今回のテーマ
「家庭のLED電球・蛍光灯・白熱灯の切り替えによる部屋の明るさ・消費電力・熱さを比較してみよう」
私たちの生活に欠かせない「あかり」。家の中を見渡すと、実はさまざまな種類の電球が使われています。昔ながらの「白熱灯」、学校やオフィスでよく見る「蛍光灯」、そして最近主流になりつつある「LED」。これらは見た目だけでなく、仕組みも性能もまったく違います。
今回の自由研究では、これら3種類の電球を「明るさ」「消費電力(電気代)」「熱さ」という3つの視点で徹底比較します。電球を交換するだけで、家の中の快適さや環境への影響がどう変わるのかを探る、身近で科学的な実験です。
自由研究の目的
この研究を通して学ぶことは、単なる「電球の違い」だけではありません。「エネルギーの変換」と「SDGs(持続可能な開発目標)」について深く学ぶことができます。
電気エネルギーは、光になったり、熱になったりします。効率よく「光」だけを取り出せる電球はどれなのかを知ることは、エネルギーの無駄遣いを減らすことにつながります。これはSDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や、目標13「気候変動に具体的な対策を」に直結する、地球規模の課題を解決するための第一歩なのです。
自由研究のゴール
- レベル1 3つの電球をつけてみて、見た目の明るさや、近づいた時の温かさの違いを「感覚」で言葉にする。
- レベル2 温度計やスマートフォンの照度計アプリを使って、数値でデータを記録し、グラフにする。
- レベル3 消費電力(W数)の違いから「1年間の電気代」を計算し、電球本体の価格と合わせて、どちらが経済的かを長期的な視点でシミュレーションする。
具体的な事例
- 白熱灯 トイレや浴室、古い電気スタンド、インテリア用の照明など。(最近は減っていますが、熱を持ちやすいのが特徴です)
- 蛍光灯 キッチン、学習机のライト、洗面所など。(スイッチを入れてから明るくなるまで少し時間がかかることがあります)
- LED 最近のリビング照明、新しい廊下の電球など。(省エネで長持ちと言われています)
「60W形相当」と書かれていても、実際の消費電力は電球によって大きく違います。その違いに注目するのがこの実験の面白いところです。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 条件をそろえること(公平な比較) 「60W形相当」など、同じ明るさの基準で作られた電球同士で比べるのが基本です。また、明るさを測るときは、電球から計測器までの距離を一定に保つことが大切です。
- 安全管理(ヤケドに注意) 特に白熱灯は、点灯中や消灯直後は非常に高温になります。絶対に素手で触らず、完全に冷えてから交換作業を行ってください。
自由研究の進め方
- 準備するもの
- 比較したい電球3種(白熱灯、蛍光灯、LED)※口金のサイズが合うもの
- 電気スタンド(電球を付け替えられるもの)
- 温度計(非接触タイプがあると便利)
- 照度計(スマホの無料アプリで代用可能)
- 筆記用具、カメラ
- パッケージの確認 それぞれの電球の箱に書いてある「消費電力(W)」「寿命(時間)」「明るさ(ルーメン)」を記録します。
- 実験開始(明るさと熱の測定)
- まず室温と部屋の暗さを測っておきます。
- 電球をセットしてスイッチオン。
- 点灯してから5分後、10分後、30分後の「電球付近の温度」と「直下の明るさ」を測ります。
- 注意: 白熱灯の熱さには十分気をつけて!
- 結果の整理 記録した数値や、気づいたこと(光の色や、まぶしさの違いなど)を表にまとめます。
- 考察 なぜ熱くなる電球と熱くならない電球があるのか?電気代が安いのはどれか?自分なりの考えをまとめましょう。
自由研究から発見したアイデア
- 「家の明かり見直し計画」 トイレや玄関など、まだ白熱灯を使っている場所を探し、「ここをLEDに変えると年間〇〇円お得になります!」と家族にプレゼンしてみる。
- 「使い分けの提案」 LEDは省エネだけど、白熱灯の温かみのある光はリラックス効果があるかもしれない。「勉強部屋はLED、寝室の読書灯はあえて白熱灯」など、シーンに合わせた使い分けを提案する。
- 「冬の暖房効果?」 白熱灯が熱を出すことを逆手にとり、冬場に小さな暖房器具の代わりとして使うアイデア(養鶏場でのヒヨコの保温など)について調べてみる。
この自由研究に関連する仕事
- 照明デザイナー(ライティングデザイナー) 空間の用途に合わせて、光の色や明るさを設計し、美しい空間を作る仕事。
- 電気電子回路設計エンジニア より省エネで高性能なLEDチップや、新しい照明器具を開発する仕事。
- 環境コンサルタント 企業や家庭のエネルギー消費を分析し、CO2削減のためのアドバイスをする仕事。
- インテリアコーディネーター 家具だけでなく、照明も含めて住みやすい部屋をトータルで提案する仕事。
まとめ
いつも何気なく使っている「電球」ですが、比べてみると驚くほどの違いがあります。 特に「熱」の違いは、エネルギーの無駄遣い(ロス)を目に見える形で教えてくれます。 この自由研究を通して、家計にも地球にも優しい「あかり」の選び方をマスターしてください。 たった一つの電球を変えることが、未来の地球を守る大きな一歩になるかもしれません。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





