今回のテーマ
「歩きスマホをなくすために!安全な使い方を広めよう」
「歩きスマホ」。それは、スマートフォンを見ながら歩く行為のことです。友達とのメッセージのやり取り、SNSのチェック、動画鑑賞、ゲームなど、スマホの画面に夢中になって歩いている人を街中で見かけることはありませんか?
今や私たちの生活に欠かせないスマートフォンですが、一歩間違えれば、自分だけでなく周りの人も巻き込む大きな事故につながる危険な行為です。この自由研究では、多くの人が無意識に行ってしまっている「歩きスマホ」の危険性に焦点を当て、どうすればその危険を減らし、誰もが安全に過ごせる社会を作れるのかを探求します。
自由研究の目的
なぜ私たちは「歩きスマホ」について学ぶ必要があるのでしょうか?
理由はシンプルです。「自分と周りの人の命を守るため」です。
歩きスマホをしていると、注意力が画面に集中してしまい、周りの状況がほとんど見えなくなります。
- 人にぶつかる、物を壊してしまう
- 駅のホームから転落する
- 階段や段差で転んで大怪我をする
- 赤信号に気づかず、車や自転車と衝突する
実際に、歩きスマホが原因で多くの事故が報告されており、命を落としてしまうケースも少なくありません。
この問題は、他人事ではありません。自分自身が気をつけることはもちろん、家族や友達、地域の人々にもその危険性を伝え、安全な社会を築いていくために、このテーマを深く学ぶ価値があるのです。
自由研究のゴール
- 基本ゴール 歩きスマホの危険性を知り、自分自身が絶対にやめる
まずは、歩きスマホがどれだけ危険な行為なのかを正しく理解し、自分自身の行動を改めることを目指します。
- レベルアップゴール 調査・分析を通じて、周りの人へ危険性を伝え、行動を促す
- アンケート調査 家族や友達、地域の人に「なぜ歩きスマホをしてしまうのか」「危険だと感じた経験はあるか」などを調査し、原因を探ります。
- 観察調査 通学路や駅前など、場所や時間帯によって歩きスマホをしている人の数や特徴に違いがあるか観察・記録します。
- ポスターや新聞の作成 調査結果を元に、歩きスマホの危険性を分かりやすく伝えるポスターや新聞を作成し、学校や地域の掲示板に貼ってもらうなどの啓発活動を行います。
- トップレベルゴール 問題解決のための具体的なアイデアを提案し、社会に発信する
調査・分析結果から、歩きスマホを効果的に防ぐための新しいアイデア(例:注意を促す道路標識のデザイン、学校での安全教室の企画、防止アプリの機能提案など)を考え、発表します。地域や企業に提案してみるのも素晴らしい挑戦です。
歩きスマホで実際に起きた事故例
歩きスマホの危険性は、決して大げさな話ではありません。実際に、以下のような事故が起きています。
- 小学生の事故 スマートフォンでゲームをしながら歩いていた小学生が、赤信号に気づかず交差点に進入し、車にはねられてしまう事故が発生しました。
- 駅での転落事故 携帯電話で通話しながら歩いていた人が、駅のホームの端を歩いてしまい、線路に転落。電車にはねられ亡くなるという痛ましい事故が起きました。
- 高齢者との衝突 前をよく見ていなかった歩きスマホの若者が、前から歩いてきた高齢者にぶつかり、転倒させて骨折させてしまうトラブルも発生しています。
これらの事例は、ほんの一部です。ほんの少し画面に気を取られただけで、取り返しのつかない事態を招いてしまう可能性があるのです。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
観察
- 定点観察 「朝の通学路」「夕方の駅前」「休日のショッピングモール」など、場所と時間を決めて、歩きスマホをしている人がどれくらいいるか数えてみましょう。年齢層や性別、何をしているか(ゲーム、SNSなど)も記録すると、より深い分析ができます。
調査
- アンケート 「歩きスマホをしたことがありますか?」「どんな時にしてしまいますか?」といったアンケートを作成し、多くの人から意見を集めましょう。
- インタビュー 家族や先生に、歩きスマホについてどう思うか、どんな対策が必要だと思うかを聞いてみましょう。
実験
- 視野角の実験 安全な場所で、家族に協力してもらい、普通に歩いている時と、スマホを見ながら歩いている時で、どれだけ見える範囲(視野)が狭くなるかを試してみましょう。横から差し出された物に気づくまでの時間を計るのも有効です。
まとめ
- データのグラフ化 観察やアンケートで集めた数値を円グラフや棒グラフにすると、結果がひと目で分かりやすくなります。
- 考察を深める 「なぜこの場所や時間帯に歩きスマホが多いのだろう?」「どうすれば防げるだろう?」と、データから読み取れることについて自分の考えを深めることが最も重要です。
自由研究の進め方
Step 1 計画を立てる
- テーマとゴールを決める。
- 何を、どのように調べるか、具体的な計画とスケジュールを立てる。
Step 2 情報収集・調査
- インターネットや図書館で、歩きスマホの事故に関するニュースや統計データを調べる。
- 街頭での観察調査や、家族・友達へのアンケートを実施する。
Step 3 実験
- 安全な場所で、保護者の監督のもと、視野角の変化などの簡単な実験を行う。
Step 4 分析・考察
- 集めたデータや情報を整理し、グラフにまとめる。
- データから何が言えるか、問題点は何か、どうすれば解決できるかを考える。
Step 5 まとめ
- 模造紙やレポート、スライドなどに、研究の動機、方法、結果、考察、そして自分の提案をまとめる。
- グラフや写真、イラストなどを活用して、分かりやすく伝える工夫をする。
自由研究から発見したアイデア
- テクノロジーによる解決策
「危険予知AI」アプリ スマートフォンのカメラが前方の障害物や信号、人などを認識し、衝突の危険が迫ると音や振動で警告してくれるアプリのアイデア。
「歩行モード」の提案 歩行中は画面が自動的に暗くなり、通知も最低限になるスマートフォンの新しいモードをメーカーに提案する。
- デザインによる解決策
「錯視アート」標識 階段や横断歩道の手前に、思わず足元を見てしまうようなトリックアートを描き、自然に顔を上げさせるデザイン。
「スマホポケットロード」 通学路の一部に、歩きながら安全にスマホをしまえる「スマホポケット」のような設備を設置するアイデア。
- 社会的な解決策
「小学生セーフティリーダー」制度 小学生が主体となって、学校内で歩きスマホの危険性を伝えるキャンペーンやパトロールを行う制度。
この自由研究に関連する仕事
- 都市開発・交通コンサルタント 人々が安全で快適に移動できる街づくりを計画する仕事です。バリアフリー設計や、安全な歩道の整備などを考えます。
- 警察官・交通指導員 交通ルールを守るように指導し、事故を防ぎ、人々の安全を守る仕事です。
- UI/UXデザイナー スマートフォンのアプリやOSを、ユーザーが安全で使いやすいように設計する仕事です。「どうすれば歩きながら使わせないか」をデザインの力で解決します。
- ジャーナリスト・広告プランナー 歩きスマホの危険性を社会に広く伝え、人々の意識を変えるためのニュース記事や啓発キャンペーンを企画・制作する仕事です。
- 教師 未来を担う子どもたちに、交通安全や情報モラルの大切さを教える仕事です。
まとめ
「歩きスマホ」は、個人のマナーの問題だけでなく、社会全体で取り組むべき安全の問題です。この自由研究は、その危険性を科学的に調査し、深く理解するための絶好の機会です。
調査や実験を通して、普段何気なく見ていた日常の風景が、多くの危険をはらんでいることに気づくでしょう。そして、その問題を解決するために自分に何ができるかを考えることで、君はもう、ただの利用者ではなく、より良い社会を作る「提案者」の一員です。
この夏、歩きスマホの問題を探求し、君ならではの視点で、安全な未来への第一歩を踏み出してみませんか?
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。