CASE6-3 モバイルアプリ収益モデル

INDEX

収益モデル概要

アプリ広告の収益ビジネスモデル

アプリの広告収益モデルは、自社ブランドアプリ内に広告を表示することで収益を得る仕組みです。主要な収益モデルには、クリック課金型（CPC）、インプレッション課金型（CPM）、アクション課金型（CPA）があります。例えば、無料のゲームアプリでレベルをクリアするたびに全画面インタースティシャル広告を表示し、ユーザーが広告をクリックするたびに収益が発生するCPCモデルや動画広告を視聴することでアプリ内通貨を獲得するリワード広告が導入しやすい仕組みです。アプリに即した広告設計でユーザーに無料でアプリを提供しながら収益を得ることが可能となります。

King社が開発した人気モバイルゲーム「Candy Crush Saga」は、広告収益モデルを活用して大成功を収めた事例です。Candy Crush Sagaは下記の3本柱で大規模なユーザーベースを維持しつつ、広告収益を大幅に増加させました。King社は広告収益とアプリ内課金のバランスを取り、無料でプレイできるゲームとして高い収益を上げています。

インターステイシャル広告の導入

レベルクリア後やゲームオーバー時に全画面広告を表示

リワード広告の導入

広告視聴後にゲーム内アイテムや追加ライフを提供

ネイティブ広告の導入

ゲーム内の自然な位置に広告を配置し、ユーザーのゲーム体験を損なわない設計

広告別の収益単価

2024年7月の一般的な目安であり、実際の単価は広告の内容、ターゲット市場、広告プラットフォーム、および広告キャンペーンのパフォーマンスによって異なる場合があります。日本円は$1 = 140円の場合です。

CPCはクリック課金型収益単価、CPMはインプレッション課金型収益単価、CPAはアクション課金型収益単価です。CPAはユーザーへのオファー（何をアクションしてもらうか）により大きく異なります。

ディスプレイ広告

CPC $0.05 – $0.20（7 – 28円）

CPM $1.00 – $5.00（140 – 700円）

動画広告

CPC $0.05 – $0.30（7 – 42円）

CPM $10.00 – $30.00（1,400 – 4,200円）

ネイティブ広告

CPC $0.10 – $1.00（14 – 140円）

CPM $5.00 – $20.00（700 – 2,800円）

アイコン広告

CPC $0.02 – $0.10（3 – 14円）

CPM $0.50 – $2.00（70 – 280円）

インフィード広告

CPC $0.05 – $0.50（7 – 70円）

CPM $5.00 – $15.00（700 – 2,100円）

バナー広告

CPC $0.05 – $0.20（7 – 28円）

CPM $1.00 – $5.00（140 – 700円）

オファーウォール広告

CPA $0.50 – $5.00（70 – 700円）

リワード広告

CPC $0.10 – $1.00（14 – 140円）

CPM $10.00 – $50.00（1,400 – 7,000円）

AR広告

CPC $0.20 – $2.00（28 – 280円）

CPM $15.00 – $50.00（2,100 – 7,000円）

今後のトレンド

アプリ広告のビジネスモデルは、技術の進化とユーザーのニーズに応じて継続的に進化しています。広告主や開発者は常にトレンドを把握し、最適なマーケティングプランと広告戦略を構築することが求められます。

2024年時点のアプリ広告収益のビジネスモデル

ビジネスモデル種類

クリック課金型（CPC）

ユーザーが広告をクリックするたびに広告主が料金を支払うモデル

バナー広告、ネイティブ広告

インプレッション課金型（CPM）

広告が1000回表示されるたびに広告主が料金を支払うモデル

動画広告、インフィード広告

アクション課金型（CPA）

ユーザーが特定のアクション（例：購入、登録）を完了するたびに広告主が料金を支払うモデル

オファーウォール広告、リワード広告

契約期間型

広告を一定期間掲載するために広告主が固定料金を支払うモデル

ディスプレイ広告、バナー広告

予約型

特定の日程に広告を配信するために広告主が事前に料金を支払うモデル

イベントやキャンペーンに合わせた広告配信

現在のトレンド

パーソナライズ広告
- 概要：AIと機械学習を活用し、ユーザーの行動データや興味に基づいて広告を個別に最適化する。
- 利点：高いエンゲージメント率とコンバージョン率を実現。
動画広告の増加
- 概要：特に短尺動画広告が人気。ユーザーの興味を引きつけやすく、効果的なストーリーテリングが可能。
- 利点：高い視認性とエンゲージメント率。
リワード広告の普及
- 概要：ユーザーが広告を視聴することでアプリ内報酬を得る形式。ユーザーのエンゲージメントを高める。
- 利点：ユーザーの満足度が高く、長期的なアクティブユーザーの維持に寄与。
AR広告の導入
- 概要：拡張現実を活用した広告で、インタラクティブな体験を提供。
- 利点：高い没入感とエンゲージメントを実現。

今後のトレンド

プライバシー保護の強化
- 概要：ユーザーデータの取り扱いに関する規制が強化され、プライバシー保護が重要視される。
- 影響：ターゲティング広告の手法に変更が生じる可能性がある。
コネクテッドデバイスの活用
- 概要：スマートホームデバイスやウェアラブルデバイスを活用した広告配信が進む。
- 利点：より多様な接点でユーザーにリーチ可能。
音声アシスタント広告
- 概要：音声アシスタント（Alexa、Google Assistantなど）を通じた広告配信。
- 利点：音声検索の普及に伴い、音声ベースの広告が新たな収益源に。
インタラクティブ広告の進化
- 概要：ユーザーが広告内で直接操作や選択を行えるインタラクティブ広告の進化。
- 利点：ユーザーの関与を高め、広告効果を向上。
ブロックチェーン技術の導入
- 概要：広告配信の透明性とセキュリティを高めるためにブロックチェーン技術が導入される。
- 利点：広告詐欺の防止とデータの正確性向上。

このページの情報は2024年7月時点の内容です。イントロダクションは、マーケティング基礎セッションの一部として、アプリ広告の最新情報を踏まえた基本的な概念と実際の運用プロセスを理解するためのガイドであり、詳細についてはお問い合わせください。

UnsplashのIyus sugihartoが撮影した写真

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