世界の仕事412｜宇宙で野菜を育てる！？宇宙植民地農業プランナーの挑戦を知ろう

INDEX

宇宙で野菜を育てる！？宇宙植民地農業プランナーとは？

月や火星といった地球以外の星で、人間が暮らすために必要な「食べ物」を作る計画を立てる仕事です。植物が育ちにくい宇宙空間で、最新のテクノロジーを使い、効率よく安全に野菜や果物を育てるための農場をデザインします。未来の宇宙移住には欠かせない、人類の命を支えるスペシャリストです。

最大の魅力は、「人類のフロンティアを広げる」というワクワク感にあります。自分が設計した農場で育ったレタスやトマトを、宇宙飛行士が笑顔で食べる。そんな映画のような光景を現実にできるのがこの仕事です。また、宇宙での農業は、水や資源を一切無駄にできない究極のリサイクルシステムです。ここで生まれた技術は、地球上の砂漠や、食べ物が足りなくて困っている場所を救うヒントにもなります。宇宙という過酷な環境に挑みながら、実は私たちの地球の未来も守っている。そんなスケールの大きさが、この仕事の大きなやりがいです。

宇宙植民地農業プランナーとは？

「宇宙農場」の設計　太陽の光が届かない場所でも野菜が育つように、特別なLEDライトの色や強さを調整します。また、重力が小さい場所で水がどう流れるかを計算し、植物の根にきちんと栄養が届く仕組みを作ります。
究極のリサイクルシステムの開発　宇宙では水や空気がとても貴重です。人間の吐き出した二酸化炭素を植物が酸素に変え、植物が蒸散した水分を再び飲み水にするような、無駄のない循環システム（閉鎖生態系）を構築します。
宇宙用野菜の選定　狭いスペースでもたくさん収穫でき、栄養価が高く、かつ宇宙飛行士のストレスを癒やしてくれるような美味しい野菜を選んだり、品種改良したりします。

宇宙植民地農業プランナーの魅力！

世界初・人類初の挑戦ができる！
まだ誰も成し遂げていない「他の星での農業」を形にする先駆者になれます。
最新テクノロジーを使いこなせる！
AI（人工知能）やロボット、最先端のバイオテクノロジーを組み合わせて、まるで秘密基地のような農場を作ります。
地球の環境問題も解決できる！
宇宙で培った「少ない資源で育てる技術」は、地球の砂漠化や食料不足を解決する大きな力になります。
世界中の天才たちと仲間になれる！
NASA（アメリカ航空宇宙局）やJAXA（宇宙航空研究開発機構）など、世界中の科学者やエンジニアと一緒にプロジェクトを進めます。
高い専門性と安定した報酬！
非常に高い専門知識が必要なため、やりがいだけでなく報酬も魅力的です。宇宙業界の平均年収は約800万円〜1,000万円ほどと言われており、経験を積んだスペシャリストやプロジェクトリーダーになると1,500万円を超えるケースもあります。

宇宙植民地農業プランナーになるには？

ステップ1　身近な植物を観察してみよう！
まずは家にある観葉植物や庭の野菜が、どうやって育つのか観察することから始めましょう。「光や水がなかったらどうなるかな？」と疑問を持つことが第一歩です。
ステップ2　理科と算数を楽しもう！
植物の仕組み（生物）や、光と水の動き（物理）、計算（算数）は宇宙農業の基礎になります。「どうして宇宙では水が丸まって浮くのかな？」と調べてみたことはありますか？
ステップ3　専門的な勉強をしよう！
大学では農学、生物学、またはロボット工学などを学びます。英語ができると、世界中の最新データが読めるようになりますよ。宇宙のニュースを英語でチェックしたことはありますか？
ステップ4　宇宙機関やベンチャー企業のインターンに参加しよう！
JAXAなどのイベントや、最近増えている「宇宙農業」を研究する企業を訪ねてみましょう。実際に研究している人に会って、どんな苦労があるか聞いてみたいと思いませんか？
ステップ5　自分だけの「宇宙農場プラン」を提案しよう！
大学や研究機関で、独自のアイデアを形にして発表しましょう。あなたの考えた「火星トマト」が、未来の主食になるかもしれません！

この分野で有名なプロフェッショナル

ジョイア・マッサ博士

宇宙農業の分野で世界的に有名なのが、NASAのケネディ宇宙センターで働く植物科学者、ジョイア・マッサ博士です。彼女は国際宇宙ステーション（ISS）で野菜を育てる「Veggie（ベジー）」というプロジェクトのリーダーを務めています。マッサ博士たちは、宇宙空間という特殊な環境で、どうすれば植物が健康に育ち、微生物などの危険がない安全な食べ物になるかを長年研究してきました。2015年にISSで育てたレタスを宇宙飛行士が初めて試食した際、彼女の努力が世界中に感動を与えました。現在は、宇宙で育てた野菜が宇宙飛行士の心の健康にどう影響するかなど、さらに深い研究を続けています。

マーケィングの観点から見ると？

宇宙植民地農業プランナーは、地球という枠を超えて人類が生き延びるための「生命維持装置」を作る仕事です。将来、地球の人口が増え続けたり、気候変動で食べ物が作りにくくなったりしたとき、宇宙農業の技術は地球を救う最強の武器になります。また、この仕事は国境を超えた協力が不可欠です。アメリカ、日本、ヨーロッパ、そして民間企業が手を取り合い、一つの「農場」を作り上げるプロセスは、世界平和にも貢献します。「宇宙でレタスを育てる」という小さな一歩が、全人類がどこでも豊かに暮らせる未来へとつながっているのです。

自由研究の例

宇宙植民地農業プランナーの仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが？

宇宙農業に興味が湧いたら、家で「ミニ宇宙農業実験」をしてみましょう！

問いを立てる　土がない宇宙で野菜を育てるにはどうしたらいいかな？水だけで育つ「水耕栽培（すいこうさいばい）」に挑戦してみよう。
準備する　スーパーで買った豆苗（とうみょう）の根っこや、レタスの芯を準備します。これを水に浸けて、もう一度育てる「リボベジ（再生栽培）」に挑戦です。
実験する　置く場所を変えてみましょう。「LEDライトの下」と「自然な太陽の光」では、どちらが早く育つかな？宇宙では太陽が当たらない場所も多いけれど、ライトだけでも育つのかな？
記録する　毎日長さを測り、写真を撮りましょう。水が汚れていないか、根っこはどうなっているか観察して、「もしここが宇宙ステーションだったら？」と想像を膨らませてみてください。

まとめ

宇宙植民地農業プランナーは、科学の力で「不可能」を「可能」にする、夢に溢れた仕事です。月面で家族が食卓を囲み、新鮮なサラダを食べる。そんな未来を作るのは、今この記事を読んでいるあなたかもしれません。宇宙を見上げるだけでなく、その足元に広がる「土」や「命」に目を向けること。それが、星の海へと続く農場への第一歩です。空庭と一緒に、あなただけの宇宙農業プランを見つけてみませんか？