教育制度の特徴
ジンバブエの教育制度は、イギリス植民地時代の影響を受けた「7-4-2制」が基本です。まず7年間の小学校(Primary School)を修了すると、4年間の中等教育(O-Level)、さらに2年間の上級中等教育(A-Level)へと進みます。公立学校・私立学校の他に、教会やNGOが運営する学校も多く、特に地方ではコミュニティ主導の小規模校も見られます。
教育方法
ジンバブエの教室では、教師が黒板を使って講義する「講義型授業」が中心です。ただし近年はグループワークやディスカッション、ICT(情報通信技術)を取り入れた授業も試みられています。教科書は政府配布の統一版が使われ、英語で授業が行われることが多いですが、現地語(シンドベレ語やショナ語)で支援学習を行う学校もあります。
教育への取り組みや支援
国内外のNGOやユニセフなどの国際機関が、教室の建設、教科書支援、教師研修を実施しています。また、貧困家庭の子どもたちには制服や文房具を無償提供するプログラムもあります。政府は初等教育の無償化を進めていますが、都市部と農村部の格差解消が課題です。
子供達の1日の過ごし方
典型的な児童は朝7時頃に登校し、8時から12時まで午前授業、昼食後13時から15時まで午後授業を受けます。放課後には学習支援クラブで宿題をしたり、サッカーやネットボールなどのスポーツ活動に参加したりします。家庭では水くみや家畜の世話を手伝う子も多く、学校と家庭の両方で学びと責任を経験します。
教育と社会の関係
教育はジンバブエ社会の発展の鍵とされ、高学歴者ほど都市部の医療、行政、ビジネス職に就く傾向があります。学校行事や保護者会を通じて地域コミュニティが連携し、教育への理解と支援を深めています。一方、失業率の高さから、若者の職業訓練プログラムや職業高校も注目を集めています。
国が抱える教育の課題と未来
教師不足、校舎の老朽化、ICT環境の遅れが大きな課題です。特に農村部では教員配置が偏り、教科書も不足しがち。一方、eラーニングや太陽光発電による電力供給プロジェクトが進み、遠隔地でも質の高い授業を受けられる可能性が広がっています。今後は公私協働でインフラ整備を進め、すべての子どもが平等に学べる社会を目指しています。
教育と文化や価値観の関係
コミュニティ重視の精神
学校でのグループ学習や保護者会を通じて、「みんなで助け合う」という共同体意識が育ちます。これが村落共同体(コミューナル・ランド)の伝統的な「ウブントゥ(お互いを思いやる)」と強く結びつき、困ったときに手を貸し合う文化につながっています。
音楽とパフォーマンスの融合
放課後クラブや文化祭でのゴスペル合唱、マリムバ(親指ピアノ)演奏など、音楽を通じた表現活動が盛んです。これにより「歌って踊ることで学びを深め、共同体を祝う」というジンバブエならではの文化が教育現場から自然と息づいています。
自然との共生意識
農村部の学校では、家庭科や理科の授業で水くみや農作業体験を行います。子どもたちは幼いころから自然のサイクルを肌で感じることで、「大地を敬い、持続可能に生きる」という価値観が身につきます。
多言語・多文化理解の促進
英語授業と並行してショナ語やシンドベレ語での補助学習が行われる学校も多く、言語多様性を尊重する教育が根づいています。その結果、「異なる言葉や文化を尊重し、対話で理解し合う」という国民性が育まれています。
責任感とリーダーシップ
生徒会活動や掃除当番など、子どもたち自身で学校運営に参加する機会が多く設けられています。こうした経験が「自分が率先して役割を果たす」という責任感とリーダーシップを育み、地域社会の若い担い手としての文化を支えています。
まとめ
ジンバブエの教育は伝統的なイギリス式システムを基盤にしつつ、地域や国際支援の力を借りて変革の途上にあります。都市部と農村部、それぞれの課題を乗り越え、ICTやコミュニティの力で未来の学びを創造する取り組みが広がっています。ジンバブエの子どもたちが、学ぶ喜びとともに社会を支える力を育む様子は、私たちにも多くのヒントを与えてくれます。
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