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今回のテーマ
「手作り布の素材ごとの特性を測ってみよう」
この自由研究では、身近な布(コットン、ポリエステルなど)を使って、それぞれの素材が水をどれくらいはじくか(防水性)と、どれくらい水を吸うか(吸水性)を実験で比較します。ただ漠然と「この布は水を吸う」と知るだけでなく、実際に実験して数字や結果で確かめることで、素材の特性について楽しく学ぶことができます。
自由研究の目的
私たちが毎日使うものには、布がたくさん使われています。雨の日に着るレインコート、お風呂上がりに使うタオル、運動するときの服、さらには赤ちゃんのおむつまで、それぞれにぴったりの布が選ばれています。これは、それぞれの用途に合わせて「水をはじく」「水をよく吸う」といった素材の特性が活かされているからです。この自由研究を通して、なぜ特定の布が特定の用途に使われているのか、その理由を科学的に理解することができます。
自由研究のゴール
- 初級ゴール 2〜3種類の布で、防水性と吸水性を比べてみよう。
- 中級ゴール 最も吸水性のある布、最も防水性のある布を見つけて、なぜそうなったのかを考察してみよう。
- レベルアップゴール
実験の工夫 布の厚さや織り方の違いも、防水性・吸水性に影響するか実験してみよう。
新たな発見 防水スプレーやロウ(ろうそく)を使って、布を自分で防水加工してみて、どれくらい効果があるか実験してみよう。
発表の工夫 実験結果をグラフにまとめたり、写真をたくさん使って発表資料を作ったりしてみよう。
身近な素材の実験例
- 水をよく吸う布
- コットン(綿) Tシャツやタオルによく使われる。
- リネン(麻) 通気性が良く、夏の衣類に使われる。
- 水をはじく布
- ポリエステル シャカシャカしたスポーツウェアに使われる。
- ナイロン カバンやウインドブレーカーに使われる。
これらの布を、すべて同じ大きさ(例:10cm×10cm)に切って、実験の準備をします。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- 実験は公平に! 比較する布の大きさや、使う水の量は、すべて同じにします。こうすることで、正確な実験結果を得ることができます。
- 観察記録をしっかり! 実験中に気づいたことをメモしたり、写真を撮ったりしましょう。水滴がどうなるか、布の色はどう変わるかなど、小さな発見を大切にしてください。
- 仮説を立ててみよう! 実験を始める前に、「この布は水を吸いそうだ」といった仮説を立てておくと、実験がもっと面白くなります。
自由研究の進め方
準備するもの
- 用意した布のサンプル(各10cm×10cm)
- 水、スポイト、計量カップ
- 定規、ハサミ、ペン
- デジタルスケール(1g単位で測れるものが理想)
- ストップウォッチ
- 実験結果を記録するノートや紙
実験の進め方
吸水性実験
- 各布の重さをデジタルスケールで正確に測り、ノートに記録します。
- 各布を水に浸し、30秒後に引き上げます。
- 水が垂れない程度に軽く絞り、再び重さを測ります。
- 「浸した後の重さ – 浸す前の重さ」を計算して、どれだけ水を吸ったかを比較します。
防水性実験
- 布を斜めにして立てかけ、スポイトで水を数滴垂らします。
- 水滴が布の上で水玉になるか、すぐに染み込んでしまうかを観察します。
- どれくらいの時間で水が完全に染み込むかをストップウォッチで測ります。
自由研究から発見したアイデア
- 最強の防水ウェアを作ろう! 実験で一番水をはじいた布に、さらに防水スプレーをかけたら、もっと水をはじくようになるかな?
- エコなタオルを開発しよう! 吸水性が高い布を調べて、環境にやさしい素材で、もっと早く水を吸う新しいタオルは作れないかな?
- 水を吸わないTシャツは? スポーツするとき、汗をかいてもベタベタしない服は、どんな布でできているか、調べてみよう!
この自由研究に関連する仕事
- テキスタイルデザイナー/技術者 新しい素材や布の開発、繊維の加工技術を考える仕事です。
- 製品開発者 レインコートやスポーツウェア、アウトドア用品など、布の特性を活かした製品を作る仕事です。
- 化学者 新しい繊維や、水をはじく加工剤などを開発する仕事です。
まとめ
今回の実験を通して、普段何気なく使っている布にも、それぞれ異なる個性があることが分かったはずです。なぜその布が使われているのか、その理由を探ることは、科学的な視点を養う素晴らしい経験になります。身近な疑問を「なぜ?」と問いかけ、実験で答えを探すことで、未来の科学者や発明家への第一歩を踏み出せるかもしれません。ぜひ、今回の研究をきっかけに、身の回りにある「素材」の世界を深く探求してみてください。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。