今回のテーマ
「複数種類のスポンジで水の吸収量と保持時間を実験してみよう」
私たちの生活に欠かせない「スポンジ」。キッチン、お風呂、洗面所、さらにはお化粧用まで、家の中にはいろいろな種類のスポンジがあります。
一見どれも同じように水を吸い込むように見えますが、実は素材や「気泡(穴)」の大きさによって、水を吸い込む量や、その水を離さない力(保持力)には大きな違いがあります。この研究では、身近なスポンジを集めてその性能を数値化し、「最強のスポンジ」の秘密を解き明かします。
自由研究の目的
なぜスポンジの研究が面白いのでしょうか?それは、スポンジの仕組みを知ることが「毛細管現象(もうさいかんげんしょう)」という物理の基本を学ぶことにつながるからです。
液体が細い隙間を勝手に登っていくこの不思議な現象は、植物が根から水を吸い上げたり、ペンがインクを出し続けたりするのと同じ仕組みです。スポンジの穴の大きさと水の吸い方の関係を知ることで、身の回りのモノが「どうしてその形をしているのか」というプロダクトデザイン(製品設計)の視点を養うことができます。
自由研究のゴール
- 初級レベル 複数のスポンジで、吸い込める水の重さを比較する。
- 中級レベル 時間が経ったときに、どれだけ水が蒸発せずに残っているか(保持時間)を測定する。
- 上級レベル スポンジを顕微鏡やルーペで観察し、「穴の密度」と「吸水性能」の関係をグラフにして考察する。
具体的な事例
例えば、以下のようなスポンジを比較対象に選んでみましょう。
- ポリウレタンスポンジ 一般的なキッチンスポンジ。
- セルローススポンジ 植物繊維から作られた、乾くとカチカチになるスポンジ。
- メラミンスポンジ 激落ちくんなどで知られる、密度の高いスポンジ。
- 天然海綿(かいめん) 海の生物から作られた、高級なスポンジ。
これらを同じ大きさ(例えば 3cm×3cm×3cmの立方体)に切り揃えて実験することで、素材そのものの性能差をはっきりと見極めることができます。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- サイズの統一 見た目の大きさが違うと、吸い込む量が変わってしまいます。カッターや定規を使って正確に切りましょう。
- 計測のタイミング 水に浸す時間(例:30秒)や、水から上げた後の待ち時間(例:10秒)をストップウォッチで正確に測ります。
- 乾いた状態の重さ 濡らす前のスポンジ自体の重さを引くことを忘れないようにしましょう。
自由研究の進め方
- 準備 種類の違うスポンジ、キッチンスケール(0.1g単位が理想)、ボウル、水、定規、カッターを用意します。
- 仮説 「このスポンジが一番水を吸いそう!」という予想を立ててメモします。
- 乾燥重量の測定 各スポンジの乾いた状態の重さ Wを量ります。
- 吸水 スポンジを水に沈め、空気をしっかり抜いてから一定時間(30秒など)浸します。
- 湿潤重量の測定 水から引き上げ、ポタポタ垂れる水が止まった瞬間の重さ W2を量ります。
- 計算 吸った水の量を計算します。
吸水量(g) = W2 – W1 - 保持時間の観察 濡れたスポンジを日陰に置き、1時間ごとに重さを量って、どれくらい水が減っていくかを記録します。
自由研究から発見したアイデア
- 「最強の結露取りスポンジ」を作ろう 吸水量が最大で、かつ保持時間が長い(水が垂れにくい)素材を組み合わせて、窓の結露を一度に拭き取れる道具を考案する。
- 「砂漠の植木鉢」への応用 保水力が高いスポンジを細かく切って土に混ぜることで、水やりの回数を減らせる「魔法の土」を提案する。
この自由研究に関連する仕事
- 化学メーカーの研究員 新しい吸水素材(高分子吸収体など)を開発する仕事。
- 製品デザイナー 持ちやすくて使いやすい、掃除用具や化粧品を設計する仕事。
- 化粧品開発 ファンデーションを肌に均一に塗るための、最適なスポンジパフを作る仕事。
- 災害対策エンジニア 洪水を防ぐための、大量に水を吸い込む「土のう」に代わる素材を研究する仕事。
まとめ
スポンジの実験は、特別な装置がなくても家の中で手軽にできる、立派な「材料科学」の研究です。
「ただの掃除道具」と思っていたスポンジも、数値で比較してみると驚くような個性が隠れています。なぜそのスポンジは水をたくさん吸うのか? なぜあのスポンジはすぐに乾いてしまうのか? 自分の手と目で確かめたデータは、教科書を読むよりもずっと深く、あなたの知識として定着するはずです。
ぜひ、身近な不思議を数字で解き明かす楽しさを体験してみてください!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





