今回のテーマ
「傾き角度を変えた太陽光パネルの発電量を比較して最適角を求めてみよう」
私たちの生活に身近になった太陽光発電。家の屋根や野原で見かけるソーラーパネルは、どれも少し斜めに設置されています。しかし、その「角度」がどれほど発電量に影響を与えるか考えたことはありますか?
この研究では、太陽光パネルの傾きを段階的に変え、どの角度が最も効率よく電気を作れるのかを実験で明らかにします。太陽の動きとエネルギーの関係を肌で感じることができる、科学的で実践的なテーマです。
自由研究の目的
今、世界中で「再生可能エネルギー」への注目が高まっています。地球温暖化を防ぐために、限られた資源をいかに効率よく使うかが鍵となっています。
この実験を通じて、「光の当たり方(入射角)」という物理の基本を学ぶだけでなく、場所や季節によって最適な条件が異なるという「環境への適応」の重要性を理解できます。これは、将来のエンジニアや環境科学者に必要な「最適解を探す思考力」を養うことにつながります。
自由研究のゴール
- 初級 角度による発電量の違いを数値で確認する。
- 中級 太陽の高度(高さ)と発電量の相関関係をグラフ化して説明する。
- 上級(レベルアップ) 自分の住んでいる地域の緯度から導き出される「理論上の最適角」と、実験結果を比較・考察する。
具体的な事例
ある中学1年生の事例では、自宅の庭で5月の晴天時に実験を行いました。
パネルの角度を 0°(水平)、15°、30°、45°、60°の5パターンで用意。デジタルマルチメーターを使って、1時間ごとに電流と電圧を測定しました。
その結果、30°の時に最も高い数値が出ましたが、夕方になると 60°の方が発電量が多くなるという「時間帯による逆転現象」を発見しました。ここから、「1日を通した合計発電量を最大にするには?」という、より深い考察へと発展させることができました。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 変える条件 パネルの傾き角度。
- 変えない条件 測定する場所、パネルの種類、測定する時刻(天候が急変した場合はデータから除外する)。
- 測定の工夫 太陽光は刻一刻と変化します。全ての角度を短時間(例えば5分以内)で計測し終えるか、あるいはそれぞれの角度に同じ仕様のパネルを複数用意して、同時に計測するのが理想的です。
自由研究の進め方
- 準備 小型ソーラーパネル、電流・電圧計(テスター)、角度計、パネルを固定するスタンド(ダンボール等で自作可能)を用意します。
- 仮説を立てる 自分の地域の緯度を調べ、どの角度が一番効率が良いか予想してみましょう。
- 実験開始 雲の少ない晴れた日を選びます。朝・昼・夕の3回、各角度での発電量(電圧・電流)を記録します。
- データ整理 横軸に角度、縦軸に発電量をとったグラフを作成します。
- 考察 なぜその角度が一番良かったのか、太陽の高さ(南中高度)と照らし合わせて考えをまとめます。
自由研究から発見したアイデア
- 自動追尾システム 太陽の動きに合わせて、自動でパネルが動く仕組みを作ったらどれくらい発電量が増えるでしょうか?
- 反射光の活用 パネルの周りに白い板や鏡を置いて、地面からの反射光を利用するとどう変化するか?
- 冷却の効果 夏場、パネルが熱くなると発電効率が下がると言われています。裏側に水をかけると数値はどう変わるか?
これらのアイデアは、実際のメガソーラー基地でも研究されている最先端のテーマです。
この自由研究に関連する仕事
- 再生可能エネルギーエンジニア 効率的な発電所を設計・運用するスペシャリスト。
- 建築家(ZEH設計士) エネルギー自給自足ができる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を設計する仕事。
- 環境コンサルタント 企業や自治体に、地球に優しいエネルギー活用をアドバイスする専門家。
- 気象予報士 日射量を予測し、電力の安定供給を支える役割。
まとめ
太陽光パネルの角度を少し変えるだけで、生み出されるエネルギーには大きな差が出ます。この実験は、私たちの頭上に降り注ぐ太陽エネルギーの強さを数値として実感できる素晴らしい体験です。
「最適な角度」を見つけ出すプロセスは、まさに科学そのもの。ぜひ、自分だけの「最強の角度」を導き出してみてください。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





