自由研究586|自宅近くで夜間の星の見え方を数えて、街灯/光害の影響を観察しよう

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今回のテーマ

    「自宅近くで夜間の星の見え方(明るさ・見える星数)を数えて、街灯/光害の影響を観察してみよう」

    ふと夜空を見上げたとき、「あれ? 田舎のおばあちゃんの家で見たときよりも、星が少ないな」と感じたことはありませんか? この自由研究のテーマは、私たちが住んでいる場所の「夜の明るさ」と「星の見え方」の関係を調べることです。

    街灯や家の明かり、コンビニの光などが空に漏れることで、星が見えにくくなる現象を「光害(ひかりがい)」と呼びます。自宅の近くや公園など、いくつかの場所で実際に星を数え、人工的な光がどれくらい星空に影響を与えているかを調査・観察します。

    自由研究の目的

    どうして近所の街路樹の落ち葉量/種類を季節ごとに記録し、落ち葉処理時間や街の景観に与える影響を調べてみるの?

    • 環境とエネルギーへの気づき 空を明るく照らしてしまっている光は、本来照らす必要のない場所へ漏れている「無駄なエネルギー」かもしれません。光害を知ることは、エネルギーの無駄遣いや地球温暖化について考えるきっかけになります。
    • 生態系への影響を知る 夜が明るすぎると、夜行性の動物が活動しにくくなったり、植物の成長サイクルが狂ったりすることがあります。自然界のバランスを守る視点を育てます。
    • 星空を守る大切さ 美しい星空は、昔から人々の心を豊かにしてきました。このまま光害が進むと、天の川が見える場所が世界からなくなってしまうとも言われています。

    自由研究のゴール

    この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

    • レベル1 自宅のベランダや庭で、見える星の数を数え、どんな色の光(街灯など)が近くにあるか記録する。
    • レベル2 「明るい場所(コンビニの近くなど)」と「暗い場所(大きな公園の真ん中など)」の2箇所以上で星の数を数え、その違いを比較する。
    • レベル3 トイレットペーパーの芯などを使って見える範囲を統一し、場所ごとの「光害マップ」を自分で作成する。さらに、どうすれば光害を減らせるか対策を提案する。

      実際の観察事例

          事例A 場所による見え方の違い

          • 場所1 駅前の広場 街灯や看板の光が強く、空全体が白っぽく明るい。見えるのは1等星(とても明るい星)が1〜2個だけ。
          • 場所2 住宅街の小さな公園 街灯はあるが、少し離れている。2等星や3等星まで見え、星座の形がなんとなく分かる。星の数は10個くらい確認できた。

          事例B 光の種類による違い

          • LEDの白い街灯の近く 目が眩しくなりやすく、空の星がほとんど見えない。
          • オレンジ色の街灯の近く 白い光よりはまぶしさが少なく、少し離れると星が見えやすい気がする。

          このように、場所や光の色によって結果が大きく変わることを発見できるはずです。

              研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

                      1. 月明かりのない日を選ぶ  満月の夜などは月自体がとても明るく、星が見えにくくなります。新月の日や、月が出ていない時間帯を選びましょう。
                      2. 目を暗闇に慣らす(暗順応)  明るい部屋から外に出てすぐは、目が慣れていないため星が見えません。外に出てから最低でも10分〜15分はスマホやライトを見ずに、目を暗さに慣らしてから数え始めましょう。
                      3. 安全第一  夜間の調査です。必ず大人と一緒に調査を行い、車や足元に十分気をつけてください。

                      自由研究の進め方

                      準備するもの

                      • 筆記用具(ノート、ペン)
                      • トイレットペーパーの芯(観察する空の範囲を一定にするため)
                      • 懐中電灯(足元を照らす用。観察中は消すか、赤いセロファンを貼って光を弱めると目に優しいです)
                      • 方位磁針(またはスマホのコンパスアプリ)

                      手順

                      1. 観察する場所を決める 自宅の前、近くの公園、少し離れた暗い場所など、明るさが違う場所をいくつか選びます。
                      2. 空の特定の位置を決める 頭の真上(天頂)付近や、夏なら「夏の大三角」、冬なら「オリオン座」など、目印になる明るい星を探します。
                      3. トイレットペーパーの芯で覗く 片目でトイレットペーパーの芯を覗き、その丸い範囲の中に見える星の数を数えます。これを空のいくつかの方向(東・西・南・北・真上など)で行います。
                      4. 周りの環境を記録する 数えた場所の周りに何があるか(自販機、街灯、家の窓など)を詳しくメモします。
                      5. 結果をまとめる 場所ごとに星の数をグラフにしたり、地図上に星の数を書き込んだりして比較します。

                      自由研究から発見したアイデア

                      • 「理想の街灯」のデザイン 空に光が漏れないように、「傘(シェード)」がついた街灯をデザインしてみる。光害を防ぎつつ、足元はしっかり明るい街灯を絵に描いてみましょう。
                      • 「ライトダウン・キャンペーン」の提案 「もし夜の8時から10分間、街中の明かりが一斉に消えたら、どんな星空が見えるだろう?」と想像し、地域でできる節電&星空観察イベントを企画・提案してみる。
                      • 生き物への優しさ 自分の家の玄関灯や庭の明かりが、昆虫や鳥にとって眩しすぎないか点検し、必要ないときは消すルールを家族で作る。

                      この自由研究に関連する仕事

                      • 天文学者・学芸員 星や宇宙を研究したり、プラネタリウムで星空の魅力を伝えたりする仕事。
                      • 照明デザイナー・照明コンサルタント 美しいだけでなく、環境に配慮し、光害を出さない適切な照明を設計する仕事。
                      • 環境保全エンジニア エネルギーの無駄を減らし、自然環境を守るための技術や仕組みを考える仕事。
                      • 都市計画プランナー 人が住みやすく、かつ自然とも調和した「光のルール」を持った街づくりをする仕事。

                      まとめ

                      夜空を見上げて星を数えることは、宇宙の広さを感じると同時に、私たちが住む街の環境を見つめ直すことでもあります。 「明るいことは便利だけど、明るすぎると見えなくなるものがある」という発見は、これからの地球環境を考える上でとても大切な視点です。

                      さあ、トイレットペーパーの芯とノートを持って、夜の探検に出かけましょう! きっと、いつもは見過ごしていた「光」と「星」の秘密が見えてくるはずです。

                             

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                            • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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