世界の仕事328|世界中の人々の笑顔と喜びに!食の未来を考える食品科学者と栄養士の挑戦

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食の未来を考える!食品科学者と栄養士とは?

 食品科学者は、食品の「おいしさ」「安全性」「新しい機能」などを科学的に研究し、未来の食を創造する開発者です。一方、栄養士は「栄養」の専門家として、人々の健康状態に合わせた食事を考え、日々の元気と健康を支えるプランナーです。

この仕事の最大の魅力は、自分の知識や技術が、世界中の人々の「おいしい!」という笑顔と「元気になった!」という喜びに直接つながることです。科学的な探究心を満たしながら、アレルギーを持つ人や高齢者向けの食品開発、アスリートの能力を最大限に引き出す食事の提案など、一人ひとりに寄り添った課題解決ができます。さらに、食料危機や環境問題といった地球規模の大きな課題に、「食」という最も身近なテーマで挑戦できる、やりがいと夢のある仕事です。

食品科学者と栄養士の仕事とは?

      食品科学者と栄養士は、様々な場所でその専門知識を活かしています。どんな風に活躍しているのか、具体的な例を見てみましょう。

      食品科学者 みんなが知ってる「あのお菓子」の開発者!

      コンビニやスーパーに並ぶポテトチップスやアイスクリーム。その「パリッ」とした食感や、「なめらか」な口どけは、食品科学者が何度も実験を重ねて生み出したものです。新しい味のフレーバーを開発したり、食品が長持ちするように包装の工夫を考えたりするのも大切な仕事。最近では、大豆など植物性の原料から、本物のお肉のような味と食感を持つ「代替肉」を開発し、環境問題の解決にも貢献しています。

      栄養士の場合 ヒーローを支える「食のコーチ」!

      プロのサッカー選手や野球選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、試合前、試合中、試合後の食事メニューを考え、提供するのがスポーツ栄養士の仕事です。また、学校給食では、成長期の子どもたちに必要な栄養を計算し、アレルギーにも配慮しながら、みんなが楽しく食べられるおいしい献立を考えます。病院では、患者さん一人ひとりの病状に合わせて、治療を助けるための特別な食事(病院食)を考える「食のお医者さん」のような役割も担っています。

      食品科学者と栄養士の魅力!

      1. 「ありがとう」が直接聞こえる! 自分が開発した食品を食べた人からの「おいしい!」という声や、栄養指導をした相手からの「元気になりました!」という感謝の言葉が、何よりのやりがいになります。人々の喜びを直接感じられる仕事です。
      2. 科学の力で謎を解く探偵になれる! 「なぜパンはふっくら膨らむの?」「どうすれば野菜のシャキシャキ感を保てる?」といった食品のフシギを、科学の力で解き明かすことができます。理科の実験が好きな君なら、きっと夢中になれるはずです。
      3. 地球の未来を救うヒーローになれる! 世界的な食料不足や環境問題は、未来の大きな課題です。昆虫食や培養肉といった新しい食べ物を開発したり、捨てられるはずだった食材を新しい商品に変えたりすることで、地球の未来を守るヒーローとして活躍できます。
      4. 活躍のステージは無限大! 食品メーカーはもちろん、病院、学校、スポーツチーム、レストラン、国の研究機関など、活躍できる場所は多岐にわたります。経験を積んで、世界を舞台に活躍したり、自分で会社を立ち上げたりすることも夢ではありません。
      5. 安定した収入で、夢を追い続けられる! 専門的な知識や資格が求められるため、安定した収入を得やすいのも魅力の一つです。例えば、国家資格である管理栄養士の平均年収は約380万円食品メーカーの技術者になると平均年収は550万円以上になることも。大手企業や専門性を高めることで、さらに高い報酬を目指すことができ、自分の好きな研究や開発に安心して打ち込めます。 (※年収は経験や働く場所によって変わります)

      食品科学者と栄養士になるには?

      Step 1 自分の「好き」と「なぜ?」を探求しよう!

      まずは、食べること、料理すること、理科の実験など、自分の「好き」を大切にしよう。そして「このお菓子はなぜサクサクなの?」「スポーツ選手は何を食べているの?」といった身の回りの「なぜ?」をたくさん見つけて、ノートに書き出してみよう。それが夢の始まりです。

      Step 2 学校の授業を宝探しに変えよう!

      理科(特に生物や化学)や家庭科は、この仕事に直結する宝の山です。栄養計算で使う算数や、研究結果を分かりやすく伝える国語も大切。学校の勉強が、将来の夢とどう繋がっているかを発見してみませんか?

      Step 3 大学で専門知識の海へダイブ!

      高校を卒業したら、大学で専門知識を学びます。食品科学者なら農学部や理工学部の食品科学科、栄養士なら栄養学部や家政学部などが主な進路です。どんな大学で、どんな研究ができるか調べてみよう。

      Step 4 夢へのパスポート「資格」を手に入れよう!

      特に栄養士として専門的な仕事をするには、管理栄養士という国家資格が強力なパスポートになります。他にも、食品衛生管理者など、食の安全を守るための大切な資格があります。自分に必要な資格は何か、調べてみましょう。

      Step 5 本物の現場をのぞいてみよう!

      インターンシップ(職業体験)などで、食品工場や病院の厨房を体験してみるのも素晴らしい経験です。実際に働く人の話を聞くことで、自分の将来像がよりハッキリと見えてくるはず。君は未来の職場で、どんな自分を想像しますか?

      この分野で有名なプロフェッショナル

      パトリック・O・ブラウン(Patrick O. Brown)博士

      スタンフォード大学の優秀な生化学者だったブラウン博士は、ある大きな問題に気づきます。それは、牛などの家畜を育てる畜産業が、地球環境に深刻なダメージを与えているという事実でした。彼は「このままでは地球が危ない!」と考え、安定した教授の職を辞して、2011年に「インポッシブル・フーズ」という会社を設立。科学の力で「植物から、本物の肉と見分けがつかないほど美味しく、栄養のある代替肉を作る」という、不可能(インポッシブル)とも思える挑戦を始めました。彼の情熱と研究は、食の未来を大きく変え、地球を救う新しい選択肢を私たちに示してくれています。

      マーケィングの観点から見ると?

      食品科学者と栄養士の仕事は、これからますます重要になります。その理由は、私たちの地球が抱える大きな課題と深く関わっているからです。

      2050年、世界の人口は約100億人に達すると言われています。すべての人々が健康に生きていくためには、今のままの食料生産では足りません。環境への負担が少なく、効率的に栄養を摂れる新しい食品(例えば、植物工場で作られる野菜や、細胞から作る培養肉)の開発は、世界中の人々のお腹と健康を満たすために不可欠です。

      また、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、食品ロスを減らす技術や、個人の健康状態に合わせた「パーソナライズド栄養」のニーズは、国境を越えて高まっています。この仕事は、世界中の人々の命と健康、そして美しい地球環境を守る、未来に希望を生み出す仕事なのです。

      自由研究の例

      食品科学者と栄養士の仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

      1. 研究テーマを決める「君の『なぜ?』は何?」 「コンビニのサンドイッチはなぜ長持ちするの?」「色が変わる不思議な焼きそばの秘密は?」「世界を救う未来の給食メニューを考えたい!」など、自分が一番ワクワクするテーマを選ぼう。君の好奇心が最高の研究の種です。
      2. 調査する「スーパーは宝の島だ!」 おうちの人とスーパーを探検してみよう。大豆ミートや機能性ヨーグルトなど、未来の食に繋がる商品はあるかな?食品の裏側にある「原材料表示」をじっくり見て、知らない材料があったら、それが何のために使われているか調べてみよう。
      3. 実験・観察する「キッチンは君の実験室!」
        • 比較実験 パンに生えるカビの観察。食パンに「何もしない」「霧吹きで湿らせる」「酢を塗る」などの条件を変えて、どれが一番長持ちするか比べてみよう。(※カビは体に悪いので、直接触らないように注意!)
        • 調理科学 10円玉をケチャップやレモン汁で磨いてみよう。なぜピカピカになる?食品に含まれる「酸」の力を確かめよう。
      4. まとめ・考察する「君だけの発見を伝えよう!」 調査や実験で分かったことを、写真やグラフを使ってノートや模造紙にまとめよう。一番大切なのは「この研究を通して、食の未来について何を考えたか」という君自身の意見です。「だから、私は食品ロスを減らすために〇〇を提案します!」のように、未来への提案までできたら完璧だ!

      まとめ

      食品科学者と栄養士は、単に食べ物や栄養に詳しいだけの人ではありません。科学的な知識と人への思いやりを両手に持ち、世界中の人々の「おいしい笑顔」と「健やかな毎日」、そして「地球の未来」を創造する、現代のヒーローです。

      私たちが毎日口にする一食一食は、こうした専門家たちの努力と挑戦によって支えられています。そして、この記事を読んでくれた君が、食について考え、探求を始めること。それこそが、より良い食の未来を創るための、パワフルな一歩となるのです。さあ、次は何を食べる?その一食から、未来を考えてみませんか。

      関連書籍

       

      身近な仕事について考えてみよう!

      • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
      • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
      • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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