動家の魅力!
- 命を救う、感動の瞬間がある
交通事故で瀕死だった野生のタヌキを治療し、元気になって森へ帰っていく姿を見送った時や、大切に保護していた犬が優しい家族にもらわれていく時など、命の重さと温かさを実感できる瞬間に満ちています。 - 動物と「心」で通じ合える
言葉を話せない動物の、ちょっとした仕草や表情から「どこが痛いのかな?」「何が不安なのかな?」と感じ取り、信頼関係を築けた時の喜びは格別です。まるで動物と会話ができたような気持ちになります。 - 世界中が活躍の舞台になる
日本の動物病院はもちろん、アフリカの国立公園で野生動物を守ったり、東南アジアでストリートドッグの保護をしたりと、世界中どこでもその知識と経験を活かすチャンスがあります。 - 社会全体を守ることにつながる
動物から人間にうつる感染症(新型コロナウイルスもその一つと考えられています)を防ぐのは、獣医の大切な役割です。動物を守ることは、私たち人間の健康な暮らしを守ることにも直結しています。 - 専門家として安定し、社会を動かす力になる
獣医は国家資格を持つ専門職で、平均年収は約600万円以上と安定しています(働く場所や経験で変わります)。動物保護活動家はNPOなどで働くことが多く、給与はさまざまですが、その情熱と専門性で多くの人々の心を動かし、寄付を集め、国や企業を動かす大きな力を持つことができます。
獣医と動物保護活動家になるには?
- STEP1 動物への「好き」と「なぜ?」を深めよう
まず一番大切なのは、動物が好きという気持ちです。あなたはどんな動物に特に惹かれますか?そして「なぜこの動物を助けたいんだろう?」と考えてみましょう。その「なぜ?」が、将来の大きな原動力になります。 - STEP2 知識という「武器」を手に入れよう
図鑑や本、テレビのドキュメンタリー番組で、動物の生態や、彼らが直面している環境問題について学んでみましょう。獣医になるには、理科や数学の勉強もとても大切になります。どんなことを知ると、ワクワクしますか? - STEP3 小さな「一歩」を踏み出してみよう
家のペットのお世話を責任もって行うこと、地域の動物保護施設のボランティアに参加してみることも、素晴らしい第一歩です。実際に動物と触れ合う中で、何を感じ、何を学びたいと思いますか? - STEP4 専門家への道を調べよう
獣医になるには、大学の獣医学科で6年間学び、国家試験に合格する必要があります。動物保護活動家には決まった資格はありませんが、大学で生物学や環境学、国際関係などを学ぶと活動の幅が広がります。あなたはどんな専門家になりたいですか? - STEP5 仲間を見つけて、世界とつながろう
動物を守りたいという同じ志を持つ友達は、最高の宝物です。学校のクラブ活動や、地域のイベント、SNSなどを通じて、仲間を見つけ、世界で起きている動物の問題について語り合ってみましょう。みんなで力を合わせたら、どんな大きなことができると思いますか?
この分野で有名なプロフェッショナル
ジェーン・グドール博士(Dr. Jane Goodall)
イギリスの霊長類学者であり、世界で最も有名な動物保護活動家の一人です。彼女はアフリカの森で、野生のチンパンジーと暮らしながら、彼らが道具を使ったり、豊かな感情を持っていたりすることを世界で初めて発見しました。この発見は「人間だけが特別な存在ではない」ことを示し、人々の動物に対する考え方を大きく変えました。現在も90歳を超えてなお、世界中を飛び回り、環境破壊や野生動物の危機を訴え、若者たちに「君たちなら未来を変えられる」と希望のメッセージを伝え続けています。
マーケィングの観点から見ると?
地球温暖化や森林破壊が進む今、多くの動物たちが住む場所を失い、絶滅の危機に瀕しています。また、動物から人へ、人から動物へと広がる感染症は、世界全体にとって大きな脅威です。
このようなグローバルな課題に対し、獣医や動物保護活動家は未来を守るヒーローのような存在です。彼らの活動は、「ワンヘルス(One Health)」という考え方に基づいています。これは「人と動物、そして環境の健康は、すべてつながっている一つのもの」という視点です。
動物の健康を守ることは、病気の拡大を防ぎ、人間の健康を守ります。そして、動物たちが生きる豊かな自然環境を守ることは、地球全体の未来を守ることにつながるのです。この仕事は、国境を越えて、地球という一つの家族の未来を創造する、素晴らしく価値のある仕事と言えるでしょう。
自由研究の例
- STEP1 調査対象を決めよう!
君が一番守りたい動物は?例えば「捨てられてしまう犬や猫」「町で見かけるカラスやハト」「絶滅が心配されているツシマヤマネコ」など、テーマを一つに絞ってみよう。
なぜその動物を守りたいと思ったの?その動物は今、どんなことで困っていると思う? - STEP2 専門家にインタビューしよう!
地域の動物病院や動物保護施設に連絡を取り、お話を聞かせてもらいましょう。(※必ずお家の人と相談し、許可を得てからにしましょう)
「この地域で一番多い動物の問題は何ですか?」「私たち子どもにできることはありますか?」 - STEP3 課題の原因を探ろう!
なぜペットは捨てられてしまうのだろう?なぜ野生動物は人間の住む場所に下りてくるのだろう?インタビューや調べたことから、問題の根本的な原因を考えてみよう。
問題を解決するために、一番大切なことは何だと思う? - STEP4 自分だけのアクションプランを考えよう!
調査結果をもとに、君にできる具体的な行動計画を立ててみよう。例えば「迷子ペットを減らすためのポスターを作る」「保護動物のための募金活動を計画する」「全校生徒に動物の正しい飼い方を伝えるパンフレットを作る」など。
そのプランで、誰の心を動かしたい?どんな未来になったら嬉しい? - STEP5 研究成果を発表しよう!
調べた内容と君が考えたアクションプランを、ポスターや新聞、プレゼンテーションにまとめて発表しよう。君の研究が、町を変える最初の一歩になるかもしれない!
まとめ
獣医や動物保護活動家の仕事は、「動物が好き」という優しい気持ちから始まり、科学的な知識と強い責任感、そして「世界をより良くしたい」という熱い情熱で支えられています。
言葉を話せない動物たちの命に真剣に向き合い、彼らの代弁者として行動することは、時に難しく、悲しい場面に出会うこともあります。しかし、一つの命を救い、動物と人間が共に笑いあえる未来を創り出すことの喜びは、何にも代えがたいものです。
この記事を読んでくれた君が、動物たちの小さなSOSに気づける人になり、その命を守るためのアクションを起こせる人になってくれることを、心から願っています。君の優しさが、未来の世界をきっと変えるはずです。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。