自由研究570|家庭で使っているシャンプー・ボディソープの含有成分の肌へのやさしさ/泡立ちを比較しよう

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今回のテーマ

    「家庭で使っているシャンプー・ボディソープの含有成分の肌へのやさしさ/泡立ちを比較してみよう」

    この自由研究は、皆さんの家庭で日常的に使っているシャンプーやボディソープにどのような成分が含まれているのかを調査し、それぞれの製品の「肌へのやさしさ」や「泡立ち」といった特徴と、その成分との関係を解き明かすことをテーマとします。身近な日用品を通じて、化学や環境、健康について深く考えるきっかけとなります。

    自由研究の目的

    どうして家庭で使っているシャンプー・ボディソープの含有成分の肌へのやさしさ/泡立ちを比較してみるの?

      私たちが毎日使うシャンプーやボディソープは、実は非常に多くの種類の界面活性剤や保湿成分、添加物などで作られています。これらの成分は、汚れを落とす役割を果たす一方で、肌質や環境に影響を与える可能性があります。

      • 健康への関心 自分の肌に合っている成分を知ることは、肌トラブルを防ぎ、健康的な生活を送る上で重要です。
      • 科学的思考力の向上 製品のパッケージに書かれている難しそうな成分名を、その役割や特性と結びつけて理解するトレーニングになります。
      • 消費者としての視点 宣伝文句に惑わされず、成分表示という客観的な情報に基づいて製品を選ぶ力が身につきます。

      自由研究のゴール

      この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

      • スタンダード
        家庭にある3種類以上のシャンプー・ボディソープの主要な洗浄成分(界面活性剤)を特定し、それぞれの特徴(例:高級アルコール系、アミノ酸系、せっけん系など)をまとめます。成分の特徴から予想され
        る「肌へのやさしさ」と「泡立ち」の比較表を作成する。
      • ゴールド
        スタンダードの調査に加え、実際に少量の製品を使って泡の質(きめ細かさ、持続性)や使用後の肌の感覚(つっぱり感など)を比較実験し、成分から予想した結果と実験結果の関連性を考察します。さらに、環境に配慮した成分(生分解性の高さなど)についても調査し、環境への影響も含めた総合評価レポートを作成します。

      具体的な研究事例

      製品タイプ 主な洗浄成分の例 成分の特性
      A:低刺激性 (ベビー用など) ココイルグルタミン酸Na(アミノ酸系) 肌への刺激が少ない、高い生分解性、泡立ちはマイルド。
      B:一般的な市販品 (豊かな泡立ち) ラウレス硫酸Na(高級アルコール系) 洗浄力が高い、泡立ちが良い、安価。人によっては刺激を感じる場合がある。
      C:自然派・固形石鹸 石けん素地(脂肪酸ナトリウムなど) 天然由来、洗浄力が強い、さっぱりとした洗い上がり、弱アルカリ性。

          研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

             成分表示の読み方

            成分は配合量の多い順に書かれています。水、または界面活性剤(〜Na、〜K、〜ベタインといった名称が多い)に注目して比較対象としましょう。

            「肌へのやさしさ」の評価基準

            「肌へのやさしさ」は洗浄力の強さと刺激性に大きく左右されます。

            • アミノ酸系(例:ココイル〜、ラウロイル〜) マイルドで低刺激。
            • 石けん系 洗浄力が高いが、弱アルカリ性で肌がアルカリ性に傾きやすい。
            • 高級アルコール系(例:ラウリル硫酸〜、ラウレス硫酸〜) 洗浄力・脱脂力が強く、刺激を感じやすい人もいる。

            泡立ちの評価方法

            泡立ちを客観的に比較するためには、同じ量の水と製品を使い、同じ回数かき混ぜるなど、条件をそろえて行うことが重要です。泡の高さ(量)と、泡の消えるまでの時間(持続性)を記録しましょう。

            自由研究の進め方

            ステップ1 調査対象の選定と準備

            家庭にあるシャンプーやボディソープを3~5種類選びます。成分表示を写真に撮り、ノートに控えます。

            ステップ2 主要成分の特定と情報収集

            各製品の成分表示から、主要な洗浄成分(界面活性剤)を特定します。その成分の名称をインターネットなどで調べ、「種類(アミノ酸系・石けん系など)」「特徴(刺激性・洗浄力)」を分かりやすくまとめます。

            ステップ3 比較実験の計画と実施

            • 実験器具の準備 透明なコップ(または試験管)、計量スプーン(またはスポイト)、ストップウォッチ。
            • 条件の統一 製品の量(例:1滴)、水の量(例:10ml)、泡立てる方法(例:スプーンで10回かき混ぜる)を統一します。
            • 泡の観察と記録 泡立てた直後の泡の高さと、泡が半分になるまでの時間をストップウォッチで測定し記録します。

            ステップ4 結果の分析と考察

            • 「成分情報」と「実験結果」を照らし合わせます。例:「ラウレス硫酸Naは泡立ちが良いと書かれていたが、実験でも最も泡の量が多く、泡が消えるまでの時間も長かった」
            • 成分の違いが、製品の特性(泡立ち、洗い上がり)にどう影響しているかを自分の言葉で考察します。

            自由研究から発見したアイデア

            「肌質・髪質と成分のマッチングアプリ」の提案

            自分の肌質や髪質(乾燥肌、脂性肌、敏感肌など)と、よく使われている洗浄成分の特性(洗浄力、刺激性、保湿力)のデータベースを作成し、ユーザーが最適な製品を見つけられるアプリのアイデアを提案します。このアプリは、成分を客観的に評価し、「宣伝イメージ」ではなく「科学的根拠」に基づいた商品選びをサポートします。

            「手作りマイルド洗剤」の実験

            マイルドな成分であるアミノ酸系洗浄剤の原液を購入し、それにグリセリン(保湿剤)や天然のアロマオイルを加えて、自分だけのオリジナル低刺激シャンプーを作る実験に発展させることもできます。

            この自由研究に関連する仕事

            • 化粧品・日用品の研究開発者(研究職/開発職) 肌へのやさしさ、泡立ちの良さ、環境への影響などを考慮し、新しい成分や製品を開発する仕事。化学的な知識が不可欠です。
            • 品質管理(QC)/製品評価者 製品が規格通りに作られているか、消費者が安全に使えるかを評価・試験する仕事。客観的な測定と分析能力が求められます。
            • 薬剤師・皮膚科医 健康の専門家として、患者さんの肌質や疾患に合わせて、適切な洗浄剤の成分をアドバイスします。

            まとめ

            今回の自由研究は、身近なシャンプーやボディソープの成分を科学的に分析することで、「何となく良さそう」ではなく「なぜ良いのか」を論理的に理解する力を養います。成分表示を読み解く力は、賢い消費者として健康的な生活を送るための大切なスキルです。

            ぜひ、この夏は、泡立ちの裏にある化学の力に注目し、家庭の浴室から大きな発見をしてみましょう!

                   

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