世界の仕事378|地球にやさしい服をデザイン!エシカルファッションの世界を探ろう

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地球にやさしい服をデザイン!エシカルファッションデザイナーとは?

エシカルファッションデザイナーは、環境や人権など「倫理的(エシカル)」な配慮をしながら服をデザインする専門家です。オーガニック素材やリサイクル素材を選び、服を作る人たちに適正な賃金を支払い、地球にも人にも優しい、持続可能な(サステナブルな)ファッションを作り出します。

この仕事の最大の魅力は、「おしゃれの力で世界をより良く変えられる」ことです。

従来のファッションは、大量生産と大量廃棄で環境に大きな負担をかけたり、服を作る人たちの労働環境に問題があったりしました。エシカルデザイナーは、そうした問題と正面から向き合います。例えば、「この服の原料となる綿花は、農薬を使わずに育てられているかな?」「作った人が笑顔になれるようなお給料をもらっているかな?」と、服の始まりから終わりまで、一つひとつ丁寧に考えます。地球の未来と、遠い国で働く人々の幸せ、そして最新のトレンドをすべて両立させる、クリエイティブで使命感あふれる仕事です。

エシカルファッションデザイナーとは?

エシカルファッションデザイナーの仕事は、単に服の形や色を決めるだけではありません。私たちが普段着ている服が、どのように作られ、どんな影響を与えているかを深く考え、解決策を実行します。

  • 環境に優しい素材を選ぶ ペットボトルを溶かして作った再生ポリエステルや、農薬を使わずに育てたオーガニックコットン、海に流れ着いたプラスチックごみから作った生地などを積極的に使います。
  • 「フェアトレード」の取り組み 開発途上国の工場と直接取引し、労働者に適正な賃金や安全な環境を提供することを約束した服づくりを行います。これにより、貧困の解決にもつながります。
  • アップサイクル・リメイク 捨てられるはずだった古着や、服を作る時に出る切れ端(残布)を、新しいデザインの服やバッグに生まれ変わらせます。これは「ごみを減らす」だけでなく、世界に一つだけのユニークな服を作る創造的な作業です。

        エシカルファッションデザイナーの魅力!

        1. 地球環境のヒーローになれる!
          服作りを通して水質汚染やごみ問題の解決に貢献できます。「環境に優しい素材を選んだことで、〇〇リットルの水を節約できた!」など、社会貢献が目に見える形で実感できます。
        2. 世界中の人々の生活をサポートできる!
          フェアトレードを通じて、開発途上国の女性や職人たちの自立を助け、彼らの伝統的な技術を世界に広めることができます。服の裏に隠された「物語」をデザインに込めることができます。
        3. 新しいトレンドを生み出す創造性!
          環境に配慮しながらおしゃれでかっこいい服を作るには、古いやり方にとらわれない新しいアイデアが必要です。例えば、動物の皮を使わないリンゴの皮の「レザー」など、誰も考えつかなかった新しい素材を開発する楽しさがあります。
        4. 平均的な年収や報酬
          エシカルファッションデザイナーは、一般的なファッションデザイナーと同じくらいの報酬を得る方が多いです。経験やブランドの成功度によって大きく変わりますが、日本では平均で約510万円くらいです。キャリアをスタートしたばかりの新人さんは年収300万円前後から、有名なブランドのリーダーや独立したデザイナーになると、年収800万円以上を目指すことも可能です。「お父さんやお母さんのように、安定したお給料をもらいながら、世の中を良くする仕事ができる」というのは大きな魅力です。
        5. 未来のファッションを変えるリーダーシップ!
          エシカルな服作りは、もう特別なことではなく、世界中で「当たり前」になりつつあります。この仕事は、古くなったファッションの常識を壊し、誰もが幸せになる新しいファッションの未来を創り出す、時代のリーダーとなれる仕事です。

        エシカルファッションデザイナーになるには?

        「ファッションの基本」を学ぶ

        まずは、服をデザインするためのデッサン力、素材の知識、縫製技術など、ファッションの基礎を専門学校や大学でしっかり学びましょう。
        「おしゃれ」と「かっこいい」の違いは何だと思いますか?

        「環境と社会の知識」を深める

        環境問題や人権問題に関する本を読み、エシカルな認証マーク(オーガニック認証、フェアトレード認証など)について調べて、社会の仕組みを理解しましょう。

        「自分の服」を作ってみる

        リサイクルショップで買った古着をリメイクしたり、家にある着なくなった服から新しい小物を作ったりして、「捨てるものを活かす」体験をしてみましょう。

        エシカルなブランドで経験を積む

        すでにエシカルな取り組みをしているブランドでインターンシップ(職場体験)やアシスタントとして働き、現場で素材の調達や生産者とのコミュニケーションを学びましょう。

        オリジナルの「エシカル哲学」を見つける

        「自分にとって最も大切なエシカルなルールは何か?」を決め、それを軸にデザインをする力を磨きます。自分のブランドを立ち上げるか、大手のブランドに専門家として就職するか、目標を定めます。

        この分野で有名なプロフェッショナル

        ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)

        ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は、世界で最も影響力のあるエシカルファッションデザイナーの一人です。彼女は伝説的なロックバンド、ビートルズのポール・マッカートニーの娘として知られていますが、そのブランドは、倫理的な信念に基づいています。自身がベジタリアンであることから、ブランド設立当初から動物の毛皮や皮革を一切使用しない「アニマルフリー」を徹底。最新の科学技術を使い、環境に負担をかけない人工レザーや再生カシミヤなどを開発し、高級でおしゃれな服作りに成功しました。店舗の電力に風力発電を取り入れるなど、ブランドの運営すべてで持続可能性を追求する姿勢は、世界中のデザイナーや企業の手本となっています。

        マーケィングの観点から見ると?

        エシカルファッションデザイナーの仕事は、まさに**「未来の地球に不可欠な仕事」**です。現在、世界では年間約1,000億着もの服が作られ、その多くがすぐに捨てられています。これは地球の資源を使い尽くし、大量のごみを生み出しています。

        しかし、エシカルファッションが世界のスタンダードになれば、この流れが変わります。服は長く大切に着られるようになり、資源はリサイクルされ、服を作る人々は人間らしい生活を送れるようになります。このデザイナーたちは、服の「デザイン」を通して、世界の環境問題、人権問題、貧困問題を同時に解決し、持続可能な社会(SDGs)の目標達成に大きく貢献します。世界中の人々が、おしゃれを我慢することなく、罪悪感なくファッションを楽しめる未来は、彼らの手にかかっているのです。

        自由研究の例

        エシカルファッションデザイナーの仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

        ステップ1 「自分の服」の調査

        タグを見て、一番多く「作られた国」を調べてみよう。その国はどんな場所か、調べてまとめよう。

        ステップ2 エシカルマークの探究

        スーパーや服のタグにある「環境に優しいマーク」や「フェアトレードマーク」を5つ見つけて、それぞれがどんな約束をしているのか調べよう。

        ステップ3 「ごみ」を減らす実験

        家にある着なくなったTシャツやデニム、靴下などをリストアップし、それらを「新しい何か」に変えるリメイクデザイン案を考えてみよう。

        ステップ4 ブランドへのインタビュー(想像)

        キミが好きなお店やブランドがどんなエシカルな取り組みをしているか調べ、「環境とデザイン、どちらを優先していますか?」など、質問リストを作ってみよう。

        ステップ5 未来のファッション宣言

        環境に優しく、世界を幸せにする「未来の服」をデザイン画と、その服の「エシカルポイント3つ」と一緒に発表しよう。

        まとめ

        エシカルファッションデザイナーは、ただ美しい服を作るだけでなく、地球と人類の未来に対する責任をデザインする、やりがいのある仕事です。彼らの服には、環境への愛情、働く人々への敬意、そして未来への希望が詰まっています。この仕事は、ファッションという身近で楽しいものを通じて、世界をポジティブに変える力を私たちに教えてくれます。次に服を買うとき、その服がどこから来たのか、誰が作ったのかを少し立ち止まって考えてみてください。その小さな意識が、未来のエシカルデザイナーを誕生させる第一歩になるかもしれません。

         

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        身近な仕事について考えてみよう!

        • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
        • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
        • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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