#CASE7-2 便益

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便益(ベネフィット)とは何か?

自分たちの製品やサービスが、お客さんにどんな価値を届けているのかを考えてみましょう。たとえば、製品やサービスの「機能」が“給料”だとしたら、「便益」は“給料以外で仕事を選ぶ理由”のようなものです。「給料以外で仕事を選ぶ理由」には、いろいろなものがあります。たとえば、家から近くて通いやすいとか、逆に家から遠いので通勤中に自分の時間が作れるといった理由です。他にも、社長がかっこいいとか、地元で有名な歴史ある会社だからなど、人によって理由は違います。このように、「便益」はお客さんが製品を選ぶ本当の理由です。ブランドの強さ(ブランド・エクイティ)を支える、とても大切なポイントになります。また、「便益」は、お客さんが無意識に求めているものや、本当に必要としている価値でもあります。だからこそ、お客さんはお金を払ってその製品やサービスを買います。ただし、製品やサービスそのものは「便益」ではありません。お客さんにとっての“真の価値”が何かをしっかり考えることが大切です。

自社の製品・サービスが顧客に提供する価値を考えてみます。製品やサービスの機能の提供価値が「給与」だとしたら、便益は「給与以外の就業動機の中でもっともな理由」に当たるものです。例えば、「給与以外の就業動機の中でもっともな理由」とは、家から近い、家から遠い(から通勤で自分の時間が作れる)、会社の社長がかっこいい、歴史ある企業で地元で有名など個人によって便益は異なりますが、「便益」はブランド・エクイティの中で根源的な戦略的ブランド・エクイティになります。便益は消費者が商品を買っている本当の理由でブランド・エクイティの中で消費者がお金を払っている真の価値であり、ターゲット消費者の無意識の欲求やニーズやインサイトが欲している価値です。製品やサービスそれ自体は便益ではありません。

便益の重要性

  • 便益とは、お客さんが商品を買ったりサービスを利用したりする「本当の理由」のことです。
  • お客さんが求めている便益を間違えてしまうと、ズレたやり方をしてしまうかもしれません。でも、便益を正しく見つければ、商品やサービスの届け方や伝え方がムダになってしまうのを防げます。

便益は消費者が商品を買ったりサービスを利用する「本当の理由」です。

消費者の便益を見誤ると的外れな施策を実施する可能性が生じてしまいます。便益を正しく見極めることで、提供手段やタッチポイントが全て無価値になってしまう可能性を防ぐことができます。

スキマバイトサービス「タイミー」の便益

タイミーは、「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をつなげるアプリです。このアプリを使えば、ユーザーは自分の予定に合わせてバイトを自由に選ぶことができます。しかも、履歴書や面接なしで、すぐに仕事を始められるのが特徴です。また、仕事が終わったらすぐにお給料がもらえるのも嬉しいポイントです。​ (プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES) これまでも、働きたい人と人を求める会社をつなぐサービスはありました。でも、タイミーは働く時間や期間にとらわれない新しい仕組みを作ることで、特別な価値を提供しています。さらに、働く人にとっての自由な働き方と、企業側にとっての便利さを両方叶えることで、お互いにメリットがある仕組みを実現しています。こうした強みが、タイミーの価値を高めている理由です。タイミーは2024年7月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。おめでとうございます!

タイミーは、働きたい時間と働いてほしい時間をマッチングするアプリです。ユーザーは自分のスケジュールに合わせて自由にバイトを選び、履歴書や面接なしで簡単に仕事を始めることができます。また、仕事が終わった直後に報酬を受け取ることが可能です​ (プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES) 就業を希望する人材と人材を希望する企業の間にはこれまでも同種のサービスが存在していましたが、就業形態や期間に捉われることなく「働きたい時間と働いてほしい時間をマッチングするアプリ」としてタイミーは独自の便益を提供しています。他にも、柔軟な働き方、企業側の利便性など2wayプラットフォーマーとして就業希望者と企業側それぞれに便益を提供しているところが企業価値に繋がっている好事例といえます。(株式会社タイミーは、2024年7月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。おめでとうございます。)

なぜ、マーケティングを通じ顧客を獲得するか?

会社はいつも動いていて、ずっと同じ状態ではありません。そして、会社やオーナーが「マーケティングが必要だな」と思うタイミングや理由は、人それぞれです。たとえば、会社をつくる前やつくったばかりのとき、まだ売上が思うように出ていないとき、売上が順調に伸びているとき、目標の売上を達成したとき、そして売上が落ち込んでいるときなど、いろいろな場面でマーケティングの大切さに気づくことがあります。

マーケティングが一番力を発揮するのは、「どんな手段を使うか」を決めるときではなく、「本当の価値は何か」を見つけるときです。たとえば、売上はある程度あるけれど、成長が止まりかけているときを考えてみましょう。こういうタイミングこそ、マーケティングが役に立つ場面です。

売上が安定していると、会社は「どのように製品やサービスを届けるか?」という手段を考えがちです。そのため、顧客や自社の現状をしっかり把握せずに、お客さんの本当の気持ち(顧客インサイト)から便益や価値を見極めることができないことがあります。結果として、お客さんにとって本当の価値を届けられず、成長が思うように進まないという状況になってしまうのです。

会社は常に動き変化するもので、同じ状態ということがありません。そして、企業や企業オーナーがある特定の企業の状態から「マーケティング」の必要性を感じるタイミングや動機は様々です。会社設立前段階、会社設立時段階、目標の売上が立つ前、目標の売上を獲得している最中、目標の売上を達成しているタイミング、売上が落ち込んでいるタイミングなど、企業はそれぞれのタイミングでマーケティングの重要性を認識します。

マーケティングが最も本領を発揮するのは手段の選定ではなく価値の本質の特定です。わかりやすい企業の状態として、売上は確保できている成長が伸び悩んでいるタイミングを考えてみます。

傾向として売上が確保できている場合、「製品やサービス、価値をどのように届けるか?」という手段を優先してしまいます。そのため、顧客や自社の現在地を特定することなく顧客インサイトから便益や届ける価値を正しく見極めることができず、顧客に本質的な価値提供ができずに成長が伸び悩んでいるという状態が起こります。

 

顧客インサイト

顧客インサイトとは、生活者が自分でも気づいていない欲求や本当のニーズのことです。顧客インサイトをしっかりと把握して、自社の強み(POD)を整理することで、どんな価値を提供すべきかを決めることができます。ターゲットとなるお客さんのインサイトを理解すると、自社の強みやPODを、お客さんが「これが欲しい!」と思う便益(ベネフィット)に変えることができます。もしそのまま強みやPODを伝えても「相手にされない」ことがあっても、顧客インサイトを知ることで、伝え方や伝える内容を工夫することができ、最終的にお客さんが**「欲しくてたまらない」「買わないわけにはいかない」「試さないわけにはいかない」と思うように変わります。

顧客インサイトは、生活者の無自覚の欲求や本質的なニーズです。顧客インサイトを特定して、POD/Point of Difference(自社の強み)を整理することで届ける価値を設定することができます。ターゲット消費者のインサイトを理解することによって、ブランドの持つ強みやPODを消費者が欲しくてたまらない便益(ベネフィット)にすることができます。そのまま強みやPODを伝えたのでは「相手にされない」場合でも顧客インサイトを知ることにより伝え方と伝える内容に違いが生まれ「欲しくてたまらない、買わないわけにはいかない、いかないわけにはいかない、試さないわけにはいかない」に変わります。

ターゲット消費者から便益を定義する

生活者が選択や意思決定をするとき、なぜ人によって違うのかがポイントです。この意思決定の違いが、どんなグループ(セグメント)に分けるかのヒントになります。まず、自社の市場カテゴリから戦略ターゲットを選びます。次に、その戦略ターゲットを、3つのセグメンテーション方法を使って細かく分けていきます。もし、サイコグラフィック情報を使って、生活者が求める便益を特定できれば、それがスタートラインです。

生活者が特定の選択、意思決定の際に「なんで人によって違うのか?」ということがポイントになります。生活者の意思決定の違いがセグメントの切り口になります。戦略ターゲットを自社の市場カテゴリから選択し、優先ターゲットは戦略ターゲットからセグメンテーションの3種類を使って細分化します。サイコグラフィック情報から便益を特定することができればまずはスタートラインです。

セグメンテーションの3種類

  • デモグラフィック情報:年齢、性別、職業、家族構成などの人口動態要素
  • ジオグラフィック情報:居住地、出身地などの地理的要素
  • サイコグラフィック情報:ニーズ・行動特性・態度など(心理的要素・嗜好性・購買行動)

UnsplashAron Visualsが撮影した写真

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