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今回のテーマ
「町内の街路灯の色温度(暖色/白色)×夜間歩行者の安心感をアンケート+実測してみよう」
私たちが夜道を歩くとき、頼りになるのが「街路灯」です。普段何気なく通り過ぎていますが、よく観察してみると、オレンジっぽい色(暖色)の光と、真っ白で青白い色(白色)の光があることに気づきませんか?
この自由研究のテーマは、光の「色」が、歩く人の「安心感」にどう影響するかを調べることです。明るさだけでなく、「色」が私たちの心理に与える不思議なパワーを、実際のフィールドワークとアンケートを通して解明します。
自由研究の目的
「暗い道は怖い」というのは誰もが感じる感覚ですが、「どんな光なら怖くないのか?」を深く考える機会はあまりありません。この研究を通じて学ぶ意義は以下の3点です。
- 防犯と心理の関係を知る 単に明るければいいわけではなく、人が「安心だ」と感じる要素を探ることで、防犯への意識が高まります。
- 街づくりへの視点を持つ 自分の住む町が、どのような意図で照明を設置しているのかを知り、都市計画や環境デザインへの興味を育てます。
- 客観と主観の比較 「光の色(客観的な事実)」と「安心感(主観的な気持ち)」という、性質の違うデータを結びつける科学的な分析力を養います。
自由研究のゴール
- レベル1 町内の街路灯を観察し、「暖色」と「白色」の場所を地図に書き込む。
- レベル2 家族や友人と夜道を歩き、それぞれの色で「安心度」を5段階でアンケート調査する。
- レベル3 照度計(スマホアプリでも可)を使って明るさも計測し、「明るさ」と「色」のどちらがより安心感に影響しているかを分析する。
- レベル4 調査結果をもとに、「この場所には、この色のライトを設置すべきだ」という改善案を町内会や自治体に提案する資料を作る。
光の色のそれぞれの特徴事例
- 事例A 高速道路やトンネル(オレンジ色) オレンジ色の光(ナトリウム灯など)は、霧や雨の中でも光が通りやすく、遠くまで見通しやすいという特徴があります。また、リラックス効果があるとも言われています。
- 事例B 商店街やコンビニ前(白色・昼白色) 白い光(蛍光灯やLED)は、物をはっきりと見せる効果があります。色が正確に見えるため、犯人の服の色や顔つきが識別しやすく、犯罪抑止効果が高いとされる場所に使われることが多いです。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
この研究で押さえておくべき重要なキーワードは「色温度(いろおんど)」です。
- 色温度が低い(約3000ケルビン) オレンジ色、夕焼けのような光。温かみがあり、落ち着く雰囲気。
- 色温度が高い(約5000ケルビン以上) 白色、青白い光。活動的で、すっきりとした雰囲気。
この「温かい雰囲気」と「はっきり見える機能性」のどちらが、夜道を歩く人の「安心」につながるのか?ここが最大の調査ポイントです。
自由研究の進め方
注意:夜間の調査になるため、必ず保護者の方と一緒に、明るい服や反射材を身につけて行いましょう。
- ステップ1 場所の選定
自宅の周りで、オレンジ色の街路灯がある道と、白色の街路灯がある道をそれぞれ3箇所ずつ見つけます。なるべく道幅や人通りが同じような場所を選ぶと比較しやすくなります。 - ステップ2 実測と撮影
それぞれの場所で写真を撮ります(カメラの設定を固定すると色の違いがわかりやすいです)。可能であれば照度計アプリで明るさ(ルクス)もメモしておきます。 - ステップ3 アンケート調査
同行してくれる人(家族など)に、その道を歩いてもらい、「安心感」を1(怖い)〜5(とても安心)で点数をつけてもらいます。「なぜそう感じたか?」というコメントも必ず記録しましょう。 - ステップ4 まとめ
集めたデータをグラフにします。横軸を「光の色」、縦軸を「安心感の点数」にして比較してみましょう。
自由研究から発見したアイデア
- アイデア例1 時間帯で色が変わる街路灯
夕方の帰宅ラッシュ時は「白色」で視認性を高め、深夜は「暖色」で住民の睡眠を妨げないようにリラックスさせる。 - アイデア例2 人感センサー連動型
普段は省エネのために薄暗い暖色だけど、人が通るとパッと明るい白色に変わって「見守ってくれている」演出をする。 - アイデア例3 エリア別カラーリング
「通学路は白色」「公園周りは暖色」のように、色を見るだけでそこがどんな場所かわかるようなルール作り。
この自由研究に関連する仕事
- 照明デザイナー(ライティングデザイナー) 建物や街の光を演出し、美しさと機能性をデザインする仕事。
- 都市計画プランナー 安心して暮らせる街のレイアウトや設備を考える仕事。
- 防犯設備士 犯罪を防ぐための環境作りや設備のアドバイスをする専門家。
- 電気エンジニア LEDなどの新しい光源や、省エネ技術を開発する仕事。
まとめ
街路灯はただ道を照らすだけでなく、私たちの心も照らしています。「暖色のほうが落ち着いて安心する」という人もいれば、「白色のほうが周りがよく見えて安心する」という人もいるでしょう。
自分の住む町がどのような光で彩られているかを知ることは、安全で住みやすい街づくりへの第一歩です。ぜひ、今夜から近所の「光の色」に注目してみてください。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





