自由研究414|地方自治体の財政難「地域のお金の使い方を考える!財政再建アイデアを出そう」

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地域のお金の使い方を考える!財政再建アイデアを出してみよう!

地方自治体の財政難は、歳入の減少や高齢化による社会保障費増加、公共施設の老朽化対応費用などが重なり、自治体運営に深刻な影響を及ぼします。財源不足は住民サービスの削減や税・手数料の引き上げ、基金取り崩しの常態化などを招き、自治体の持続可能性を脅かします。本自由研究では、地域のお金の使い方を見直し、財政再建に向けたアイデアを考えるプロセスを体験することを目指します。

どうして地域のお金の使い方を考える!財政再建アイデアを出してみるの?

  • 社会参加意識の醸成 自治体財政は身近な地域サービス(学校、福祉、インフラ整備など)の源泉です。財政状況を理解することで、住民として自分たちの暮らしに直結する課題を把握し、意見形成や参加意識を高められます。
  • 経済・数学的思考の育成 予算書や財政指標(財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率など)を学ぶことで、数値をもとに問題点を分析し、解決策を検討する力が養われます。
  • 批判的思考と創造力の向上 既存の財政運営をただ受け入れるのではなく、「なぜこの支出が必要か」「どこを改善できるか」を問い、創意工夫でアイデアを生み出す姿勢を育てます。
  • 将来のキャリア・社会理解への応用 自治体運営や公共政策への関心は、将来の仕事選択や地域社会への貢献意識につながります。財政の仕組みを学ぶことは、行政・経営・地域づくりなど幅広い分野で役立ちます。

自由研究のゴール

この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

  • レベル1 基礎理解 地方自治体の財政構造(歳入・歳出・基金・借金など)の基本用語を調べ、簡単に説明できる。
  • レベル2 指標分析 自治体の財政資料(予算書や決算書)を読み込み、財政力指数や経常収支比率など主要指標を計算・解釈し、健全度を評価できる。
  • レベル3 事例検証 財政難に直面した自治体のケース(例:夕張市、日野市、市川三郷町など)の再建策やその成果・課題を整理し、成功・失敗要因を分析できる。
  • レベル4 アイデア提案 地域の実情を想定または実データを用い、歳入拡大策や歳出削減策、地域資源活用型プロジェクト、住民参画型財政運営アイデアなどを具体的に提案できる。
  • レベル5 発表・フィードバック 提案内容をレポートやプレゼンテーションにまとめ、クラスや地域の人々に発表し、意見を集めて改善し、研究として完成度を高める。

地域のお金の使い方を考える!財政再建アイデアを出した例

収入を増やす成功事例

  • 北海道上士幌町(かみしほろちょう)「ふるさと納税」をうまく活用した例です。魅力的な返礼品を用意することで、全国からたくさんの寄付金を集め、子育て支援や新しい産業の創出に役立てています。
  • 徳島県神山町(かみやまちょう) IT企業のサテライトオフィスを誘致することに成功しました。自然豊かな環境で働きたいという若い人たちが移住してきて、まちに新しい活気が生まれています。

支出を見直した事例

  • 三重県鳥羽市(とばし)公共施設のあり方を住民と一緒に考え、本当に必要な施設に絞り込むことで、維持管理にかかる費用を削減しました。ただ減らすだけでなく、住民の満足度を下げない工夫がされています。

失敗から学ぶ事例

北海道夕張市(ゆうばりし)かつて日本で唯一「財政破綻(ざいせいはたん)」した自治体です。炭鉱が閉鎖された後、大規模な観光開発に多額のお金を使いましたが、計画通りにいかず、莫大な借金を抱えてしまいました。その結果、公共サービスは大幅に縮小され、住民の負担が増えることになりました。この事例は、お金の使い方の計画性がどれほど重要かを教えてくれます。

研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

情報収集のコツ

  • まずは、自分の住むまちの「公式ウェブサイト」を見てみましょう。「財政」「予算」「統計」などのキーワードで検索します。子ども向けに分かりやすく解説したページがある場合もあります。
  • 図書館の郷土資料コーナーに行ったり、司書さんに相談したりするのも良い方法です。
  • 思い切って市役所の財政担当課などに電話して、「自由研究で調べているのですが」と聞いてみるのも一つの手です。(必ず、おうちの人と相談してからにしましょう)

考え方のヒント

  • 「収入を増やす」「支出を減らす」 の両方の視点から考えてみましょう。
  • 支出を減らすときは、「何でも削れば良い」わけではありません。未来への投資(教育や子育て支援など)を削ると、長期的にはまちの活力が失われる可能性もあります。「賢いお金の使い方」とは何かを考えてみましょう。
  • 「もし私が市長だったら?」 と考えてみると、いろいろなアイデアが浮かびやすくなります。

まとめ方のポイント

  • 調べたお金のデータは、円グラフや棒グラフにすると、一目で分かりやすくなります。
  • 他のまちの事例や、自分のアイデアを説明するときは、写真やイラストを入れると、見る人が楽しく読めます。
  • 最後に、「この研究を通して考えたこと」や「自分の提案」をしっかりと書きましょう。

自由研究の進め方

  • ステップ1 自分のまちを知ろう
    まずは自分の住むまちの基本情報を調べます。(例:〇〇市、人口〇〇人、特産品は△△)
  • ステップ2 お金の流れを調べよう
    まちのホームページで、歳入(収入)と歳出(支出)のデータを探します。
    ※歳入 市税、地方交付税、国庫支出金など
    ※歳出 民生費(福祉)、教育費、土木費(道路や公園)など
    主な項目と金額を書き出して、グラフにしてみましょう。
  •  ステップ3 まちの課題を見つけよう
    データから、まちが抱えるお金の課題を見つけます。(例:「人口が年々減っていて、税収も減っている」「借金(市債)の返済額が大きい」など)
  • ステップ4 解決策を探そう
    他のまちの成功事例を調べたり、家族や友達に「まちがこうなったらいいな」という意見を聞いたりして、アイデアのヒントを集めます。
  • ステップ5 アイデアを提案しよう!
    集めたヒントをもとに、「収入アップ」と「支出カット」の両面から、自分だけの財政再建アイデアを考え、理由とともにまとめます。
  •  ステップ6 レポートにまとめよう
    これまでのステップを、模造紙やレポート用紙にまとめます。「はじめに(研究の動機)」「調査方法」「結果と考察(分かったこと)」「提案」「まとめ(感想)」という構成にすると、分かりやすく伝わります。

    自由研究から発見したアイデア

      皆さんならどんなアイデアを思いつく?ここでは、考えを広げるためのヒントをいくつか紹介します。

      収入アップアイデア

      • 空き家活用プロジェクト まちにある空き家を、アーティストのアトリエや、お試し移住用の宿泊施設として貸し出し、家賃収入と関係人口(まちを応援してくれる人)を増やす。
      • 中高生プロデュース!ふるさと納税 地元の特産品と、中高生がデザインしたオリジナルグッズをセットにした、新しい返礼品を開発する。
      • ネーミングライツ(命名権)の販売 公園や市民ホール、橋などに、企業の名前や商品名を付ける権利を販売し、収入を得る。

      支出カットアイデア

      • 公共施設の省エネ大作戦 学校や役所などの照明を全てLEDに変えたり、太陽光パネルを設置したりして、電気代を削減する。
      • デジタル化で手続きをスムーズに 役所の手続きをスマホでできるようにして、紙や印刷にかかる費用、職員の作業時間を減らす。
      • 住民と協働でまちをきれいに 公園の草刈りや清掃などを、ボランティアを募って地域住民と一緒に行い、管理コストを抑える。

      この自由研究に関連する仕事

          • 地方公務員 市役所や町役場の職員として、まちの予算を作ったり、地域の課題解決のための新しい事業を企画したりします。まさに、この研究の主役です。
          • 政治家(市長、議員など) 住民の代表として、税金の最終的な使い道を決定する、とても重要な役割です。
          • まちづくりコンサルタント 専門的な知識を活かして、全国の自治体に「どうすればもっと元気になるか」をアドバイスする仕事です。
          • NPO/NGO職員 行政とは違う立場で、住民と一緒に地域の課題(環境問題、子育て支援など)に取り組む仕事です。

          自由研究のまとめ

          今回の自由研究を通して、自分たちの毎日の暮らしが「税金」というお金に支えられていること、そしてその使い道を考えることが、いかに重要かを感じられたのではないでしょうか。

          「財政難」は、一見すると暗くて難しい問題に思えるかもしれません。しかし、これは決して他人事ではなく、私たち自身の未来に直結する大切なテーマです。

          大切なのは、「どうせ自分一人が考えても変わらない」と諦めないことです。まず、自分の住むまちに関心を持つこと。そして、家族や友達と「もっとこうなったら良いのにね」と話してみること。そんな小さな一歩が、より良いまちづくりへの大きな力になります。

          この自由研究が、皆さんにとって社会の仕組みを学び、未来を考える素晴らしいきっかけになることを願っています。

          参考リンク

          • 厚生労働省「児童虐待の現状について」
          • 全国児童相談所長会「児童相談所の仕組み」
          • 児童虐待防止全国ネットワーク「子どもの虐待防止に向けて」

          関連書籍

           

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          • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
          • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
          • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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