今回のテーマ
「近所の公園の土の成分(砂・粘土など)を採取して比較してみよう」
私たちが普段何気なく踏んでいる「土」は、どれも同じに見えて実は全く違う個性を持っています。この研究では、複数の公園や場所から土を採取し、そこに含まれる「砂・シルト(細かい砂)・粘土」の割合を「沈殿実験」という方法で可視化します。顕微鏡がなくても、ペットボトル一本で土の正体を突き止めることができる、エキサイティングな地学実験です。
自由研究の目的
土は、地球の歴史そのものです。岩石が何万年もかけて削られ、そこに生き物の死骸や葉っぱが混ざって作られます。 「なぜこの公園は雨のあとに水たまりができやすいのか?」「なぜこの場所には特定の植物がよく育つのか?」という疑問の答えは、すべて土の成分が握っています。土の性質を知ることは、私たちの暮らしを支える農業、建築、そして防災(土砂崩れの防ぎ方など)を理解するための第一歩なのです。
自由研究のゴール
この研究のゴールは、単に「土を集めること」ではありません。土の粒子を大きさごとに分けて、その割合をパーセンテージで表すことで、「土性の三角形(Soil Texture Triangle)」に近い分析を行うことを目指します。
- ビギナーレベル 土の色や手触りの違いを見つける。
- プロレベル 水に溶かして層に分け、砂・シルト・粘土の比率を計算し、その土が「砂質」か「粘土質」かを判定する。
具体的な事例
例えば、以下のような場所を比較してみると面白い発見があります。
- ブランコの下の土 みんなが踏み固めているので、粒子が細かくなっているかも?
- 花壇の土 植物が育ちやすいように、フカフカした黒っぽい「腐植質」が多いかもしれません。
- 山の近くの公園 ゴツゴツした大きめの砂や、色のついた鉱物が混じっている可能性があります。 「公園Aは水はけが良い砂場タイプ」「公園Bは水持ちが良いドロドロタイプ」といった具合に、個性をラベリングしてみましょう。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 粒の大きさ(粒径) ざらざらしているか、つるつるしているか。
- 色 黒い(栄養がある)、赤い(鉄分が多い)、白い(砂や火山灰が多い)など、色の由来を推測します。
- 沈殿の速さ 水に入れたとき、すぐに沈むのは重い砂。いつまでも水が濁っているのは、極小の粘土成分です。
自由研究の進め方
- 採取 3〜4箇所の異なる場所から、表面のゴミを除いてスコップ一杯分の土を採取します(※公園のルールを守り、採取して良いか確認しましょう)。
- 乾燥 採取した土を新聞紙の上に広げ、一度しっかり乾かして塊をほぐします。
- ペットボトル投入 透明なペットボトルに土を3分の1ほど入れ、水を8分目まで加えます。
- シェイク 蓋をしっかり閉めて、中身が完全に混ざるまで激しく振ります。
- 放置と観察 平らな場所に置き、1分後、1時間後、1日後の様子を写真に撮ります。
- 計測 1日経って水が澄んだら、下に沈んだ「砂の層」、その上の「シルトの層」、一番上の「粘土の層」の厚さを定規で測ります。
自由研究から発見したアイデア
土の成分が分かったら、次は「土の力」を試す実験にアップデートしてみませんか?
- 天然のろ過装置作り 採取した土を使って、泥水がどれくらい綺麗になるか「ろ過実験」をしてみる。砂が多い土と粘土が多い土、どちらが水を綺麗にするでしょうか?
- 最強の泥団子作り 粘土成分だけを取り出して、ピカピカに光る「泥団子」作りに挑戦。どの公園の土が一番光る泥団子になるか競ってみましょう。
この自由研究に関連する仕事
- 土木エンジニア ビルや橋を建てる前に、地盤(土の強さ)を調査するプロフェッショナルです。
- 農家・農業研究員 作物に合わせて最高の土を作る、土壌の料理人です。
- 地質学者 土や石から、その土地が数万年前に海だったのか火山だったのかを読み解く探偵のような仕事です。
- 陶芸家 粘土の性質を見極め、熱に耐えて美しく固まる器を作る芸術家です。
まとめ
足元の土は、地球が時間をかけて作った「自然のパズル」です。スコップとペットボトルさえあれば、君は今日から地質学者になれます。 砂、シルト、粘土。その絶妙なバランスが、私たちの遊ぶ公園を作り、木々を育て、街を支えています。今度公園に行くときは、ぜひ地面をじっくり観察してみてください。そこには、まだ誰も気づいていない地球のヒミツが隠れているはずです。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





