世界の仕事331|私たちの暮らしの土台をつくる!国を動かす政治家と公務員の役割を探る

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国を動かす仕事!政治家と公務員とは?

政治家は、選挙で国民から選ばれ、国や地域の進むべき大きな方向性を決める人です。一方、公務員は、政治家が決めた方針に基づき、専門的な知識と技術で、それを実現する人たち。船に例えるなら、目的地を決めるのが「船長(政治家)」、実際に船を動かすのが「航海士や機関士(公務員)」です。この二つの仕事が協力し合うことで、社会は動いています。

この仕事の最大の魅力は、社会全体に影響を与える、非常にスケールの大きな仕事ができることです。自分が関わった政策や制度によって、多くの人々の生活を豊かにしたり、安全を守ったりすることができます。道路や学校、公園といった身近なものから、国の法律や外交まで、社会のあらゆる場面で「未来をつくっている」という実感を得られるのが、何よりのやりがいです。困難な課題にチームで立ち向かい、より良い社会を目指す、大きな責任と誇りを持てる仕事です。

政治家と公務員の仕事とは?

      政治家と公務員は、どのように協力して仕事を進めるのでしょうか。具体的な例を見てみましょう。

      テーマ     「子供たちがもっと安全に公園で遊べるようにしたい!」

      政治家の役割(決断する人)

      地域住民から「公園の遊具が古くて危ない」「夜道が暗くて心配」という声を聞きます。そこで、議会(国会や市議会)で「公園の安全対策のためにもっと予算を使い、新しい遊具の設置や防犯カメラの導入を進めるべきだ」と提案し、議論します。そして、そのための法律や予算を決定するのが仕事です。

      公務員の役割(実行する人)

      政治家が決定した方針と予算に基づき、専門家として行動します。

      • 土木の専門家(公務員) どの公園のどの遊具が一番危険か調査し、安全な新しい遊具の設計図を作成する。
      • 市民生活の専門家(公務員) 警察と協力して、防犯カメラをどこに設置すれば最も効果的か計画を立てる。
      • 予算の専門家(公務員) 決められた予算内で全ての工事が終わるように、業者との契約や支払いなどを管理する。

      このように、政治家の「決断」と公務員の「実行」が両輪となって、私たちの安全な暮らしが実現されるのです。

      政治家と公務員の魅力!

      1. 社会全体に貢献できる、大きなやりがい 自分の働きが、多くの人々の生活に直接つながります。新しい制度をつくったり、問題を解決したりすることで、社会が良くなっていくのを実感できるのが最大の魅力です。
      2. 多様な分野のプロフェッショナルになれる 特に公務員は、福祉、教育、外交、経済、街づくりなど、非常に幅広い分野の仕事があります。様々な部署を経験しながら、社会を支える専門知識を身につけることができます。
      3. 国や地域の「顔」として活躍できる 政治家は、国民や住民の代表として、その地域の「顔」となります。人々の声を政治に届け、リーダーシップを発揮することに大きな誇りを感じられます。
      4. 安定した立場で、長期的な視点で働ける 公務員は、景気などに左右されにくい安定した職業です。腰を据えて、10年、20年先を見据えた長期的なプロジェクトに取り組むことができます。
      5. 社会的な責任と、それに見合う報酬 国や国民の生活を背負う非常に責任の重い仕事であり、その責任に見合う報酬が支払われます。例えば、日本の国会議員の平均所得は約2,500万円国家公務員の平均年収は約650万円ほどです。安定した生活基盤の上で、公共のために尽くすことができます。

      政治家と公務員になるには?

      STEP1 社会の「なぜ?」を探求しよう

      新聞やニュースをチェックして、今、社会で何が問題になっているかを知りましょう。「なぜこの問題は起きるんだろう?」「自分ならどう解決する?」と、自分なりの意見を持つことが第一歩です。

      STEP2 人の意見を聞き、自分の考えを伝えよう

      学級会や生徒会、ディベート部などで、積極的に議論に参加してみましょう。自分と違う意見を尊重しつつ、自分の考えを分かりやすく伝える力は、どちらの仕事にも不可欠です。あなたはどうやって友達と意見交換をしますか?

      STEP3 基礎となる学力をしっかり身につけよう

      公務員になるには、専門知識を問う公務員試験に合格する必要があります。政治家にとっても、法律や経済の知識は強力な武器になります。今の学校での勉強を大切にしましょう。

      STEP4 社会とつながる体験をしよう

      地域のボランティア活動に参加したり、役所や議員事務所のインターンシップ(職場体験)を調べたりしてみましょう。社会が実際にどう動いているのか、肌で感じることが重要です。

      STEP5 「公のために」という強い意志を持とう

      この仕事は、時に批判されたり、困難な壁にぶつかったりすることもあります。それでも「社会を良くしたい」という強い情熱と使命感を持ち続けることができますか?

      この分野で有名なプロフェッショナル

      ネルソン・マンデラ

      南アフリカ共和国の元大統領、ネルソン・マンデラ氏は、まさに国を動かした政治家です。彼は「アパルトヘイト」という、白人以外の人々を徹底的に差別する制度をなくすために戦い、27年間も投獄されました。しかし、釈放後に大統領となると、彼は自分を苦しめた人々を罰するのではなく、「虹の国」というスローガンのもと、全ての人種が手を取り合って新しい国を創る「和解」の道を選びました。この偉大な決断を実現するため、彼のビジョンに共感した多くの公務員たちが、差別的な法律を撤廃し、全ての人に平等な行政サービスを届ける仕組みを必死に作り直しました。マンデラ氏の強いリーダーシップと、それを支えた公務員の働きが、南アフリカを奇跡的な変革へと導いたのです。

      マーケィングの観点から見ると?

      一つの国の政治や行政が安定し、公正であることは、その国だけでなく、世界全体の平和と発展に直接つながります。

      例えば、環境問題や感染症、貧困といった地球規模の課題は、もはや一国だけでは解決できません。各国の政治家たちが国際会議で協力し、公正なルールを作り、そして各国の優秀な公務員たちがそれを着実に実行することで、初めて世界は前に進むことができます。

      公正で優れた政治家や公務員がいる国は、世界中から信頼されるパートナーとなります。そのような国が増えることで、国と国との無用な争いが減り、地球という一つの船に乗る仲間として、人類共通の課題に立ち向かっていけるようになるのです。

      自由研究の例

      政治家と公務員の仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

      1. 身近なリーダーを調べてみよう! 「自分の住む町の市長さんや、地元の国会議員の名前を知っていますか?」その人たちがどんな仕事をしているか、町の広報誌やウェブサイトで調べてみよう。
      2. 一つの「政策」を追いかけてみよう! 「給食費の無償化」「新しい公園の建設」など、気になる政策を一つ選ぼう。「なぜそれが必要なの?」「誰がどうやって決めたの?」ニュースや新聞記事で追いかけてみよう。
      3. 模擬「議会」を開いてみよう! 「学校のルールを一つ変えるとしたら?」というテーマで、友達と役割(賛成派、反対派、議長など)を決めて議論してみよう。みんなの意見をまとめるのは、どれくらい大変かな?
      4. 市役所・区役所を探検しよう! 私たちの暮らしを支える「公務員」はどんな部署で働いているかな?市役所のフロアマップを見て、「この課は何をしているんだろう?」と想像してみよう。
      5. 未来の市長として「公約」を考えよう! 「もし君が市長になったら、この町をどんな町にしたい?」3つの公約(約束)を考えて、その理由と一緒に発表してみよう。

      まとめ

      政治家と公務員は、私たちの暮らしと社会の土台を築き、未来への道筋を示す、無くてはならない仕事です。時には意見がぶつかり、難しい決断を迫られることもありますが、その先には「より良い社会をつくる」という大きな目標があります。

      「みんなの役に立ちたい」「世の中の矛盾を解決したい」という熱い想いを持つこと。それが、この壮大なチームプロジェクトに参加するための最初の切符です。あなたのその想いが、いつか日本や世界を動かす力になるかもしれません。

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      身近な仕事について考えてみよう!

      • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
      • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
      • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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