自由研究574|鉛筆・ボールペン・シャーペンで「文字の書きやすさ・手の疲れ・読みやすさ」を比較しよう

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今回のテーマ

    「鉛筆・ボールペン・シャーペンで文字の書きやすさ・手の疲れ・読みやすさをアンケート+時間計測で比較してみよう」

    この自由研究は、私たちが普段から何気なく使っている「鉛筆」「ボールペン」「シャープペンシル」という3種類の筆記具について、「文字の書きやすさ」「書いた時の手の疲れ」「書かれた文字の読みやすさ」という3つの視点から、アンケート調査と時間計測という客観的なデータを用いて比較・分析を行うものです。

    単に「私はこれが好き」という感想で終わらせるのではなく、「どの筆記具が、どのくらいの時間で、どれだけ疲労を感じさせ、結果としてどのような文字を生まれるのか」を数値で明らかにすることで、科学的なアプローチで筆記具の特性を解き明かします。

    自由研究の目的

    どうして文字の書きやすさ・手の疲れ・読みやすさをアンケート+時間計測で比較してみるの?

    私たちが勉強や仕事で文字を書く時間は、想像以上に長いです。もし、自分に合わない筆記具を使っていたとしたら、本来は集中できたはずの時間が、「手が疲れた」という理由で台無しになってしまうかもしれません。また、ノートや書類に書かれた文字が読みにくいと、情報伝達の効率も下がってしまいます。

    この研究を通して、道具の特性を深く理解し、「より効率的に、より快適に、より正確に」文字を書くための最適な選択肢を知ることができます。これは、単なる文房具選びではなく、学習効率の向上や日々の快適さに直結する重要な学びと言えます。さらに、アンケート設計やデータ分析といった、社会で役立つリサーチスキルを身につける練習にもなります。

      自由研究のゴール

      この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

      • 初級ゴール 3種類の筆記具の「書きやすさ」ランキングを、アンケート結果から決定する。
      • 上級ゴール 「速く書ける筆記具」「疲れにくい筆記具」は、必ずしも同じではないことを、時間計測データとアンケート結果を比較して証明する。

        ある中学生の実験事例

        データに基づいた筆記具の最適解を見つける

        書きやすさ(主観) vs. 速度(客観)のズレ

        • アンケートでは「シャープペンシルが一番書きやすい」という意見が多数でした。
        • しかし、「同じ文章を5分間で書き写す」という時間計測では、最も速く書き終えたのは実は「ボールペン」でした。
        • 結果 「書きやすさ」は好みや書き味の滑らかさなど主観的な感覚が大きく影響するが、「速さ」は筆記具が持つインクの出方や芯の硬さなどの物理的な特性が強く影響している、という考察が得られました。

        読みやすさの評価

        • 書いた本人は「鉛筆の文字が一番丁寧に見える」と評価しました。
        • しかし、アンケートで「他人の書いた文字」を評価してもらったところ、「ボールペンで書かれた文字が最も均一で、読みやすい」という結果が出ました。
        • 結果  鉛筆は濃淡が出やすく、書く人によって文字のバラつきが生じやすいため、他者から見ると安定性に欠ける場合がある、ということが示されました。

            研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

              •  筆記具の統一
                鉛筆・ボールペン・シャーペンそれぞれ、できる限り同じメーカーの標準的なものを選び、芯の濃さや太さを揃えます(例:HB、0.5mm)。
              • 実験者の統一
                実験に参加してくれる人(被験者)は、年齢層や性別を揃えるか、または幅広い層から募集し、属性データも記録します。
              • タスクの統一
                • 書き写す文章は、誰もが知っている簡単な文章で、文字数を完全に統一します。
                • 時間計測は、ストップウォッチを用いて秒単位で正確に行います。
              • データの視覚化
                アンケート結果は円グラフや棒グラフに、時間計測の結果は散布図などにして、一目で傾向が分かるようにまとめます。

              自由研究の進め方

              ステップ1 計画と準備

              1. 実験の設計 参加者に何を書くか(例:A4用紙に400字の文章を書き写す)、どの順番で筆記具を使うかなどを決定します。
              2. アンケートの作成 「書きやすさ(5段階評価)」「手の疲れ(5段階評価)」「文字の読みやすさ(5段階評価)」**の質問を作成します。自由記述欄も設けます。

              ステップ2 データの収集

              1. 実験の実施(時間計測)
                • 参加者に指定された文章を、3種類の筆記具でそれぞれ書き写してもらいます。
                • 書き始めから終わりまでを正確に計測し、「速度」のデータとします。
              2. アンケートの実施
                • 書き終えるごとに、その筆記具に関する「書きやすさ」と「疲れ」のアンケートに回答してもらいます。
                • 最後に、書かれた3種類の文字を比較して「読みやすさ」のアンケートに回答してもらいます。

              ステップ3 結果の分析と考察

              1. データの整理 収集した時間、評価の点数を表計算ソフトなどで集計し、平均値、中央値などを算出します。
              2. グラフの作成 各項目で比較しやすいグラフを作成します。
              3. 考察
                • 「アンケートの評価が高い=計測結果も優れている」という仮説は正しかったか?
                • ボールペンは速いが疲れやすい、鉛筆は遅いが温かみがある、など、データから読み取れる各筆記具の個性を考察します。
                • 実験中に参加者から得られた自由記述のコメントと数値データを結びつけて、考察を深めます。

              自由研究から発見したアイデア

              新しいアイデア 「パーソナル・ペン・プロファイル(PPP)の開発」

              この研究の結果から、「最も書きやすい筆記具は、人によって異なる」ということが判明する可能性があります。なぜなら、筆圧の強さ、手の大きさ、書く速さなど、個人の身体的特性が筆記具の使い心地に大きく影響するからです。

              そこで、この研究をさらに発展させ、個人の筆圧や手の動きを計測するシステムと組み合わせることで、その人にとっての最適な筆記具を診断できる「パーソナル・ペン・プロファイル(PPP)」というサービスを提案します。

              診断項目例 筆圧が強い人には「芯が折れにくいシャープペンシル」、筆記速度が速い人には「インクの出がスムーズなボールペン」など、データに基づいて具体的な製品を推奨します。

              この自由研究に関連する仕事

              • 文具メーカーの研究・開発職(R&D) 「どうすればもっと疲れにくい筆記具を作れるか」という課題に対し、実際にユーザーのデータを集めて分析し、新製品の開発に活かします。
              • マーケティング・リサーチャー 消費者の「何となくの感覚」ではなく、アンケートデータや実験結果から、人々の「真のニーズ」を見つけ出し、商品の販売戦略を立てます。
              • 人間工学(エルゴノミクス)研究者 道具と人の体の関係を研究し、最も効率的で、体に負担がかからないように道具を設計する専門家です。筆記具の疲れにくさなどは、まさに人間工学のテーマです。

              まとめ

              この自由研究は、私たちが当たり前に使っている筆記具に科学のメスを入れ、データに基づいてその特性を解き明かす探求です。

              「鉛筆は温かい字になる」「ボールペンは速く書ける」といったイメージだけでなく、「具体的にどれくらいの速度差があるのか」「疲れは数値としてどれくらい違うのか」を計測し、比較することで、私たちの日常の道具選びに論理的な根拠を与えます。この研究を通して、身の回りのものを「なぜ?」という視点で見つめ直し、データ分析力と問題解決能力を身につけてください。

                     

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