世界の教育|英語と日本語を使いこなす小学生たち!ソルトレイクシティの驚きの学校生活から学ぶ「世界とつながる力」

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教育制度の特徴

アメリカの義務教育は「K-12(ケースルートゥエルブ)」と呼ばれ、幼稚園(Kindergarten)から高校3年生(12th Grade)までの13年間が一般的です。ソルトレイクシティでも、公立学校は学費が無料で、多くの子供たちが地元の学校に通っています。

最大の特徴は「イマージョン教育(Dual Language Immersion)」です。 ユタ州は全米でも特にこの教育に力を入れています。これは、1日の授業の半分を英語、もう半分を「別の言語(スペイン語、中国語、フランス語、そして日本語など)」で行うというプログラムです。 小学生のうちから、算数や理科を外国語で学ぶことで、自然とバイリンガル(2ヶ国語を話せる人)が育つ仕組みが整っています。公立の小学校でこれほど大規模に行われているのは、アメリカの中でも珍しい特徴です。

教育方法

ソルトレイクシティの学校では、「正解を覚えること」よりも「自分の意見を伝えること」が重視されます。

  • ICT教育の徹底 「シリコンスロープス」と呼ばれるほどIT産業が盛んな地域でもあるため、小学校低学年から一人一台のChromebook(ノートパソコン)やiPadが支給されるのが当たり前です。宿題の提出や先生との連絡もすべてアプリで行われることが多いです。
  • クリティカル・シンキング(批判的思考)  先生の話をただ聞くだけではなく、「なぜそうなるのか?」「自分ならどうするか?」を問いかける授業が行われます。教室の机の配置も、黒板に向かって一列に並ぶのではなく、グループディスカッションがしやすいように4〜5人の島型になっていることがよくあります。

教育への取り組みや支援

  • 保護者のボランティア活動 親が学校に来て、授業の補助をしたり、図書室の手伝いをしたり、イベントの運営をすることが非常に活発です。学校のドアは地域に対してオープンです。
  • 多様性への支援(ESL) ソルトレイクシティは、実は多くの難民や移民を受け入れている街でもあります。そのため、英語が母国語ではない子供たちのための「ESL(English as a Second Language)」という特別クラスが充実しており、専門の先生が英語のサポートをしてくれます。

    子供達の1日の過ごし方

    • 朝(8:00〜): 黄色いスクールバスや、親の車で登校します。冬は雪がたくさん積もるので、スノーブーツを履いて登校することもあります。
    • 授業(8:30〜) 午前中の授業。イマージョンプログラムの生徒は、午前中は「日本語」だけで算数を勉強する、といった過ごし方をします。
    • ランチ&リセス(昼休み) カフェテリアで給食を食べます。ピザやハンバーガー、サラダバーなどが一般的です。食べた後は「リセス」と呼ばれる外遊びの時間。広大な校庭で元気に走り回ります。
    • 午後(〜15:00) 授業終了。日本のような「掃除の時間」は基本的になく、掃除は専門のスタッフが行います。
    • 放課後 学校の部活動というよりは、地域のサッカークラブやダンススクールに通ったり、冬場はスキーに行ったりします。また、家族との時間をとても大切にする文化があるため、夕食は家族全員で揃って食べることが多いです。

          教育と社会の関係

          ソルトレイクシティにおける教育は、社会や経済と密接に結びついています。

          ユタ州は子供の数が非常に多い「若い州」です。そのため、将来の労働力を育てることへの関心が高く、特にSTEM教育(科学・技術・工学・数学)に力を入れています。地元のIT企業が学校に出前授業に来たり、プログラミングコンテストが開かれたりと、企業と学校が連携して「未来のエンジニア」を育てようとしています。

          また、宗教的な背景を持つ家庭も多いため、正直さや奉仕の精神(ボランティア精神)を大切にする道徳的な教育も、家庭や地域社会の中で自然と行われています。

          国が抱える教育の課題と未来

            • 教育予算の不足 ユタ州は子供の人口比率が高いため、生徒一人当たりにかけられる予算(税金)が全米でも低い水準にあります。そのため、1クラスの人数が30人〜35人と多くなりがちで、先生の負担が大きいことが問題になっています。
            • 教員不足 給与面の問題などから先生のなり手が不足しており、他州や海外から先生を募集することも珍しくありません。

              未来に向けては、予算不足を補うためにテクノロジーを活用した「個別最適化された学習(アダプティブ・ラーニング)」が進んでいます。AIドリルなどを使って、先生が一人ひとりを見きれなくても、子供が自分のペースで学べる環境づくりが急ピッチで進められています。

              教育と文化や価値観の関係

              「内陸部なのにグローバル」な市民性

              公立校で盛んな「イマージョン教育(二言語教育)」により、子供たちは幼い頃から異文化や外国語に触れます。また、ユタ州は宗教的背景から海外への布教活動(ミッション)に行く若者が多く、外国語習得へのモチベーションが元々高い地域です。アメリカ内陸部の地方都市でありながら、「外国語を話せる人材の密度」が全米トップクラスです。これにより、国際的なビジネスの誘致に成功していたり、外国からの移民や難民を温かく受け入れたりする「オープンで寛容な地域文化」が形成されています。「世界は広い」という感覚を、山に囲まれた街の子供たちが持っているのが特徴です。

              「シリコンスロープス」を支える起業家精神

              小学校からの徹底したICT教育や、クリティカル・シンキング(批判的思考)を重視する授業が、「新しい技術を使って問題を解決する」というマインドセットを育てています。ソルトレイクシティ周辺は「シリコンスロープス」と呼ばれ、IT系スタートアップ企業が急増しています。教育によって育まれた「テクノロジーへの親和性」と「自立心(自分で道を切り開く精神)」が、「大企業に就職するより、自分でビジネスを始める」という活発な起業家文化を生み出しています。

              「助け合い(ボランティア)」が当たり前の社会

              学校運営における「保護者のボランティア参加」が必須に近いほど定着しています。子供たちは、大人が学校や地域のために無償で働く姿を見て育ちます。ユタ州は全米で「ボランティア活動参加率」が常にトップクラスです。困っている人がいれば近所で助け合う、地域のイベントは住民の手で作る、といった**「コミュニティへの奉仕精神」**が、教育現場を通じて次世代へと自然に継承されています。

              まとめ

              ソルトレイクシティの教育を調べてみると、「グローバルな視点(外国語教育)」と「最先端の技術(ICT活用)」、そして「古き良き地域のつながり」がミックスされていることがわかります。

              日本と同じように学校に通っていても、学ぶ言葉が違ったり、パソコンの使い方が違ったり、社会との関わり方が違ったりします。「もし自分がソルトレイクシティの小学生だったら?」と想像してみると、今の日本の学校生活の良さや、逆にもっとこうなったらいいなという新しい発見があるかもしれません。

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