温暖化を止めるためにできること!家でできる省エネ実験をしてみよう!
地球温暖化とは、地球全体の平均気温が少しずつ上昇していく現象のことです。地球は太陽の熱で温められ、その熱の一部は「温室効果ガス」によって宇宙に逃げないように守られています。このおかげで、私たちは快適な温度で暮らすことができています。
しかし、人間の活動によって、この温室効果ガス(特に二酸化炭素=CO2)が増えすぎてしまいました。まるで地球が厚い毛布を何枚もかぶってしまったように、熱がこもりすぎて、地球全体の温度が上がっているのです。これが地球温暖化の正体です。
「地球の温度が少し上がるくらい、大したことない」と思ってしまうかもしれません。しかし、地球温暖化を学ぶことは、私たちの未来を守るために絶対に必要です。
- 私たちの暮らしが危ない! 平均気温が上がると、世界中で異常気象が起こりやすくなります。猛暑による熱中症、作物への被害、巨大な台風や集中豪雨による水害など、私たちの安全な暮らしや食べ物が脅かされます。
- 生き物たちがSOSを出している! 北極の氷が溶けて、ホッキョクグマの住む場所がなくなったり、海の温度が上がってサンゴが白くなったりと、多くの生き物たちが絶滅の危機に瀕しています。生態系全体のバランスが崩れ始めているのです。
- 未来への責任 今のまま温暖化が進むと、私たちが大人になる頃、さらにその子どもたちの世代には、もっと深刻な問題が起こるかもしれません。美しい地球を未来へつなぐため、温暖化を止める方法を考え、行動するのは、今を生きる私たちの責任なのです。
自由研究のゴール
- レベル1 科学的探究力のアップ! 地球温暖化の原因と影響を調べ、家庭から出る二酸化炭素の量を計算することで、科学的な視点で物事を捉える力を養います。
- レベル2 課題解決力と実践力のアップ! 「どうすればCO2を減らせるか?」という課題に対し、具体的な計画を立て、家族と協力して省エネ活動を実践する力を身につけます。
- レベル3 データ分析力と発信力のアップ! 実験前と後でのCO2削減量をグラフなどを使って分析し、その成果を分かりやすくまとめて、周りの人に伝える力を育みます。
この研究は、地球規模の課題を「自分ごと」として捉え、解決のために行動する第一歩です。
取り組める具体的な例
家庭から出る二酸化炭素(CO2)を減らすためのアクションはたくさんあります。今日からすぐに始められる省エネ実験の例を見てみましょう。
- 照明の工夫 LEDに変えてみる! 古い電球を、省エネ性能の高いLEDランプに交換するだけで、消費電力を大幅に削減できます。リビングの一番長く使う照明を一つ変えるだけでも、大きなCO2削減につながります。
- お風呂の工夫 追いだきをやめてみる! 家族がお風呂に入る時間をなるべく近づけ、追いだき機能を使わないようにしてみましょう。お湯を沸かし直すには、たくさんのエネルギー(ガスや電気)が必要になります。お風呂のフタをこまめに閉めるのも効果的です。
- 移動の工夫 COOL CHOICE(クールチョイス)! 近くのスーパーや公園に行くとき、車ではなく自転車を使ったり、歩いたりしてみましょう。ガソリンを燃やさないことで、CO2の排出を直接減らすことができます。電車やバスなどの公共交通機関を選ぶのも賢い選択です。
- ごみの工夫 ごはんを残さず食べる! 食べ残しなどの生ごみを燃やすときにも、多くのCO2が発生します。食べきれる量だけ作り、お皿に盛ることで、ごみを減らし、CO2削減に貢献できます。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
この自由研究を成功させるための重要なポイントは、「CO2排出量の見える化」です。
- 現状把握(Before) まず、おうちからどれくらいのCO2が出ているかを調べます。家庭からのCO2排出で最も多いのは「電気」の使用です。毎月届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」に書かれている電気使用量(kWh)に、電力会社ごとに決まっている「CO2排出係数」をかけると、電気によるCO2排出量が計算できます。ガスや水道も同様に計算できます。
- 原因分析 計算したCO2排出量や、普段の生活を振り返り、「どんな時に電気やガスをたくさん使っているかな?」「無駄なことはないかな?」と家族で話し合ってみましょう。
- 対策の実践 原因に合わせて、セクション4で紹介したような対策の中から、自分たちの家庭で挑戦する「CO2削減チャレンジ」の目標を決め、1週間実践します。
- 効果測定(After) チャレンジ期間が終わったら、再度、電気メーターなどを確認し、対策前の1週間と比べて、どれくらい電気使用量が減ったか、つまりどれくらいCO2を削減できたかを計算します。
この「自分たちの行動で、これだけのCO2を減らせた!」という具体的な数字が、大きな達成感と説得力につながります。
自由研究の進め方
さあ、実際に「省エネ実験」を進めていきましょう!以下のステップを参考に、計画を立ててみてください。
ステップ1 計画を立てよう
- 地球温暖化について本やインターネットで調べ、基本的な知識をノートにまとめる。
- 研究の目的と、家族で挑戦する「CO2削減チャレンジ」の具体的な内容を決める。
- 調査期間(例:対策前1週間、対策後1週間)を決める。
- 電気やガスの検針票を準備し、CO2排出量の計算方法を確認する。
ステップ2 調査と実践
- 現状調査(Before)
- 毎日決まった時間に電気とガスのメーターを記録し、1週間の使用量を計算する。
- 計算した使用量から、1週間のCO2排出量を計算する。
- エコ家族会議
- 調査結果をもとに、「わが家のCO2排出源」はどこにあるか話し合う。
- 後半1週間で実践する「CO2削減チャレンジ」の具体的なルールを最終決定する。(例:「テレビを見る時間を1日1時間減らす」「シャワーの時間を1分短くする」など)
- 対策の実践と調査(After)
- 決めたルールを家族みんなで守りながら生活し、同じようにメーターの数値を記録する。
ステップ3 まとめよう
- BeforeとAfterのCO2排出量を比較し、どれだけ削減できたかを計算してグラフにする。
- 研究全体を通して分かったこと、大変だったこと、家族の意識の変化などを文章にまとめる。
- セクション7~9の内容を参考に、研究の結論と今後の目標を書く。
- 模造紙やスケッチブックに見やすくまとめて、完成!
自由研究から発見したアイデア
研究を通して、きっとたくさんの発見があったはずです。その発見をもとに、さらに一歩進んだユニークなアイデアを考えてみましょう。
- アイデア1 「わが家のエコ宣言」を作成しよう! 研究で分かったことや、家族会議で決めたルールをもとに、家族みんながこれからも守っていく「エコ宣言」を作成します。イラストや家族の手形を入れて、リビングなど目立つ場所に貼り、意識を持続させる工夫をします。
- アイデア2 「地産地消」チャレンジデー! 遠くから運ばれてくる食材は、輸送のために多くのCO2を排出しています。近くの農家さんが作った野菜や、地元のお店の商品を積極的に選ぶ「地産地消」に挑戦する日を設けてみましょう。地域の美味しいものを発見する楽しみもあります。
- アイデア3 「グリーンカーテン」で涼しく過ごそう! ゴーヤやアサガオなどのつる性の植物を、窓の外に這わせて作る「グリーンカーテン」。夏の強い日差しを和らげ、エアコンの使用を抑えることができます。植物を育てる楽しさと、CO2削減の両方が体験できる素晴らしいアイデアです。
この自由研究に関連する仕事
- 環境コンサルタント 企業や自治体に対して、どうすれば環境への負担を減らせるか、CO2排出量を削減できるかなどをアドバイスする専門家です。
- 再生可能エネルギーの技術者・研究者 太陽光、風力、地熱など、CO2を出さないクリーンなエネルギー(再生可能エネルギー)を、より効率的に、安定して使えるようにするための技術やシステムを開発する仕事です。
- 気象予報士 気象データを分析し、日々の天気を予報するだけでなく、地球温暖化による気候の変化を監視・予測し、社会に警鐘を鳴らす重要な役割も担っています。
- 環境ジャーナリスト 世界中で起こっている環境問題を取材し、記事や番組を通して、多くの人々にその現状と対策の必要性を伝える仕事です。
これらの仕事は、地球の未来を守るために不可欠な、やりがいの大きい仕事です。
まとめ
今回は、地球温暖化という大きなテーマから、私たちのおうちでできる具体的な「省エネ実験」まで、一緒に見てきましたね。
「地球の未来」や「二酸化炭素の削減」と聞くと、自分一人の力ではどうにもできない、遠い世界の話のように感じるかもしれません。しかし、この記事を通して、その壮大な物語も、突き詰めれば「見ていないテレビは消そう」「シャワーの時間を少し短くしてみよう」といった、私たちの毎日の小さな選択につながっていることが分かったのではないでしょうか。
ここで紹介した「省エネ実験」は、ただ何かを我慢することではありません。自分たちの暮らしを客観的に見つめ、どうすればもっと賢く、もっと地球に優しくなれるのかを家族で考える、クリエイティブな挑戦です。
地球を救うヒーローは、特別な力を持った誰かだけがなれるわけではありません。蛇口をこまめに閉める君も、エコバッグを使うお父さん、お母さんも、みんなが地球の未来を守る大切な「エコヒーロー」なのです。
一人ひとりの行動は、小さな一滴かもしれません。しかし、その一滴が集まれば、必ずや地球を潤す大きな川となります。この記事が、皆さんの家庭で、その希望に満ちた第一歩を踏み出すきっかけとなることを心から願っています。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。