動物たちの世話をする!動物園飼育員と教育プログラムコーディネーターとは?
動物園の仕事は、動物たちの健康を守るため、エサやりや掃除をすることが基本です。さらに、動物の生態や魅力を来園者に伝える解説を行ったり、種の保存のために繁殖に取り組んだり、動物と地球の未来を守る、とても大切な役割を担っています。
この仕事の一番の魅力は、なんといっても大好きな動物たちと毎日一緒にいられること。言葉は通じなくても、毎日のお世話を通して少しずつ心が通い、信頼関係が生まれる瞬間は大きな喜びです。また、動物の赤ちゃんが生まれたり、ケガや病気から回復したりと、かけがえのない命の輝きに直接立ち会える感動があります。そして、自分の言葉で動物のすごさや面白さを伝えたとき、子どもたちが「わー!すごい!」と目を輝かせる姿を見るのも、大きなやりがいです。動物を守り、人々に感動と学びを届ける、誇りある仕事なのです。
動物園飼育員と教育プログラムコーディネーターの仕事とは?
動物園の仕事は、みんなが思うよりずっと奥が深く、たくさんの専門的な作業があります。一日の流れを例に見てみましょう。
動物園飼育員の仕事例
- 朝一番の健康チェック 開園前、動物たちが元気にしているか、ケガはないか、昨晩と変わった様子はないか、一頭一頭の顔を見て回ります。
- 獣舎(じゅうしゃ)の掃除 動物たちが快適に過ごせるように、寝床や展示場をきれいに掃除します。フンや食べ残しから、健康状態をチェックするのも大切な仕事です。
- エサの準備と給餌(きゅうじ) 動物の種類や年齢、体調に合わせて、栄養バランスを考えたエサを準備し、与えます。
- トレーニング 健康診断や治療がスムーズにできるよう、動物に協力してもらうための訓練(ハズバンダリートレーニング)を行います。
- 来園者へのガイド 「キーパーズトーク」などで、担当動物の生態や個体の特徴について、来園者に楽しく解説します。
教育プログラムコーディネーターの仕事例
- イベントの企画・運営 夏休みの「夜の動物園探検」や、動物とふれあえる教室、専門家を招いた講演会などを計画し、実施します。
- 教材や解説パネルの作成 学校の団体向けに動物について学べるワークシートを作ったり、園内の動物紹介パネルの文章を考えたりします。
- 情報発信 動物園のウェブサイトやSNSで、動物たちの最新情報やイベントの告知を発信します。
動物園飼育員と教育プログラムコーディネーターの魅力!
- 動物と深い絆を結べる 毎日欠かさずお世話をすることで、動物はあなたの顔や声を覚えてくれます。少しずつ心を開いてくれる、その過程は飼育員だけが味わえる特別な宝物です。
- 生命の誕生という奇跡に立ち会える 担当していた動物に赤ちゃんが生まれた時の感動は、言葉にできません。小さな命が懸命に生き、成長していく姿をすぐそばで見守ることができます。
- 絶滅から動物を守るヒーローになれる 動物園は、数が減ってしまった希少動物を守り、繁殖させる「種の保存」という重要な役割を担っています。あなたの仕事が、地球全体の生物多様性を守る活動につながるのです。
- 子どもたちに夢と学びを与えられる あなたの解説を聞いた子どもが動物博士になったり、あなたに憧れて飼育員を目指したりするかもしれません。人の心を動かし、未来のきっかけを作ることができる仕事です。
- 安定した収入と大きなやりがい 動物園飼育員の平均年収は約300万円~400万円ほどです。公立の動物園で働く場合は公務員となり、より安定した収入や待遇が期待できます。決して高い給料ではないかもしれませんが、お金には代えがたい大きなやりがいと誇りを得られます。
動物園飼育員と教育プログラムコーディネーターになるには?
- Step 1 動物への「好き」と「知りたい」を育てる
まずは、たくさんの動物に興味を持つことがスタート!図鑑を読んだり、動物のドキュメンタリー番組を見たりして、「なぜ?」「どうして?」という探求心を育てよう。君が一番好きな動物は何かな?その動物のどこが好きなんだろう? - Step 2 専門知識を学べる学校を選ぶ
高校を卒業したら、動物について専門的に学べる大学の「獣医学部」や「畜産学部」、または「動物系の専門学校」に進むのが一般的なルートです。生き物の命を預かるための科学的な知識を身につけます。 - Step 3 現場を体験する!
学生のうちに、動物園でボランティアやアルバイトを経験してみましょう。実際の仕事の大変さや、やりがいを肌で感じることができます。いきものに触れる経験は、何よりの学びになります。 - Step 4 資格について調べる
必須ではありませんが、博物館で働く専門職の「学芸員」の資格を持っていると、採用に有利になることがあります。どんな資格が役立つか、調べてみるのも良い研究になります。 - Step 5 採用試験にチャレンジ!
準備ができたら、いよいよ動物園の採用試験に挑戦です。公立の動物園なら公務員試験、私立ならその園独自の試験を受けます。動物への情熱と、これまで学んできたことを全力で伝えましょう!
この分野で有名なプロフェッショナル
スティーブ・アーウィン
「クロコダイル・ハンター」として世界的に有名なオーストラリアの動物保護活動家、スティーブ・アーウィン(1962-2006)。彼はテレビ番組を通して、ワニやヘビなどの危険動物にも愛情を持って接し、その生態や魅力を世界中の人々に伝えました。「危ない!」と叫びながらも、動物への深い敬意を忘れない彼の姿は、多くの人々に影響を与えました。彼はただのテレビタレントではなく、家族で動物園を経営し、野生動物の保護や研究に生涯を捧げた本物のプロフェッショナル。彼の情熱は、動物を守るためには、まず人々がその動物を「知り」「好きになる」ことが大切だと教えてくれます。
マーケィングの観点から見ると?
現代の動物園は、世界中の動物園と協力し、地球規模で動物たちを守る「現代のノアの箱舟」のような役割を担っています。 例えば、日本で生まれた動物の赤ちゃんが、将来お嫁さんや婿さんとして海外の動物園に引っ越すことがあります(ブリーディングローン)。これは、遺伝子の多様性を保ち、種を絶滅から守るための国際的なプロジェクトです。 気候変動や環境破壊によって、野生動物たちが住む場所はどんどん失われています。そんな中で、動物園は「種の保存センター」や「環境教育の拠点」として、その重要性をますます高めています。動物園の仕事は、国境を越えて地球の未来を守る、グローバルで素晴らしい仕事なのです。
自由研究の例
- 観察ミッション 好きな動物の1日を追いかけよう!
動物園に行って、一つの動物を時間を決めて観察してみよう。どんな動きをする?何を食べている?お昼寝はどのくらいする?観察記録をつけると、新しい発見があるはず。飼育員さんは、どんなタイミングで様子を見に来るかな? - インタビューミッション 飼育員さんに質問してみよう!
園内のイベントなどで飼育員さんに話を聞くチャンスがあったら、「一番大変なことは何ですか?」「一番嬉しい瞬間はどんな時ですか?」と質問してみよう。プロの生の声は、最高の情報源だ! - 比較ミッション】日本の動物園と海外の動物園を比べてみよう!
インターネットや本を使って、海外の有名な動物園を調べてみよう。どんな動物がいて、どんな見せ方をしている?日本の動物園との違いや共通点を探してみよう。 - 提案ミッション 動物のためのアクションを考えよう!
絶滅の危機にある動物について調べ、その動物を守るために動物園がどんな努力をしているかをまとめよう。そして、私たちにもできることはないか、ポスターや新聞にまとめて提案してみよう!
まとめ
動物園飼育員や教育プログラムコーディネーターの仕事は、ただ動物の世話をするだけではありません。一頭一頭の命に真剣に向き合い、その輝きを多くの人々に伝え、そして地球全体の未来へとつないでいく、かけがえのない仕事です。 動物が好き、その純粋な気持ちが、世界を舞台に活躍する大きな夢の始まりかもしれません。この自由研究が、君の未来の扉を開くきっかけになることを願っています。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。