今回のテーマ
「みんなが住める家をデザインしよう!新しい住宅のアイデアを考える」
世界中で、そして私たちの住む日本でも、「住む家が足りない」「ちょうどいい家が見つからない」という住宅不足の問題が深刻になっています。人口の増加や都市への集中、家族の形の変化など、その原因はさまざまです。
この自由研究では、単に「家をたくさん建てれば解決する」という視点だけではなく、「未来の私たちはどんな家に住みたいだろう?」「すべての人が快適に暮らすためには、どんな工夫が必要だろう?」という問いから出発します。環境にやさしく、多様なライフスタイルに合わせた、これからの時代の新しい住宅をデザインすることを目指す、創造力あふれるテーマです。
自由研究の目的
私たちが毎日を過ごす「家」は、生活の土台となる大切な場所です。このテーマを学ぶことは、自分たちの未来の暮らしをより良くするための第一歩です。
住宅不足の問題は、貧困や環境問題、地域社会のあり方など、さまざまな社会課題とつながっています。この研究を通して、社会が抱える問題に目を向け、自分に何ができるかを考える力が身につきます。
また、課題を解決するためにアイデアを出し、それを形にする「デザイン思考」や「問題解決能力」を養う絶好の機会です。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)のゴール11「住み続けられるまちづくりを」にも直接つながる、未来を創るための学びです。
自由研究のゴール
- レベル1 調べてみよう!
日本の住宅不足の現状や、その原因について新聞やインターネットで調べ、レポートにまとめます。なぜ空き家が増えているのに、住宅が足りないと言われるのか、その不思議を探ってみましょう。 - レベル2 世界に学ぼう!
世界中で実践されているユニークな住宅の事例(3Dプリンターハウス、タイニーハウスなど)を調べ、それぞれのメリット・デメリットを比較し、ポスターにまとめます。 - レベル3 デザインしてみよう!
自分が考える「未来の家」のコンセプトを決め、イラストや設計図、簡単な模型で表現します。なぜそのデザインにしたのか、それがどのように住宅問題を解決できるのかをプレゼンテーションで発表します。
住宅不足を解決するためのアイデア例
世界には、住宅不足を解決するための素晴らしいアイデアがたくさんあります。
- 3Dプリンターハウス
巨大な3Dプリンターで、建材を積み重ねて家を建設します。短期間かつ低コストで建てられ、災害時の仮設住宅などでの活用も期待されています。 - タイニーハウス
必要最小限の広さで作られた小さな家です。建設コストや光熱費を抑えられるだけでなく、シンプルな暮らしを実現する手段として注目されています。 - コンテナハウス
輸送用のコンテナを再利用して作られた家です。丈夫で移動も可能、デザインの自由度も高いのが特徴です。 - シェアハウス/コレクティブハウス
キッチンやリビングなどを共有し、個人の部屋を持つ暮らし方です。家賃を抑えながら、住人同士のコミュニケーションが生まれる新しいコミュニティの形です。 - 空き家のリノベーション
使われなくなった家を改修(リノベーション)し、新しい価値を持つ住まいとして再生させる取り組みです。資源を有効活用し、地域の景観を守ることにもつながります。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 「誰のため」の家?
高齢者、子育て世代、一人暮らしの若者など、住む人のことを具体的に想像してみましょう。 - 「どこに建てる」家?
都会の真ん中、自然豊かな郊外、雪が多い地域など、場所の特性を考えると、必要な機能が見えてきます。 - 「何でつくる」家?
環境に配慮した素材(リサイクル材や地元の木材など)を使うことも大切な視点です。 - 「ずっと使える」家?
長く快適に、そして環境に負荷をかけずに住み続けられる「サステナビリティ(持続可能性)」を考えてみましょう。
自由研究の進め方
ステップ1 テーマの決定
「災害に強い家」「お年寄りが安心して暮らせる家」「自然と共生する家」など、自分が一番ワクワクするテーマを決めます。
ステップ2 情報収集
本、インターネット、ニュース、図書館などで情報を集めます。住宅展示場や建築家のウェブサイトを見るのも良いでしょう。
ステップ3 調査と分析
集めた情報から、今の住宅の問題点や、もっとこうなったら良いのにという課題を見つけます。
ステップ4 アイデア出し(ブレインストーミング)
「こんな家があったらいいな」というアイデアを、自由にたくさん書き出してみます。実現できるかどうかは気にせず、楽しむことが大切です。
ステップ5 デザインと設計
アイデアをイラストや設計図に描いてみましょう。粘土や段ボールで模型を作るのもおすすめです。家の間取りだけでなく、エネルギーをどうするか(太陽光パネルなど)、水はどうするか(雨水利用など)も考えてみましょう。
ステップ6 まとめと発表
研究の成果をレポートやポスターにまとめます。「誰の」「どんな課題」を「どのように解決する」デザインなのかが伝わるように、工夫して発表しましょう。
自由研究から発見したアイデア
- シェアリング・エコノミー住宅
家の一部(部屋、駐車場、庭など)を地域の人と共有する住宅。コミュニティの活性化にもつながります。 - モジュール式住宅
家族の人数やライフスタイルの変化に合わせて、部屋をブロックのように付け足したり、減らしたりできる家。 - エネルギー自給自足ハウス
太陽光や風力で電気を作り、雨水をろ過して使うなど、外部からのエネルギー供給に頼らない「オフグリッド」な家。災害時にも強いのが特徴です。 - 農業一体型住宅
屋上や壁面で家庭菜園ができ、食料を自給自足できる家。食育や環境学習にもなります。
この自由研究に関連する仕事
- 建築家、インテリアデザイナー 人々の暮らしを豊かにする空間をデザインする仕事。
- 都市計画プランナー 街全体の住みやすさをデザインする仕事。
- 不動産デベロッパー 新しい住宅地や商業施設を企画・開発する仕事。
- ソーシャルワーカー 住まいに困っている人々を支援する仕事。
- 材料開発の研究者 環境にやさしい新しい建材などを開発する仕事。
まとめ
住宅不足は、世界が直面する大きな課題ですが、見方を変えれば、未来の暮らしをより良くするためのチャンスに満ちあふれています。この自由研究の最大の魅力は、決まった答えがないことです。
「どうすればみんなが幸せに暮らせるだろう?」と考え、自由な発想で新しい家のアイデアをデザインする経験は、きっと君の未来を豊かにする力になります。さあ、身の回りの「家」や「まち」に目を向けて、君だけの「みんなが住める家」をデザインしてみましょう!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。